この頃の小学生には、毎日「音読(おんどく)」の宿題がある。昨日も学校から帰ってくると、息子はさっそく国語の教科書を読み始めた。
「これはレモンのにおいですか。」
「いいえ、夏みかんですよ。」
あっ!と思う。
その瞬間、鮮やかで懐かしい感情の波のようなものが、どっと押し寄せてきた。匂いや空気や人の声などが一緒くたになって溢れ出してくる。たぶん三十年くらいの間まったく忘れていた話なのだが、それが冒頭の短いやり取りを聞いただけで、様々なものを伴って甦ってきたのだ。
記憶っていうのは、すごいものだと思う。
今回、このお話の作者(あまんきみこさん)が、昨年息子の音読を聞いて印象に残っていた「ちいちゃんのかげおくり」の作者であることを知りました。
「ちいちゃん・・・」の方は1982年の作品なので、僕が小学生の時の教科書には載っていませんでしたが。
息子の音読の声と共に、挿絵までよみがえってきました♪
そして自分の小学生時代の
「車のいろは空のいろ」
「チョコレート戦争」
「SOS地底より」は、
当時のとてもなつかしい教科書や課題図書です。
わたしは(たしか小3のときのだったと思うのですが)
「ピザパイのうた」がなつかしくて探しています。
教科書っておわると処分してしまいますが
せめて国語だけでもとっておけばよかった。
私も新学期が始まり、持ち上がりの4年生。またりょうちゃんと話が合うかな?
白いぼうし 光村の教科書ですね。
今の子どもたちにこの松井さんのやさしさやファンタジーがわかるのか、ドキドキしながら授業をすることと思います。今でも結構私たちの習った教材が残っていますよ。
子どもたちの音読の声は、昔の自分の声や思い出、教室の匂いまでも思い起こす不思議なものだなと毎年思います。
ちなみに私が好きだったのは、1年生で習った「くじらぐも」です。
僕は記憶力にはまったく自信がなくて、何でもすぐに忘れてしまうのですが、どうも「忘れる=消える」ではないみたいです。今回のように、何かきっかけがあると、急に身体の奥の方から甦ってきます。