「塔」の歌人の第一歌集を調べていた時に気が付いたことがある。結果は下記の通り。
河野裕子『森のやうに獣のやうに』(1972年)
・国立国会図書館
・県立長野図書館
池本一郎『未明の翼』(1970年)
・国立国会図書館
・東京都立多摩図書館
・県立長野図書館
・鳥取県立図書館
花山多佳子『樹の下の椅子』(1978年)
・県立長野図書館
栗木京子『水惑星』(1984年)
・東京都立多摩図書館
・県立長野図書館
・岐阜県図書館
これを見てすぐに目に付くのは、すべて県立長野図書館が含まれていることだろう。しかも、『樹の下の椅子』や『水惑星』など、国会図書館にも置いていない本もある。
最初は、長野というのは短歌への理解が深い土地柄なんだなと思ったのだが、どうもそういう理由ではないようなのだ。他を調べてみると、取り立てて歌集を多く収蔵しているわけでもないことがわかってくる。
例えば、河野さんの歌集は他に『燦』(1980年)と『あかねさす』(1982年)があるだけだし、池本さん、花山さん、栗木さんについては、上記の第一歌集のみという状況だ。
つまり、1970年〜80年代にかけての歌集だけが突出して多いのである。それはなぜか。(つづく)
2011年01月19日
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