2011年09月06日

東京駅の地下通路

「ビッグコミックオリジナル」に連載中の「テツぼん」を立ち読みしていたら、東京駅の地下通路を車椅子を押して歩く場面が出てきた。「あっ!」と思い当たったのは、河野さんの歌を思い出したから。
 十一月八日 はれ、くもり   NHK歌壇収録のため上京、淳がつき添う。
 京都駅も東京駅も車椅子。とある扉より古い迷路のような東京駅の地下に入る

カビ臭く暗き通路を押されゆく古井戸を寝かせしやうな壁に沿ひつつ
押しくるる駅員無言息子無言とある扉よりスルリと出でつ
2000年10月11日の乳癌の手術後、初めて上京した時の歌である。この時のことは、『河野裕子読本』の永田さんと淳さんの話にも出てくる。
和宏 あの手術のあとも、結局一度も休まずにNHKに行ったものね、淳が車椅子を押して。あれはお母さん、ずいぶん印象深く、喜んでいたみたいだ。車椅子で、京都駅から新幹線に乗って、東京駅ではふだんは人が入らないような地下を車椅子で通っていっただろ。
 そう。あの地下道は戦中に造ったものだとか。特殊なエレベーターで地下に行き、古いレンガ造りの、湿った暗い地下を車椅子を押していった。なんか不思議な体験。丸の内に出たのかな。
この地下通路は、もともとは丸の内口にある旧東京中央郵便局と東京駅のホームを結んで郵便物の運搬に使っていたもの。かつてはこの通路にレールが敷かれていて、郵便物をトロッコ輸送していたのだ。

現在は駅員や車椅子の方、また商品搬送業者用の通路となっていて、残念ながら一般の人は立ち入ることができない。鉄道によって大量に郵便物が運ばれていた時代も、はるか昔のことになってしまった。

posted by 松村正直 at 00:25| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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