2011年01月25日

ゆにかねっと(その3)

ゆにかねっと(その3)

県立長野図書館の歌集をHPで検索してみると、古い歌集の多くが配架場所に「高安文庫」と表示されていることがわかる。つまり、高安国世の旧蔵書なのである。

高安国世文庫の開設の経緯について、広報誌「図書館ながのけん」第25号(2010年3月)には次のように記されている。
 平成13(2001)年8月、長野市在住の歌人である清原日出夫氏の師が、国世であったというご縁により、国世の蔵書の一部をご遺族から寄贈していただくことになりました。最終的には約1500冊を受け入れ、今では手に入らない貴重な資料も数多く収蔵できました。そこで、広く県民の皆様にご利用いただけるよう、高安国世文庫コーナーとして開設するに至りました。

つまり、高安国世(1913〜1984)の蔵書が妻の和子(1912〜1998)の死後、清原日出夫(1937〜2004)の仲介によって、県立長野図書館に寄贈されたということらしい。高安山荘がある長野県は、高安国世がしばしば訪れたゆかりの土地であった。

1500冊の蔵書の目録の中から、目に付いたものをいくつか挙げてみよう。
島木赤彦・中村憲吉『馬鈴薯の花』(1925)、『長塚節歌集』(1930)、『渡辺直己歌集』(1940)、近藤芳美『早春歌』(1948)、三国玲子『空を指す枝』(1954)、河野愛子『木の間の道』(1955)、岡井隆『斉唱』(1956)、富小路禎子『未明のしらべ』(1956)、塚本邦雄『日本人霊歌』(1958)、葛原妙子『原牛』(1959)、安立スハル『この梅生ずべし』(1964)、佐佐木幸綱『群黎』(1970)、小池光『廃駅』(1982)、井辻朱美『地球追放』(1982)

全集などでは、次のようなものがある。
『現代短歌大系』(三一書房)12巻、土屋文明『万葉集私注』(筑摩書房)20巻、『昭和万葉集』(講談社)20巻、『現代短歌全集』(筑摩書房)15巻、『源氏物語』(中央公論社)26巻、『斎藤茂吉全集』(岩波書店)55巻、『芥川龍之介全集』(岩波書店)10巻、『子規全集』(改造社)22巻

今年の夏の「塔」の全国大会は長野で行われることになっている。その時に、県立長野図書館にも、ぜひ足を運んでみたい。

posted by 松村正直 at 00:33| Comment(0) | 高安国世 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。