「京都の町は碁盤目状になっているからわかりやすい」というのはウソである。
碁盤目状ということは、どこへ行っても似たような景色が繰り返されるということで、さてどこで曲がったら良いのか、そもそも自分が北に向っているのか西に向っているのか、どこに向って歩いているのかもわからない。そんな町である。
京都(郊外)に暮らすようになって十年以上が経つが、ようやく「あたりを見回して山の見えない方が南」という大原則を覚えただけで、今でも地下鉄から地上に出た時など、どっちへ向って歩きだしたらいいのか、しばしば迷う。
方角を見定めて歩きはじめてからが、また大変。目的地の住所が「高倉夷川上る」とあれば、まず高倉通と夷川通の交差する場所を探すことになるのだが、通りの順番がわからない。南北はまだしも、東西の通りは一条二条三条・・・などとわかりやすく並んではいないのだ。高倉通、間之町通、東洞院通、車屋町通といった難しい名前が、ランダムに続いている。どういう順番に並んでいるのか、さっぱりわからない。
こんな時、京都人には必殺技があって、ゴニョゴニョゴニョと何か呟いたかと思うと、「もう一本東やわ〜」などと言って、すたすた歩いて行く。そう、実は通りの順番を覚える秘密のわらべ歌があって、京都人なら誰でもこれを覚えているのである。
これは門外不出の秘伝のわらべ歌なので、京都人以外には教えてくれない(ウソ)。私も含めてよそ者たちは、ひたすら迷い続けるしかないのである。おそるべし、京都。
丸竹夷についてですが
わたしは京都府民ではありませんけど
確か・・・ラジオ(たぶんKBS京都)で
「まるたけえびすにおしおいけ♪
あねさんろっかくたこにしき♪ 」と子どもの歌声で始まり
「粒あん生やつ ひ〜じり〜(聖)」で終わるCMがありました(今も?)
たぶん近県の方ならご存じではないかと・・・
この呪文のような言葉が、通り名を指していると知ったときの驚愕は忘れません
京都には驚くようなことがいろいろありますね。
「寺御幸」(南北の通り)は京都銀行のCMに使われたということでした。
「丸竹夷」の方がよく知られている気がします。