2011年06月02日

螢田てふ駅(その1)

用があって小中英之の歌について調べていたのだが、アンソロジーや辞典などに引かれた歌の表記が、実にまちまちであることに気が付いた。手当たり次第に当たってみた結果、確認できたのは次の5通りの表記。驚くことに5通りもの表記があるのだ。
螢田てふ駅に降りたち一分の間(かん)にみたざる虹とあひたり
蛍田てふ駅に降りたち一分の間(かん)にみたざる虹とあひたり
螢田てふ駅に降りたち一分の間(かん)にみたざる虹にあひたり
螢田てふ駅に降り立ち一分の間に満たざる虹とあひたり
螢田(ほたるだ)てふ駅に降りたち一分(いつぷん)の間(かん)にみたざる虹とあひたり

歌集『翼鏡』に載っている正しい表記は一番上のもの。
螢田てふ駅に降りたち一分の間(かん)にみたざる虹とあひたり

以下に挙げる本は、きちんと正しい表記になっていたものである。

・小高賢編著『現代短歌の鑑賞101』(1999年、新書館)
・篠弘編著『現代の短歌 100人の名歌集』(2003年、三省堂)
・佐藤通雅「小中英之」の項[飛高隆夫・野山嘉正編『展望 現代の詩歌7』](2007年、明治書院)

問題は、これ以外のものだ。

posted by 松村正直 at 18:19| Comment(2) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
驚きますなあ。
いつも必ず原典にあたる時間があるとは限らないし。というか、時間が無いからアンソロジーや辞典から引くわけですから。
困ります。
Posted by おおまつ。 at 2011年06月05日 22:59
驚きますねえ。
アンソロジーや辞典などの引用ミスは致命傷になりかねません。
Posted by 松村正直 at 2011年06月06日 23:29
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