2022年05月31日

「リアルのゆくえ」展

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平塚市美術館で開催中の展覧会「リアル(写実)のゆくえ 現代の作家たち 生きること、写すこと」へ。高橋由一、松本喜三郎、安本亀八、平櫛田中といった著名な作家と現代の作家の作品が、「リアル」というテーマで一堂に会している。

お目当ては、ポスターにも使われている安本亀八の「相撲生人形」。野見宿禰と当麻蹴速の格闘を力感あふれる姿に作り上げている。まさに圧倒的な迫力だ。


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こちらは、会場入口前に展示されている本郷真也「盈虚―鐵自在イグアナ―」。鉄という素材でイグアナの質感を見事に表している。しかも、このイグアナ、動くのだ。滑らかな尻尾の動きはまるで生きているかのよう。

本物よりもニセモノの方が生々しい。

本物が本物であることに何の努力も要らないが、ニセモノを本物に見せるのは大変なことだ。その物の質感、性質、特徴などを細かく観察して再現しなくてはならない。

そこに、本物以上の何かが生まれることもあるのだろう。

posted by 松村正直 at 23:51| Comment(0) | 演劇・美術・講演 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年05月30日

『子規紀行文集』のつづき

最上川の舟下りの場面。

本合海を過ぎて八面山を廻る頃、女三人にてあやつりたる一艘の小舟、川を横ぎり来つて我舟に漕ぎつくと見れば、一人の少女餅を盛りたる皿いくつとなく持ち来りて客に薦む。客辞すれば、彼益々勉めてやまず。時にひなびたる歌などうたふは、人をもてなすの意なるべし。餅売り尽す頃、漸くに漕ぎ去る。

舟下りをする客相手に商売をする舟の様子である。江戸時代に淀川の枚方付近で多く見られたという「くらわんか舟」を思い起こさせる。現代でも、保津川の川下りをすると終点付近でこうした舟が来る。今は観光用といった感じだけれど、昔はもっと生活感があったのだろう。そう言えば、タイの水上マーケットに行った時も、舟で淹れたコーヒーを買って飲んだ。

続いて、秋田県を歩いている場面。

夕日は傾きて本山の上二、三間の処に落ちたりと見るに、一条の虹は西方に現はれたり。不思議と熟視するに、一条の円虹僅に両欠片を認るのみにて、其外は淡雲掩ひ重なりて何事も見えざりき。こは普通の虹にはあらで「ハロ」となん呼ぶ者ならんを、我は始めてこゝに見たるなり。

「ハロ」(halo、日暈、白虹)の目撃談である。こうした科学的な目も持っているところが、子規の紀行文の多面的な面白さにつながっている。

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2022年05月28日

週末

今日は東京で「ふらッと短歌」。
明日は神奈川に住む父を連れて美術館に行く予定。

天気は晴れのようで良かった。
だいぶ暑くなるみたいだけど。

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2022年05月26日

「パンの耳」第5号を読む会

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6月12日(日)に神戸市東灘区文化センターで、魚村晋太郎さんを招いて「「パンの耳D」を読む会」を行います。どなたでもご参加いただけますので、参加希望の方はご連絡ください。

同人誌「パンの耳D」も販売中です。
https://masanao-m.booth.pm/items/3605117

チラシはこちら→パンの耳Dちらし.pdf

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2022年05月25日

復本一郎編『子規紀行文集』


子規の紀行文の中から「はて知らずの記」「水戸紀行」「かけはしの記」「旅の旅の旅」「鎌倉一見の記」「従軍紀事」「散策集」「亀戸まで」の八篇を収め、詳細な脚注を施したもの。

子規と言うとどうしても病床に寝ているイメージが強いのだが、この本に出てくる子規は明るくて元気。文章も生き生きしていて、実に楽しい。

例えば、松島を舟でめぐる場面の描写。

舟より見る島々縦に重なり横に続き、遠近弁(わきま)へ難く、其(その)数も亦(また)知り難し。我位置の移るを、覚えず海の景色の動くかと疑はる。一つと見し島の二つになり、三つに分れ、竪(たて)長しと思ひしも忽ちに幅狭く細く尖りたりと眺めむる山の、次第に円く平たく成り行くあり。

臨場感に溢れていて、子規のワクワク感がそのまま伝わってくる。
続いてもう一つ。三島から修善寺に乗合馬車で出掛けて徒歩で戻ってくる場面。

こゝより足をかへして、けさ馬車にて駆けり来りし道を辿るに、おぼろげにそれかと見し山々川々もつくづくと杖のさきにながめられて、素読(そどく)のあとに講義を聞くが如し。

一度馬車から眺めた風景を、今度は自分の足でたどっていく。その様子を「素読のあとに講義を聞くが如し」と書いた比喩が見事だ。

俳句も少し引いておこう。

涼しさや羽(はね)生えさうな腋の下
正宗の眼(まなこ)もあらん土用干
山の温泉(ゆ)や裸の上の天の河
唐きびのからでたく湯や山の宿
底見えて魚見えて秋の水深し

脚注にしばしば明治期の『日本名勝地誌』が引かれているのも良い。子規の旅した場所が、当時の人々にどのように認識されていたのかがわかって参考になる。今の記述ではダメなのだ。

2019年12月13日、岩波文庫、740円。

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2022年05月24日

「ふらッと短歌」について

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5月28(土)に新宿で行う「ふらッと短歌」のことですが、川本千栄がケガによる入院のため参加できなくなりました。そこで、13:00〜14:00のトークは、山崎聡子さんと松村正直で行います。直前の急な変更となりますが、ご了承ください。

会場はJR新宿駅から徒歩9分の「中川ビル」3階の「ふれあい貸し会議室 新宿No18」です。

地図はこちら→https://goo.gl/maps/spvaeTHqiPN2

事前予約等は必要ありません。どうぞふらっとお立ち寄りください。入場は無料で、トークは各回1000円となります。

チラシはこちら→「ふらッと短歌」チラシ

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2022年05月23日

今後の予定

下記のイベント、歌会、カルチャー講座に参加します。
多くの方々とお会いできますように!

・ 5月28日(土)ふらッと短歌(新宿)
 https://matsutanka.seesaa.net/article/488335773.html

・ 6月12日(日)「パンの耳」第5号を読む会(神戸)
 https://matsutanka.seesaa.net/article/486965996.html

・ 6月26日(日)第1回別邸歌会(姫路)
 https://matsutanka.seesaa.net/article/486730353.html

・ 7月23日(土)現代歌人集会春季大会(神戸)
 https://matsutanka.seesaa.net/article/487835749.html

・ 8月 6日(土)第2回別邸歌会(京都)
・ 8月27日(土)講座「啄木日記から見た短歌」(くずは)
 https://matsutanka.seesaa.net/article/488270405.html

・10月2日(日)第3回別邸歌会(滋賀)
・10月16日(日)シンポジウム(宮城)
・10月23日(日)文学フリマ福岡
・11月26日(土)『草に追はれて』を読む会(和歌山)
・12月11日(日)第4回別邸歌会(橿原)

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2022年05月22日

講座「啄木日記から見た短歌」

8月27日(土)に朝日カルチャーセンターくずは教室で「啄木日記から見た短歌」という講座を行います。時間は13:00〜14:30。

教室受講とオンライン受講の両方ありますので、興味のある方はぜひご参加下さい。

【教室受講】
https://www.asahiculture.jp/course/kuzuha/2a607214-6ffc-c1e6-31e2-6257d8c59df4
【オンライン受講】
https://www.asahiculture.jp/course/kuzuha/ad7c6aca-05a5-a88c-7b5d-6257d9b4ca63

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2022年05月21日

アイヌを詠んだ古い歌

国立国会図書館の「個人向けデジタル化資料送信サービス」や「次世代デジタルライブラリー」を活用すると、これまで調べられなかった資料が次々と見つかる。

アイヌを詠んだ古い歌をいくつか挙げてみよう。

柳田国男の1906(明治39)年の歌(『定本柳田國男集』第26巻)

  釧路にて
たまさかにとりてほしたるしらぬか(白糠)のあいぬかこふをぬらす雨かな

(附記)此歌ハ九月六日十勝ノ帯広ヨリ汽車ニノリ午頃白糠ヲ通リシニイト晴レタル日ニテアイヌ共浜ニ下リ水ニ入リテ昆布ヲ引上ゲ砂ノ上ニホセリアクル日帰リノ汽車ハ大雨ナルニ昨日ノ砂ノ上ノ昆布ハサナガラアリ人々可愛サウニ昆布ハクサルベシナドイフヲキヽテカクヨメル也

金子薫園編『凌宵花』(1905年)に収録されている歌

十勝野の夏をかざれる白すみれやさし愛奴(あいぬ)が髪にかざせり
               園田巨人
蝦夷酒に紅茄子めでゝ愛奴(あいぬ)らが軍(いくさ)がたりに雪の夜ふけぬ
               羅臼山人
愛奴らが蝦夷笛鳴らし山越えぬひとりひとりに馴鹿(となかい)つれて
               筒井菫坡『残照』(1908年)

まだまだ調べればいくらでも見つかる感じで、今後が楽しみだ。

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2022年05月19日

「国際啄木学会研究年報」第25号

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「国際啄木学会研究年報」第25号を読む。

注目すべきは巻頭に掲載された論文「石川啄木とアイヌ」(安元隆子)。15ページにわたって、啄木とアイヌの関わりを記すとともに並木凡平や違星北斗の短歌も紹介している。まさに私の関心にドンピシャの内容で、こういう論文が読めるのは本当にありがたい。

啄木はアイヌと直接の関わりは持たなかったが、親友の金田一京助がアイヌ語学者だったこともあり、手紙や日記にアイヌに関する記述をいくつか残している。
https://matsutanka.seesaa.net/article/484953538.html

国際啄木学会に入会して良かった。

posted by 松村正直 at 19:40| Comment(2) | 石川啄木 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年05月18日

瀬川晶司『泣き虫しょったんの奇跡 完全版』


副題は「サラリーマンから将棋のプロへ」。
2018年に松田龍平主演で映画化もされている。

プロ棋士養成機関である奨励会を26歳の年齢制限で退会し、プロになる夢を絶たれた著者が、戦後初めてのプロ編入試験に合格して35歳で棋士となるまでの話。

本人の努力はもちろんのこと、両親と二人の兄、小学校の担任の先生、近所に住むライバル、将棋道場の席主、奨励会や棋士の友人など、多くの人の支えや励ましが印象に残る。

昭和45年横浜市生まれの著者と私は同じ年。小学校高学年の時に将棋ブームが訪れる話など、似たような境遇に育ったこともあり共感する部分が多かった。

幼少時に「タオル姫」と呼ばれていたとあり、こんな話が出てくる。

大きなタオルケットを体に巻きつけて、いつもズルズルと引きずって歩いていたからだ。タオルケットには絶対に代わりはきかないお気に入りの一枚があって、外出するときもそれを引きずっていたらしい。

「ライナスの毛布」(安心毛布)だ! 私も全く同じでいつもタオルケットを持ち歩いていた。何とも懐かしい。

2010年2月13日第1刷、2018年8月6日第9刷。
講談社文庫、640円。

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2022年05月17日

川嶋康男『ラストアイヌ』


副題は「反骨のアイヌ歌人森竹竹市の肖像」。

アイヌの詩人・歌人、森竹竹市(1902‐1976)の評伝。森竹の生涯をたどりつつ、その行動や作品を読み解いている。違星北斗や並木凡平との交流や国鉄での仕事など、森竹の思想のもとになった出来事がよくわかる。

なぜこうもウタリは自身を卑下するか平等に生きやう自尊心持て
視察者に珍奇の瞳みはらせて「土人学校」に子等は本読む
ウタリからガンヂー出でよ耶蘇出でよ殉愛の士が一人出たなら
川に鮭山に熊なく耕すに土地なきウタリは何処にゆくのか
シャクシャインの意図貫徹しておれば蝦夷地はとうにアイヌ王国

2020年3月25日、柏艪舎、1500円。

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2022年05月15日

国際啄木学会2022年度春のセミナー

今日は13:00から国際啄木学会の春のセミナー(明星研究会との共催)がZOOMを使って行われた。

研究発表(各30分)が3つと講演(100分)が1つという内容。

・「晶子の小説『呂行の手紙』の分析ージェンダーの
  視点から」
   アロラ・シュエタ(シンガポール国立大学大学院)
・「明治四十四年一月十八〜二十五日における啄木日記と
  新聞報道について」
   目良卓(国際啄木学会会員)
・「啄木を詠む吉井勇――「渋民村訪問記」をめぐって」
   細川光洋(静岡県立大学)

・「「血に染めし歌」とは何か〜「明星」初出の啄木短歌を
  めぐって」
   松平盟子(歌人・『プチ★モンド』代表)

さまざまな観点から調査・研究・分析をしている方々がいることに、あらためて感心する。晶子の小説も読んでみたい。

posted by 松村正直 at 21:34| Comment(0) | 石川啄木 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年05月14日

梶井照陰『限界集落』


副題は「Marginal Village」。

僧侶で写真家である著者が、各地の限界集落の姿を写真と文章で描いたフォトルポルタージュ。

取り上げているのは、新潟県佐渡ヶ島、山梨県芦川、新潟県鹿瀬、熊本県球磨村、長野県栄村、北海道初山別村、山形県西川町、徳島県一宇、東京都檜原村、和歌山県高野町、石川県門前町、京都府五泉町。

旧芦川村は山梨県中部にある僻村である。芦川渓谷に沿って4つの集落が点在し、其処で暮らす人々はこんにゃく芋やほうれん草などを栽培しながら生活している。その集落の一つで、芦川の下流域に鶯宿集落がある。芦川渓谷のX字谷に67戸の民家が立ち並び、斜面に築かれた石積みの美しい集落だ。

「鶯宿」という言葉にピンとくる。山崎方代の〈生れは甲州鶯宿峠(おうしゅくとうげ)に立っているなんじゃもんじゃの股からですよ〉に出てくる地名だ。調べてみると、方代の母がこの鶯宿の出身だったらしい。

「むかしの人は難儀したんだ。お産をしても2週間ぐらいで畑仕事や桑採りにいかねばなんねがった」(…)「最近は生活も楽になったのにな。集落からは若者がいねぐなってしまったハ」
「合併したら村の財政はよくなるって聞いたけどな。合併したらどんどん生活は不自由になりよる」
「以前はこの集落にも大勢の人がいたけどな。今は買い物にくるのは、ひでさんとちよちゃんの2人だけになってしまったな。ほかは足が弱くなって山からおりてこられなくなったりしちまってさ」

集落に暮らすお年寄りの話から、その土地の歴史や産業、生活の様子が浮かび上がってくる。その一言一言が、重く胸に迫る。

2008年2月8日、フォイル、1400円。

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2022年05月13日

一ノ瀬俊也『軍隊マニュアルで読む日本近現代史』


副題は「日本人はこうして戦場へ行った」。
2004年に光文社新書から刊行された本を改題して文庫化したもの。

明治・大正・昭和初期に刊行された「兵営事情案内・軍隊教科書」「手紙例文集」「式辞・挨拶模範」などのマニュアル本を丹念に読み解いている。そこから見えてくるのは、軍隊や戦争に関する人々の意識のあり方である。

これらの軍隊「マニュアル」は現代のものと同様、安価で誰でも買える、一冊だけを見ればありきたりとしか言いようのない本である。おそらくそのためか、これまでの歴史学研究の中で積極的にとりあげられることもなかった。

そうした本を数多く収集・分析して歴史学の研究に役立てた目の付け所が、非常に冴えていると思う。そこには、単なる建前でも本音でもない人々の心情が滲んでいたのだ。

一般の兵士でも現役服役中は結婚できない。だから家事上妻帯を要する場合には、なるべく入営前に正式な婚姻をしておかねばならない。なぜなら万一戦死した場合、国家から支給される扶助料の受給資格が内縁の妻にはないからである。
陸軍の兵士観は、『歩兵操典』の文言を見ただけでは決して知りえない。「捕虜になるくらいなら死ね」などとは、そのどこにも書いていないからである。
各「マニュアル」は戦争、徴兵制軍隊の存在を人々に納得させて受け入れさせる説得¢葡uの役割を果たしていたのである。

公的な文書や書物からだけでは見えてこない軍隊の実際の姿が、マニュアルという通俗的な本を通じて浮かび上がってくる。非常に視点の鮮やかな一冊だ。

2021年4月30日、朝日文庫、740円。

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2022年05月12日

講座「アイヌと短歌」

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5月22日(日)11:00〜12:30、毎日文化センター(大阪梅田)で「アイヌと短歌」という講座を行います。

バチェラー八重子、違星北斗、森竹竹市らアイヌの歌人の短歌を読むとともに、北原白秋、前田夕暮、与謝野晶子らがアイヌの集落を訪れて詠んだ短歌も紹介し、アイヌ民族の歴史や多文化共生について考えます。

教室受講とオンライン受講の併用講座となります。ご興味のある方も、特に興味はないけどという方も、ぜひご参加下さい!

http://www.maibun.co.jp/wp/archives/course/36106

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2022年05月11日

朝日新聞夕刊

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本日の朝日新聞夕刊の文化面に、インタビュー記事を載せていただきました。

デジタル版も公開されています。有料記事ですが分量は長いです。
https://www.asahi.com/articles/ASQ567W3RQ3VUCVL00T.html

『踊り場からの眺め 短歌時評集2011‐2021』は、版元の六花書林やamazonに在庫があります。
http://rikkasyorin.com/syuppan.html

私の手元にもありますので、ご連絡いただければ振込用紙同封・送料無料でお送りします。5月28日(土)の「ふらッと短歌」にも持って行きます!

posted by 松村正直 at 20:59| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年05月10日

公益財団法人日本生態系協会『にほんのいきもの暦』


2009年にアノニマ・スタジオから刊行された単行本の文庫化。

立春から大寒に至る二十四節気それぞれの特徴と動植物の様子を、カラー写真入りで紹介している。

身も凍るような寒さの中、二十四節気では春を迎えます。(…)中国から伝わった陰陽五行説には、寒さが極まり底をつけば、それから後は暖かくなっていくという考え方があります。そこから、一番寒いときに春が生まれるとされたのです。

これまで漠然と旧暦と新暦のずれによって立春が寒い時期に来るのだと思っていたのだが、そうではなかった。昔も今も立春は寒い時期に来るのである。「暦の上では春ですが」と思うのは暦の問題ではなく、昔と今の季節感(季節をどのように区分けするか)の変化の問題なのであった。

四十雀(しじゅうから) 体重は十五グラム程ですが、1年に食べる虫は10万匹を超えるといわれています。
日本では、螢といえば清流を思いうかべる人が多いかもしれませんが、その多くは森や草はらでくらしています。
鳳蝶(あげはちょう) 幼虫が、天敵の攻撃や厳しい気象条件、食べものの奪い合いなど、さまざまな困難を乗り越えて無事に蝶の姿となれる確率は、わずか一、二%です。
(常緑樹は)何年も同じ葉をつけているわけではなく、落ち葉そのものの量は、落葉樹とくらべてほとんど変わりません。古い葉が落ちる前にちゃんと次の葉が生えているので、一年中青い葉をつけているのです。

こうして読んでみると、身近な自然についても知らないことがたくさんあることに気が付く。

2016年12月25日、角川文庫、960円。

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2022年05月09日

朝日新聞のインタビュー記事

朝日新聞デジタル版に「伝わる批評とは何か 10年分の時評をまとめた歌人・松村正直さん」というインタビュー記事が載りました。

時評集『踊り場からの眺め』(六花書林)のこと、短歌を始めた函館時代の話、河野裕子さんの思い出など、いろいろ喋っています。

https://www.asahi.com/articles/ASQ567W3RQ3VUCVL00T.html

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2022年05月08日

現代歌人集会春季大会

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7月23日(土)に神戸で現代歌人集会春季大会が開催されます。
大会テーマは「歌の読み方・読まれ方〜震災からコロナまで〜」。

・基調講演(林和清)
・講演(松村正直)
・パネルディスカッション(笹川諒、平岡直子、山下翔、江戸雪)

一昨年、昨年とコロナ禍で開催できず、三年ぶりの開催となります。
皆さん、ぜひ来場下さい。

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2022年05月07日

石原真衣編著『アイヌからみた北海道一五〇年』


2018年の「北海道命名一五〇年」を祝う行事についての違和感や疑問をきっかけに、30数名のアイヌの人々から寄せられた声や物語をまとめた一冊。

北海道の歴史をアイヌの側から捉え直すとともに、アイヌに対する差別の問題や今後の共生のあり方を示している。

「サイレント・アイヌ」の沈黙はさまざまである。アイヌであることが嫌で隠す。アイヌとして生きたいけれど、それができないから、隠す。アイヌの出自を持つことを知っているが、歴史や物語、文化について何も継承していないがゆえに、何を語っていいかわからない。(石原真衣)
今から五〇年前、二風谷では金田一京助氏の歌碑が建立された。碑文と石に刻まれた寄付者一覧が当時の状況を現代に伝えている。一番驚くべきは、今では悪名高い児玉作左衛門氏の名前もそこに刻まれていることだ。(萱野公裕)
近年、アイヌの文化がもてはやされていますが、アイヌは文化民族なのでしょうか? アイヌを名乗る人、アイヌを名乗れない人、アイヌでない人たちに、アイヌの真の歴史を考えてほしく思います。(戸塚美波子)
アイヌ語教室などで教えてくれる学者さんには、よくぞアイヌ語を勉強してくれた≠ニ感謝の気持ちがありますが、自分の民族の言葉を学者に習わなければならない情けない状況をつくった責任は国にあると思います。(山本栄子)

印象的なのは、アイヌの人々と一口に言っても非常に多様だということである。コミュニティとの関わり方も、住む場所も、祝賀行事についてのスタンスや考え方も、一人一人違う。これは考えてみれば当り前なのだけれど、忘れがちなことかもしれない。

例えば、イベントで和人がアイヌの衣装を着て踊ることについて「一緒にやってくれてありがとう、広めてくれてありがとうという気持ちで接したい」という人もいれば、「アイヌ民族を、和人の一部と貶めているのだ。だから、こんなでたらめが起こるのだ」と反発する人もいる。

もちろん、それは単に正反対の考えということではなく、その根底に先住民族アイヌに対する長い差別の歴史があることを踏まえて考えるべき問題なのだ。

30数名の文章のうち5名の方は「匿名」になっている。その事実こそが、差別が過去のものではなく今もなお続いていることを、何よりも雄弁に示している。

2021年9月25日、北海道大学出版会、1600円。

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2022年05月06日

「別邸歌会」参加受付中!

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関西各地のレトロな建物で2か月に1回、歌会をします。歌会は初めてという方もベテランの方も、どなたでもお気軽にご参加ください。

第1回 6月26日(日) 姫路文学館望景亭(兵庫県姫路市)
第2回 8月6日(土)  旧三井家下鴨別邸(京都府京都市)
第3回 10月2日(日) 旧水口図書館(滋賀県甲賀市)
第4回 12月11日(日) 今井町にぎわい邸(奈良県橿原市)

時間はいずれも13:00〜17:00。参加費は会場費を均等割り、ただし1000円を上限とします。

詠草2首を司会宛に(参加者が多い場合は1首にしますので、優先順位を付けて)お送りください。

ご参加、お待ちしています♪

チラシはこちら→「別邸歌会」チラシ

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2022年05月05日

都道府県のイメージ

「○○県と言えば?」と聞かれて、真っ先に思い浮かぶイメージ。

北海道:乳牛
青森:りんご
岩手:小岩井農場
秋田:なまはげ
宮城:ササニシキ
山形:最上川
福島:桃
茨城:霞ヶ浦
栃木:日光
群馬:富岡製糸場
埼玉:
千葉:落花生
東京:山手線
神奈川:横浜
山梨:ぶどう
新潟:雪
長野:松本城
静岡:富士山
愛知:トヨタ
岐阜:斎藤道三
富山:ホタルイカ
石川:白山
福井:そば
三重:伊勢神宮
滋賀:琵琶湖
京都:神社仏閣
奈良:大仏
和歌山:みかん
大阪:たこ焼き
兵庫:神戸
岡山:桃太郎
広島:原爆
鳥取:砂丘
島根:出雲大社
山口:長州藩
香川:うどん
徳島:阿波踊り
愛媛:道後温泉
高知:坂本龍馬
福岡:明太子
大分:カボス
佐賀:吉野ケ里遺跡
長崎:ちゃんぽん
熊本:くまモン
宮崎:ヤシの木
鹿児島:桜島
沖縄:美ら海水族館

埼玉県だけ、私の頭のなかに見事に何もなかった。
申し訳ない。
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映画「コーダ あいのうた」

監督・脚本:シアン・ヘダー
出演:エミリア・ジョーンズ、トロイ・コッツァー、ダニエル・デュラント、マーリー・マトリン、エウヘニオ・デルベスほか

第94回アカデミー賞の作品賞、脚色賞、助演男優賞を受賞。

タイトルの「コーダ」(CODA)はChildren of Deaf Adult/sのことで、聴覚障害者の親を持つ子を指す。
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20151008-OYTEW52654/

このところ映画を観て泣くことが多くなった。齢を取ったということだろうな。実生活ではほとんど泣かないのだけれど。

出町座、111分。
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2022年05月04日

木村聡『さしすせその仕事』

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副題は「本物の調味料を作る本物の人」。

「週刊金曜日」2007年5月18日号から2008年9月26日号の連載を一冊にまとめたもの。

味噌、塩、みりん、酢、ソース、砂糖、ケチャップ、醤油など、各種の調味料を作る現場を訪れて取材したドキュメンタリー。

「調味料は主役ではなく、あくまで脇役です」
調味料の役どころを示す控えめで、謙虚な物言いだが、しかし裏側に「主役が映えるのは調味料があってこそだゾ」という職人の自負を感じてならない。
もともとみりんは甘い酒として広まっていた。家庭で調味料として使われ出すのは戦後になってからと新しい。
加工用トマトは赤系に分類され、ピンク系の生食用のトマトより色が鮮やか。ケチャップの濃い赤色とは、まさにこの加工用トマトの完熟色にほかならない。
醤油製造会社は大正時代には全国で約一万二〇〇〇社、戦後でも六〇〇〇社以上あったという。味噌ほど多彩ではないが、地方ごとに個性豊かな醤油蔵と味が存在した。しかし、その数は年々減り続け、現在は一六〇〇社ほど。

手間と時間をかけて作られる調味料の持つ豊かな味わい。こうした背景を知ると、値段が高くても良い調味料を使ってみようという気持ちになる。

2009年5月1日、株式会社金曜日、1800円。

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2022年05月02日

ペーター・ヴォールレーベン『後悔するイヌ、嘘をつくニワトリ』


本田雅也訳。
副題は「動物たちは何を考えているのか?」

2018年に早川書房より刊行された単行本『動物たちの内なる生活―森林管理官が聴いた野生の声』を改題・文庫化したもの。

リス、ニワトリ、ミツバチ、ノロジカ、ウマ、クマムシなど様々な動物たちについてのエッセイ41篇が収められている。

人間は「目の動物」で、視覚に頼って狩りをする。だから人間に獲物として狙われる動物は、その視界から消えることを目指すことになる。
大人のウサギの寿命は平均して二年半だけれども、序列の違いが寿命の差と連動していることが確認されたのだ。いちばん下位のウサギは、性成熟に入ったあと数週間もしないうちに死ぬ。
では、ヨーロッパアマツバメは? 彼らは止まり木になど、決して止まらないのである。必要以上は一秒たりとも、地面や巣にとどまっていない。眠くなれば、飛びながら寝る。

著者の一貫した興味・関心は、動物にも感情や心があるのかという問題だ。これは現代の科学ではまだ証明できない点も多いのだが、著者は動物たちにも人間と同じ感情や心があると固く信じている。

人間はおもに感情によって動かされているのだから、目の前の相手の感情の動きをとらえてるためのアンテナを私たちだって備えているはずだ。そして、その相手が人間ではなく動物だというだけで、そのアンテナが機能しなくなるわけがあるだろうか?

本書の原題は「Das seelenleben der Tiere」(動物たちの魂の生活)なので、単行本『動物たちの内なる生活』の方が直訳に近い。しかもベストセラーになった「Das geheime Leben der Bäume」(樹木たちの知られざる生活)の続篇だということがわかりやすい。
https://matsutanka.seesaa.net/article/485621898.html

どうして改題したのだろう?

2021年7月15日、ハヤカワノンフィクション文庫、900円。

posted by 松村正直 at 17:39| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年05月01日

今後の予定

・ 5月22日(日)講座「アイヌと短歌」(大阪、オンラインあり)
 http://www.maibun.co.jp/wp/archives/course/36106

・ 5月28日(土)ふらッと短歌(新宿)
 https://matsutanka.seesaa.net/article/486299770.html

・ 6月12日(日)「パンの耳」第5号を読む会(神戸)
 https://matsutanka.seesaa.net/article/486965996.html

・ 6月26日(日)第1回別邸歌会(姫路)
 https://matsutanka.seesaa.net/article/486730353.html

・ 7月23日(土)現代歌人集会春季大会(神戸)
・ 8月 6日(土)第2回別邸歌会(京都)
・ 8月27日(土)講座「啄木日記から見た短歌」(くずは)
・10月2日(日)第3回別邸歌会(滋賀)
・10月16日(日)シンポジウム(宮城)
・10月23日(日)文学フリマ福岡
・12月11日(日)第4回別邸歌会(橿原)

posted by 松村正直 at 23:38| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする