2010年10月28日
山下柚実『年中行事を五感で味わう』
季節ごとに行われる29の年中行事を取り上げて、「味」「嗅」「触」「視」「聴」の五感をキーワードに行事の様子を記した本。写真も数多く掲載されていて、読みやすい一冊となっている。
私の生まれ育った家は、年中行事というものにほとんど関心がなかった。東京郊外のベッドタウンという環境のせいもあったろうし、両親が古い伝統をあまり重視しない性格であったためでもあったろう。
年中行事に関心を持つようになったのには、いくつかの理由がある。一つは短歌をするようになったこと、一つは子どもが保育園や小学校で行事を頻繁にすること、そしてもう一つは京都という土地柄である。
この本にも、「吉田神社の節分」「醍醐寺の花見」「壬生狂言の炮烙割り」「六道珍皇寺の六道まいり」「桂離宮の月見」「泉涌寺即成院のお練り供養」など、京都の行事が数多く登場する。京都に住んでいると、そうした行事が非常に身近に感じられるのである。
2009年12月18日、岩波ジュニア新書、840円
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