2011年04月08日

白いぼうし

この頃の小学生には、毎日「音読(おんどく)」の宿題がある。昨日も学校から帰ってくると、息子はさっそく国語の教科書を読み始めた。

「これはレモンのにおいですか。」
「いいえ、夏みかんですよ。」

あっ!と思う。

その瞬間、鮮やかで懐かしい感情の波のようなものが、どっと押し寄せてきた。匂いや空気や人の声などが一緒くたになって溢れ出してくる。たぶん三十年くらいの間まったく忘れていた話なのだが、それが冒頭の短いやり取りを聞いただけで、様々なものを伴って甦ってきたのだ。

記憶っていうのは、すごいものだと思う。
posted by 松村正直 at 00:41| Comment(5) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
松井さん!
Posted by まなか at 2011年04月08日 12:08
そうです。運転手の松井さん。

今回、このお話の作者(あまんきみこさん)が、昨年息子の音読を聞いて印象に残っていた「ちいちゃんのかげおくり」の作者であることを知りました。

「ちいちゃん・・・」の方は1982年の作品なので、僕が小学生の時の教科書には載っていませんでしたが。
Posted by 松村正直 at 2011年04月08日 22:10
「白いぼうし」
息子の音読の声と共に、挿絵までよみがえってきました♪

そして自分の小学生時代の

「車のいろは空のいろ」
「チョコレート戦争」
「SOS地底より」は、
当時のとてもなつかしい教科書や課題図書です。

わたしは(たしか小3のときのだったと思うのですが)
「ピザパイのうた」がなつかしくて探しています。

教科書っておわると処分してしまいますが
せめて国語だけでもとっておけばよかった。

Posted by Emi at 2011年04月09日 09:19
4年生、進級おめでとうございます。
私も新学期が始まり、持ち上がりの4年生。またりょうちゃんと話が合うかな?
白いぼうし  光村の教科書ですね。
今の子どもたちにこの松井さんのやさしさやファンタジーがわかるのか、ドキドキしながら授業をすることと思います。今でも結構私たちの習った教材が残っていますよ。
子どもたちの音読の声は、昔の自分の声や思い出、教室の匂いまでも思い起こす不思議なものだなと毎年思います。
ちなみに私が好きだったのは、1年生で習った「くじらぐも」です。
Posted by りょうだ ゆうこ at 2011年04月09日 15:28
小学生の頃に読んだ教科書や本は、けっこう覚えているものなんですね。今回、自分でもびっくりしました。

僕は記憶力にはまったく自信がなくて、何でもすぐに忘れてしまうのですが、どうも「忘れる=消える」ではないみたいです。今回のように、何かきっかけがあると、急に身体の奥の方から甦ってきます。
Posted by 松村正直 at 2011年04月09日 21:39
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。