昨日は琵琶湖畔に立つ長浜ロイヤルホテルにて、現代歌人集会春季大会が開かれた。大会テーマは「口語のちから・文語のチカラ」。安田純生さんの基調講演、今野寿美さんの講演、石川美南さん、永井祐さん、澤村斉美さん、棚木恒寿さん(進行)によるパネルディスカッションという内容。13:00〜17:00。
会場入口で受付を担当していたのだが、予想を大幅に上回る方が来てくださり、あわててレジュメをコピーしたり椅子を追加したりした。最終的に150名以上の参加者があり、たいへん盛況であった。
講演やパネルディスカッションを聴いて、今回私が感じたのは次の2点。
○現代短歌のおける文語というものは、あくまで近代的な文語であるということ。「文語を自在に使いこなす」と言われている歌人の文語にしても、それは古典の文語とは違うものとして考えた方がいい。
○しばしば口語の問題として扱われる永井さんの歌であるが、その大きな特徴はどのような短歌を志向しているかという点にある。例えば戯曲は「ト書き」と「台詞」という二つの異なるレベルの言葉で成り立っているが、永井さんの歌は「ト書き」を排除して「台詞」だけで成り立たせようとしているのだと考えるとわかりやすい。
久しぶりに、いろいろと刺激を受けた一日であった。
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