「シオニズムはどのように誕生したか」「イスラエルには誰が住んでいるか」「〈10・7〉とは何だったのか」など30の問いに答える形で書かれたパレスチナ問題の解説書。
シオニズム運動とは、十字軍やレコンキスタのころから一貫している、他者を排斥するキリスト教社会の排外主義・人種主義、そして中東地域に対する植民地的な欲望が生み出したのであって、徹底的にヨーロッパ諸国の都合によるものです。
ヘブライ語は聖書の古語として受け継がれていましたが、日常用語としての話者はいませんでした。文法的にも語彙的にも近代言語として通用するものではなかったので、文法を整理し直し、アラビア語やヨーロッパ諸語から持ってきて単語をつくり、近代言語として現代ヘブライ語が創出されました。
西洋文明を守る戦争という言葉は非常に象徴的です。イスラエルによるガザ攻撃は、まさに西洋中心主義的な植民地主義的世界を守るための戦争なのです。
本書の最後30番目の問いは「私たちになにができるのか」である。引き続き考え、自分なりに行動していきたい。
2025年2月10日、平凡社、1900円。