2011年03月28日

フォーラム福島

震災の影響により営業を休止していた映画館「フォーラム福島」が、4月2日から営業を再開することになった。嬉しいニュースである。

「フォーラム」は一般会員からの出資をもとに、主に東北地方に映画館をつくる運動をしている団体で、現在、山形・福島・仙台・盛岡・八戸・東根・那須塩原の7都市で計58スクリーンを運営している。

私は1997年〜99年に福島に住んでいた時、この映画館で働いていた。映写全般に渡ることから、切符切り、町中のポスター貼り、フィルムチェック、駐車場の誘導など、何でもやらせてもらった。若いスタッフがみんな元気に働いていて、本当に楽しい思い出の多い二年間だ。十年以上が経った今でも、「フォーラムラヴィ」という上映案内が、毎月送られてくる。

当時は、まだ山形・福島・盛岡の3都市だけという規模だったので、この十年で随分大きくなったなあと感じる。東京をはじめとした大都市でしか上映されないミニシアター系、アート系と呼ばれる作品や、ドキュメンタリー映画などを数多く上映してきた「フォーラム」の姿勢が、多くの方々の支持や評価を得た結果なのだと思う。

今回の原発事故について、フォーラム福島総支配人の阿部泰宏さんがメッセージの中で、次のように書いている。
営々と築きあげてきた「うつくしまふくしま」のキャッチフレーズはいまや「美しい島」どころかチェルノブイリ、スリーマイルと並ぶ放射能汚染にまみれた原子力災害のシンボリックな地「フクシマ」として、世界じゅうの人々にその名を印象づけかねない状況にあります。信じがたい屈辱。

屈辱という強い言葉を使った阿部さんの気持ちが、ずっしりと胸に響いてくる文章だ。福島の地で映画の灯をともし続ける皆さんを、私は心から応援する。
posted by 松村正直 at 00:34| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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