いとこといとこの父といとこの母とウノをしました。
「ウノ」はカードゲームの「UNO」のこと。この一節を読んで、息子が叔父や叔母のことを「いとこの父」「いとこの母」と記していることに驚いた。
その一方で、なるほどなとも思った。もちろん息子だって、叔父や叔母が自分の親のきょうだいであることは知っている。けれども息子にしてみれば、何よりも自分の遊び相手である「いとこ」が中心にいるわけで、叔父や叔母のことはその父や母として把握しているわけである。
これが子供らしい認識の仕方ということなのだろう。ほとんどの大人は親戚関係を系図的に把握しているので、こういう認識はしない。逆に言えば、こういう部分にこそ、子供らしさというものが一番よく出ているように思うのだ。
例えば、大人が子供の作文を真似して書いてみたとしよう。「祖母」を「おばあちゃん」と書いたり、「料理」を「りょう理」と書いたりすることは、真似ることができると思う。でも、「叔父」「叔母」を「いとこの父」「いとこの母」と書くことは真似できないのではないだろうか。
そして、表現におけるリアリティというものは、多分このような部分に存在しているのだろうという気がするのである。