2010年05月22日

「短歌研究」6月号

特集「雨の歌をよむ」に文章+新作3首掲載。
そう言えば、「歌壇」6月号の特集も「短歌にみる雨の表情」だった。梅雨の時期ということか。

座談会「批評の言葉について」がおもしろい。参加者は坂井修一、大辻隆弘、斉藤斎藤、花山周子。四人それぞれの短歌観や時代への向き合い方などが、かなり率直に述べられている。内容的には賛成のところも反対のところもあるが、そういうふうに読者が意見を言いたくなるというのは、良い座談会であった証だろう。

僕は自分が50年前の歌を読んだり調べたりするのが好きなので、それと同じように50年後の人も今の歌を読んだり調べたりしてくれると思っている。歌というのは自然と「残る」ものではなくて、誰かが「残す」ものだし、あるいは「発掘」するものだろう。

 時刻表をひらけば春がレレレレレレレとわたしを通過してゆく 荻原裕幸
 あ・ま・や・ど・り 軒に水滴ならびゐて「あ」が落ち「ま」が落ち「や・ど・り」が残る 川野里子

荻原さんの歌の「レ」は時刻表の通過のマーク。横書きにすると時刻表らしくなくなってしまうな。
posted by 松村正直 at 10:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 短歌誌・同人誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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