2011年09月13日

アルカディア

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1979年から81年(?)にかけて、沖積舎から7冊発行された短歌誌「アルカディア」。
そのうち第1号〜第5号の5冊を入手した。その存在は知っていたのだが、現物を見るのは今回が初めて。

毎号96ページ。編集委員は小池光、滝耕作、藤森益弘、松平修文の4名。毎号大規模な特集を組み、さらに評論あり、作品ありという、かなり意欲的な内容の誌面となっている。

滝耕作が「作品をして語らしめよ 現代歌人論」という連載をしており、第5号では河野裕子を取り上げている。まだ第3歌集『桜森』が出たばかりの時期のものだ。その中に、次のような指摘がある。
現代短歌における若手女流として目覚しい活躍を見せる彼女の表現者としての実像は、かなり誤解されているように私には思える。その誤解の最も大きなものは、彼女を単なる情念の歌人、相聞の歌人、女歌の歌人と見ることであろう。歌人をある特徴をもとにステレオタイプ化することほどたやすく、また誤てるものはない。河野裕子は混沌とした歌人である。その混沌はほとんど豊穣という言葉と等しい内容を持っている。
30年前の文章であるが、今でも十分に当てはまる内容のように思う。

posted by 松村正直 at 21:48| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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