「開通ムードを満載 琵琶湖大橋 江若が花列車の試乗」
江若鉄道会社(大坪武彦社長)=大津市南別所町=は二十七日びわ湖大橋開通祝賀協賛行事として“花列車”を走らせるが、十九日その試乗会を行なった。
金、銀のモールと色とりどりの造花で飾られた花列車は、けん引車と普通列車二両、お座敷き車の四両で編成され、とくにお座敷き車は普通列車のイスを取りはずし、畳十三枚を敷き、カウンターもあるデラックス版。また車内はオリンピックの年にふさわしく万国旗で飾られている。
この日は奥村副知事ら来賓、関係者百五十人が浜大津駅に集まり、午前十時、県警音楽隊がかなでる「クワイ河マーチ」のうちに、同鉄道守山開発課長のあいさつにつづき、奥村副知事がテープを切り、花列車はびわこ大橋の見える真野駅まで往復した。
なお同鉄道は二十七日の開通日には堅田駅で降りる客には運賃の二割引をする。
つまり、1964年9月19日(土)に河野さんが見た(と思われる)花電車は、東京オリンピックでも東海道新幹線でもなく、琵琶湖大橋開通を祝うためのものであり、しかも試乗会のものだったのである。琵琶湖西岸の堅田と東岸の守山を結ぶ琵琶湖大橋は、9月27日に開通式が行われ、28日から一般に供用されている。(つづく)