2003年から2006年まで日本中の石を訪ねる旅をした作者の記録。全国各地の巨石や奇岩、不思議な石が豊富な写真とともに紹介されている。
巨石の中には神の依代や御神体として祀られているものも多い。神社などで注連縄を巻いた岩を見たことがある人も多いだろう。こうした石のことをイワクラ(磐座)と呼ぶ。
イワクラは全国至る所にある。わが家の近所にある大岩神社にも「大岩」「小岩」という二つの巨石が祀られている。「塔」発行所のある京都市岩倉という地名も、もちろんイワクラが元になっている。「石」「岩」「磐」などが名前に付く神社には、たいていイワクラがあると思っていい。
もっとも僕自身は最近はやりのパワースポットとか聖地巡礼とかには興味がない。ただ、大きな石には不思議と惹かれるものがある。それが原初的な信仰心だと言われれば、そうなのかもしれない。
作者は日本だけでなく世界中の石巡りもしていて、素敵な写真集も出している。一度、この人の「石の語りべ」(スライド&トーク)を聴きに行きたいと思う。
2008年10月23日、日本経済新聞出版社、1300円。
2010年05月20日
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