小紙「短歌新聞」は二〇一一年十二月号を以て終刊することになった。社長を務める石黒清介氏が95歳という高齢であることが理由として挙げられているが、もちろんそれだけではないだろう。毎月、総合誌や歌集がたくさん刊行されて、一見賑わいを見せている短歌の世界であるが、その内実は何とも脆いもののような気がする。
それと同時に、僚誌「短歌現代」も同月号にて終刊。
発行所としての短歌新聞社は、なお継続するが、残務の整理を経て、ほどなく解散ということになる。歴史の転換という問題が、大きな原因のひとつとしてあるだろう。
私のまわりを見ても、総合誌や歌集をお金を出して買っている人は、驚くほどに少ない。図書館で借りたり、友人と回し読みをするのも結構だが、それぞれが短歌というジャンルを支えているという意識も持つ必要があるのではないだろうか。