2010年06月03日

安島太佳由『歩いて見た太平洋戦争の島々』

旧植民地関連本。

太平洋戦争の跡をたどって、硫黄島・ガダルカナル島、ラバウル、ニューギニア東部、ビアク島、トラック諸島、マリアナ諸島、パラオ諸島、フィリピンといった島々を訪れた旅の記録。作者はもともとはカメラマンであり、『日本戦跡』『要塞列島』などの写真集を出している。この本にも、トーチカや高射砲、戦車や戦闘機の残骸などの写真が数多く収められている。

サイパン・テニアン・パラオ諸島・トラック諸島などは、昭和16年から17年にかけて中島敦が訪れた場所である。中島敦は海の色の美しさを何度も手紙に書いていた。それからわずか2年ほどで、これらの島々で激しい戦闘が起こり、多くの死傷者を出すことになったのだ。

太平洋の島々における激戦の多くは、飛行場をめぐるものであった。航空兵力が戦争の行方を決めるようになってから、飛行場の価値は飛躍的に増したのである。

特に太平洋地域においては、飛行機の航続距離を考えて飛行場を確保していかなければならなかった。戦争の初期は日本軍が、そして後にはアメリカ軍が、島から島へ飛行場を造りながら、勢力を拡大していったのである。

2010年4月20日、岩波ジュニア新書、940円。



posted by 松村正直 at 00:57| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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