同人誌「Es」が届く。「Es」は年に2回発行される同人誌で、メンバーは天草季紅・江田浩司・大津仁昭・加藤英彦・崔龍源・桜井健司・谷村はるか・松野志保・山田消児の十名。いずれも作品だけでなく評論も書く個性派揃いが集まっている。
「Es」は不思議な同人誌である。毎号「間氷期」とか「ナシマ」とか変った副題が付いている。もちろんそれだけではなく、誌面から書き手たちのエネルギーが強く感じられる。
今号はまず表紙裏の「そらみみ」についての谷村さんのエッセイが良かった。そして山田消児の評論「作者と作品をめぐる二つの考察―映画『妻の貌』を観て」が印象に残った。
この評論の中に「慟哭」という詩についての考察があるのだが、これは吉川宏志『風景と実感』、山田消児『短歌が人を騙すとき』と続く話の流れを受けてのものである。
ネットでいろいろ調べてみたところ、伝言ヒロシマ2002という新聞記事があった。作品と作者、そして読み手の関係というのは実に不思議なものだと思う。
2010年06月11日
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