2011年06月20日

青年団第62回公演「革命日記」

作・演出、平田オリザ。JR伊丹駅前のAI・HALL(伊丹市立演劇ホール)にて。

場面は住宅地のマンションにある組織のアジト。空港と大使館の同時占拠を目論むメンバーたちが打合せをしているところへ、お隣さんをはじめ次々とお客さんがやって来て、打合せは一向に進まない。そのうち、雲行も怪しくなってきて・・・というお話。

なぜ今ごろになって「革命」の話を書いたのかと思ったのだが、これを「組織と個人」の話として見れば、さまざまな場面に当て嵌まることがよくわかる。短歌結社だって同じことだろう。

登場人物が入れ替わり立ち替わりして、舞台上の人数も2人になったり5人になったり8人になったりするのだが、その都度、敬語などを含めた話し方が変っていくのが面白い。話し言葉というのが相手や場との関係性の中で決まるものだということがよくわかる。また反対に、どういう話し言葉を使うかによって、登場人物同士の関係や組織における立場なども見えてくる仕掛けになっている。

一番印象に残ったのは、後ろ向きに座った女優さんが正面の相手と議論をしているシーン。議論が激しくなるにつれて、この女優さんのうなじから肩にかけての肌が、見る見る赤く染まっていくのである。客席から顔の表情は見えないのだが、そのためにより一層、感情の高ぶりが伝わってくるのであった。

posted by 松村正直 at 10:55| Comment(1) | 演劇・美術・講演・スポーツ観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
演劇はおもしろい。主演が上手いならほかのものもつられて神技となる。演技で魅了すれば会場は水をうったようになり観客はひきこまれる。しかしながら真の演技は二度とすることができない。一期一会に生まれた歌にも似ている。
Posted by 小川良秀 at 2011年06月20日 14:47
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