2010年12月01日

冨田恭彦『科学哲学者柏木達彦のプラトン講義』


大学教授の柏木達彦と学生の咲村紫苑の対話を軸に、科学哲学の話をわかりやすく説くシリーズの文庫2作目。

取り上げられている話題は「伝統的指示論」「指示の因果説」「観察の理論負荷性」「アトランティスの物語理解」「根源的観念論」と、何やら難しそうなものばかりなのだが、京都の大学という舞台設定や対話の面白さもあって、楽しく読み進めることができる。

野矢茂樹『無限論の教室』や北村薫の円紫さんシリーズと雰囲気が似ているかもしれない。

2009年12月25日、角川ソフィア文庫、743円。

posted by 松村正直 at 23:02| Comment(4) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは。ときどきこちらのブログも読んでいます。
私、1回生のときに理系科目の一般教養がそろわなかったので、
今まさに冨田先生の「科学論・科学史概論」という講義をとっています。後期は「観察の理論負荷性」をやっています。講義そのものもですけれど、冨田先生のキャラクターがすごく面白いです。
Posted by 大森 at 2010年12月02日 22:33
おおっ、冨田先生の講義ですか。
羨ましいなあ・・・。
僕が学生だった頃に『ニセ学生マニュアル』という本がありました。いろいろな大学の有名な先生の講義を(その大学の学生ではないのに)こっそり聴きに行くという内容。当時は、どうしてそこまでして講義を受けたいのかわかりませんでしたけど、今ならよくわかります。
Posted by 松村正直 at 2010年12月04日 08:29
柏木達彦シリーズ。ぼくもすきです。ナカニシヤ版を愛蔵しております。文庫になってちょっとくらい変わったのでしょうか。文庫になって高校生でも買えるからいいですよね。
Posted by 荻原伸 at 2010年12月05日 15:01
そうです、十数年前にナカニシヤ出版から出たシリーズの「改訂文庫版」になります。元版を読んでいないので何とも言えないのですが、「改訂にあたっては、内容のアップデートと増補を心かげました」とあとがきにあります。

文庫本になると、高校生のみならず、40歳の大人でも買ってみようかという気になるわけです(笑)。
Posted by 松村正直 at 2010年12月05日 20:53
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