2019年10月31日

『紫のひと』、「パンの耳」第2号

第5歌集『紫のひと』と同人誌「パンの耳」第2号、発売中です。

・『紫のひと』(短歌研究社)2500円

   *413首を収めた第5歌集。送料無料でお送りします。

・「パンの耳」第2号 300円

   *松村の「さくらと玄室」15首が載っています。

ご注文は
masanao-m☆m7.dion.ne.jp (☆を@に変えて下さい)
までご連絡ください。よろしくお願いします。

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「佐竹本三十六歌仙絵と王朝の美」

京都国立博物館で開催されている「佐竹本三十六歌仙絵と王朝の美」を見に行ってきた。

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今回は「佐竹本三十六歌仙絵」の37枚(36名+住吉大明神)のうち、実に31枚が展示されるということで、会場は多くの人で賑わっていた。

展示は「国宝《三十六人家集》と平安の名筆」「“歌聖” 柿本人麻呂」「“大歌仙” 佐竹本三十六歌仙絵」「さまざまな歌仙絵」「鎌倉時代の和歌と美術」「江戸時代の歌仙絵」の6部構成となっていて、ボリュームたっぷり。

メインは「佐竹本三十六歌仙絵」だが、それ以外にも国宝4点(手鑑「藻塩草」「本阿弥切『古今和歌集』巻第十二残巻」「三十六人家集 素性集」「一品経和歌懐紙(西行筆)」)や三色紙(継色紙「いそのかみ」、升色紙「かみなゐの」、寸松庵色紙「ちはやふる」)など、貴重な作品が展示されている。

三十六歌仙には5名の女性がいるのだが、今回、斎宮女御・伊勢・中務は展示なし。また、パネル写真にも使われている小大君は会期の後半(11月6日〜)の展示ということで、今回見られたのは小野小町のみであった。


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ロビーには私が選歌を担当させていただいたTwitter企画「令和三十六歌仙」のパネルも展示されている。

皆さん、どうぞ会場にお越し下さい!


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2019年10月30日

田中道孝「季の風」50首

第65回角川短歌賞受賞作品。

花水木に顔を撫でられ組み上げる丸太足場に白い陽が差す
仮囲いも足場もこえて飛んでくる野球のボール投げかえす夏
昼寝するわれのためにと風をつれ紋白蝶は地下足袋のさき
目覚むればこの世の駅についていて初老の顔が窓にうつりぬ
型枠を奥歯の力で引き上げる冷たい風に大声だして

建設現場で働く様子などを詠んだ50首。
季節が春、夏、秋、冬と移っていく。「花水木」「野球のボール」「紋白蝶」などが現場の作業の歌の中に入ってくるのがいい。

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2019年10月29日

小池光と『連山』

ざくざくと佳(よ)きうたに会ふ茂吉『連山』春の香(か)のする両毛線に     小池光『梨の花』

「ざくざくと」というオノマトペがいい。大判小判がざっくざくといった感じに、良い歌がいっぱいあるというのだろう。小池光『梨の花』には斎藤茂吉『連山』を踏まえた歌があちこちに見られる。

北平(ペイピン)にて茂吉が見たる爪長き宦官のことしばしおもひぬ

今日此処に来て爪ながき宦官といふものをはじめて見たり
             斎藤茂吉『連山』

朝鮮の寺にをとめごの尼とあふ斎藤茂吉男(を)ざかりのころ

清涼寺はひそけくありきをとめごの尼も居りつつ悲しからねど
             斎藤茂吉『連山』

牛橇(うしそり)といふものが茂吉の歌にありしづかにしづかにすすみゆきしか

牛橇(うしそり)は吹雪(ふぶき)おとろふる間(ひま)を求めいまし松花江の氷をわたる  斎藤茂吉『連山』

哈爾浜(ハルピン)に斎藤茂吉食ひにける「カウカサス的饌(せん)のシャシリック」

カウカサス的(てき)饌(せん)のシヤシリツク、ツベリヤンク、カリニエル等並びに透明(とうめい)ウオツカ  斎藤茂吉『連山』

茂吉の歌よみて土民の語と出会ふ「土民百万」うんぬんかんかん

山東(さんとう)の土民(どみん)百万年々(としどし)に移動し来れどいづこに居るや  斎藤茂吉『連山』

「家居(かきよ)す」とふ動詞茂吉の歌に見えすなはちわれも一日家居(かきよ)す

下九臺(かきゆうだい)既に過ぎつつ山の間の狭きに家居(かきよ)し畑さへも見ゆ  斎藤茂吉『連山』


歌集『連山』は斎藤茂吉が満鉄に招かれて満州各地や北京、朝鮮を旅行した際の歌をまとめた一冊で、一般的にあまり評価は高くない。

けれども、満州の歴史、風土、交通、生活、風俗などを描いた資料として読むと非常におもしろい。また随筆「満州遊記」と対応させながら読むという楽しみ方もできる。

そんなことをしていると、ああ「満州を訪れた歌人たち」もいつか書いてみたいなあ、という思いがじわじわと湧いてくる。いやいや、とてもそんな時間はありません・・・。

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2019年10月28日

「塔」2019年10月号(その2)

海老のひげみたいなものがのつてゐるサラダを食べるどこからか風
                森尾みづな

「海老のひげみたいなもの」がいい。名前は知らないけれどよく見かけるやつ。調べると糸唐辛子と言うらしい。風にひげがそよぐ感じ。

あ、鴨じゃあと畑にそっと歩み寄る子らおりふるさとの夏の夕
                魚谷真梨子

出産のために帰省している作者。「あ、鴨じゃあ」が、いかにものどかな故郷の感じを伝える。子どもの頃と変わらない風景なのだろう。

この町に住んだらきっとカーテンを開けて最初に見るだろう川
                松岡明香

進学や引越しを控えているのだろうか。転居したら日常の暮らしに入ってくるものとして旅先の川を眺めている。視点がとても新鮮だ。

無愛想にレジを打つ人この店の閉店を誰もが知っている
                岡崎五郎

「閉店」は廃業の意味に受け取った。残り少なくなった時間を今までと同じように過ごしている。地元の人に親しまれてきた店なのだ。

父の手紙捨てるをためらいおりしかどひとつ捨てればつぎつぎ捨てる
                よしの公一

前後の歌から「父の手紙」は亡き父が手元に残した手紙とわかる。父の人生の証を捨てるのは忍びないけれど、もう必要のないものだ。

行かないで 絶叫ののちタックルのごとく抱きつく夢なれば父に
                石橋泰奈

「夢なれば」なので、実際にはそうできなかったという後悔。「タックルのごと」に迫力がある。別れ、または死の場面かもしれない。

釣られたる桶の鱚みなわれを見るせめて巧みに捌いてくれと
                壱岐由美子

もう後は食べられるしかない鱚たち。その目がじっと自分を見ているように感じたのだ。下句はユーモアだが、かすかな痛みも感じる。

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2019年10月27日

「塔」2019年10月号(その1)

落ちて咲くのうぜんかづらに出入りする蟻を見ており梅雨の晴れの間
                林田幸子

道に散った後も鮮やかに咲き続けている凌霄花。そのオレンジ色の花の奥へと黒い蟻が入っていく。色彩が鮮やかに浮かぶ絵画的な歌。

紋白蝶によく会う初夏だ糸屑のような軌跡に時間が止まる
                小川和恵

「糸屑のような軌跡」が紋白蝶の飛び方をうまく表している。目の前を蝶が横切って行く際の、時間の流れが一瞬とぎれるような感じ。

孫用に揃えおきたる袋菓子賞味期限が迫り来るなり
                畑かづ子

孫が遊びに来た時のために用意しておいたのに、長らく来ないままなのだ。捨てるのはもったいないし、自分で食べるのも気が進まない。

天井に水陽炎がゆれてゐる心字が池のちひさなるカフェ
                斎藤雅也

カフェの建物が池のほとりにあるので水面の反射が天井に映るのだ。ゆったりした時間が流れて心地よさそうな雰囲気が伝わってくる。

「ごちゅもん」と女は言えりテーブルに油の染みた雲井飯店
                朝井さとる

店員はおそらく中国の人だったのだろう。町の商店街にあるような昔ながらの中華料理店。「雲井飯店」という名前を入れたのがいい。

兄の留守にそつと開いて眺めてた蝶の切手を逃がさぬやうに
                穂積みづほ

兄の切手のコレクションをこっそり見ている場面。美しい蝶の図柄は、今まさに飛んで行ってしまいそうなほど鮮やかだったのだ。

紫陽花のみづみづあをき葉は旨さう猫は食べたり叱られてもなほ
                吉田京子

確かに梅雨の時期の紫陽花の葉は色も濃くて瑞々しい。猫が食べるというのも初耳だが、それを見て「旨さう」と思うのもユニークだ。

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2019年10月26日

笠木拓 歌集『はるかカーテンコールまで』


343首を収めた第1歌集。
やがて失われてしまうという感覚や、それゆえに愛おしい一瞬が詠まれている。

飛ぶものを目で追いかけた夏だった地表に影を縫われて僕は
(永遠は無いよね)(無いね)吊革をはんぶんこする花火の帰り
青鷺、とあなたが指してくれた日の川のひかりを覚えていたい
じゃあねって手を振りながらこの風はいつか誰かの声だった風
白鍵ははかない渚あたたかな雨に打たれるのを待っている
ストロベリー・フェアのメニューを卓に伏せ鈍くあかるい雲を仰いだ
ふりむいたあなたから手は降りてきて髪にさわりぬエスカレーター
橋の上は風がつよくてきこえない かたむいたまま遠のくカモメ
親指ほどの影が舗道をすべりゆきある花びらの着地に出会う
ずぶぬれの夜のあなたが連れてきた春のつめたい牛乳プリン

1首目、強い日差しに影を縫い付けられて動けないような感覚。
2首目、花火大会の帰りの電車は混んでいて、一つの吊革を二人で「はんぶんこ」している。永遠のものはないと知りつつ憧れる。
3首目、「覚えておこう」ではなく「覚えていたい」。強く念じてもやがて忘れてしまうことを知っているのだ。
4首目、「じゃあね」という声もまた風になって消えてゆく。
5首目、白鍵を砂浜に、ピアノを弾く指を雨に見立てているのだ。
6首目、早春のファミリーレストラン。明るい季節と薄暗い心。
7首目、上りのエスカレーターの上の段にあなたがいる。
8首目、河口に近い橋だろう。カモメも強い風に煽られている。
9首目、実際の花びらよりも大きかった影に花びらが重なる。
10首目、「買ってきた」ではなく「連れてきた」がいい。「連れてきた」と「つめたい」、「ずぶぬれ」と「牛乳」が響き合う。

2019年10月1日、港の人、2000円。


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2019年10月25日

現代歌人集会秋季大会

12月1日(日)に現代歌人集会秋季大会が京都で行われます。第45回現代歌人集会賞授与式(藪内亮輔歌集『海蛇と珊瑚』)や斉藤斎藤氏の講演「〈私〉のつくられ方〜近代の短歌の文法と自我〜」など。参加費は1500円(当日支払い)で、どなたでも参加できます。


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 (クリックすると大きくなります)

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2019年10月24日

賤ヶ岳

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 賤ケ岳(しづがたけ)七本槍をそらんじて中学生のわれ
 走り出す           小池 光『梨の花』

福島正則、加藤清正、脇坂安治、片桐且元、平野長泰、糟屋武則、
加藤嘉明。

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2019年10月23日

続・江北図書館

9月15日に書いた「江北(こほく)図書館」に行ってきた。
http://matsutanka.seesaa.net/article/470116062.html


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JR北陸本線「木ノ本」駅の東口を出てすぐ。
ただし、駅から見えるのは蔦に覆われた建物の側面なので、パッと見ただけではわからない。

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2019年10月21日

宮城公博著 『外道クライマー』


2016年に集英社インターナショナルより刊行された本の文庫化。

アルパインクライマー(岩壁・氷壁登攀家)であり、沢ヤ(沢登り偏愛家)でもある著者が、自らの旅の記録を綴った本。46日間におよぶタイのジャングルの沢登り、称名廊下や台湾のチャーカンシーなどのゴルジュ(両岸が切り立った水路)遡行、冬の称名滝やハンノキ滝登攀など、過酷な冒険ばかりだ。

冒頭は2012年7月に「那智の滝」でロッククライミングして逮捕された事件から始まる。それをきっかけに、著者は7年間勤めた会社を辞めることになった。

「ナメちゃん、いったいどうやって遠征費、やりくりしてんの?」
山仲間からよく聞かれる。当然、スポンサーなどいない。日雇い労働と、山岳雑誌にちょいちょい書いているぐらいで、年収一五〇万ちょっとといったところだった。

それでも著者を危険な場所へと向かわせるのは、文明の利便性や社会の枠組みを離れて自身を極限まで試し、確かめたいという欲望なのだろう。

装備や技術が未発達な四〇〜五〇年前ならいざ知らず、今の時代に生きる登山者は自然に対してもっとフェアであるべきなのだ。
山に自殺しに行くわけではないが、生と死の境界線に立つことによって生の実感が湧く。

社会不適合者を自認する著者の文章は時に下品で露悪的だが、その一方で過酷な体験に裏打ちされた揺るぎなさもあるように感じる。

2019年3月25日、集英社文庫、850円。

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2019年10月18日

小高賢さん

汚れゐるわれの眼鏡を取り上げて拭ひてくれしことおもひ出づ
             小池光『梨の花』

亡くなった小高賢さんを詠んだ一連のなかの歌。

人が掛けている眼鏡を取り上げるって、なかなかできないし、普通はしないことだと思う。でも、そこに小高さんの性格や人柄がよく表れていて胸を打たれた。おせっかいなくらいに気遣いの人だったのだ。ご自身も眼鏡をしていたので、眼鏡の扱いにも慣れていたのだろう。

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2019年10月16日

鳥毛立女屏風

正倉院の「鳥毛立女屏風」には、近年「とりげりつじょのびょうぶ」「とりげりゅうじょのびょうぶ」というルビが付いていることが多い。私が中学生の頃に習った時は「とりげだちおんなびょうぶ」だった。

これは、単なる読み方の違いではないのだろう。言葉の区切り方が変ったのである。かつては「鳥毛立/女」と区切っていたのが「鳥毛/立女」と区切られるように変化したということだ。

「鳥毛」は女性の衣などにヤマドリの羽毛が貼られていたことに由来する名前だが、「とりげだち」という読みは「毛羽立つ」という言葉のように、その鳥毛が立っているイメージだったのだと思う。それに対して現在の「りつじょ・りゅうじょ」という読みは、女の人が立っているという意味になる。

おそらく様々な研究成果が反映されて「りつじょ・りゅうじょ」が正しいとなったのだろう。でも、「とりげだちおんな」という読み方に対する個人的な愛着は消えそうにない。


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2019年10月15日

日本一行詩大賞授賞式

18時よりアルカディア市ヶ谷で行われた「第12回日本一行詩大賞・新人賞授賞式」に行く。


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受賞作は下記の3点。

・大賞  大森静佳歌集『カミーユ』
・大賞  淵脇 護句集『河鹿』
・新人賞 矢澤重徳歌集『会津、わが一兵卒たりし日よ』


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おめでとうございます!


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2019年10月14日

あかね書房

昨夜、眠る前に不意に『あかつきの怪人』という本のタイトルを思い出した。小学生の頃に図書室で借りて読んだ本である。『不死販売株式会社』というのもあって、大好きだったなあと約40年前の記憶が甦ってきた。

気になって調べてみると、どちらも「あかね書房」という出版社の本で、前者は「少年少女世界推理文学全集」に、後者は「少年少女世界SF文学全集」に入っている。各20冊の表紙を見ると、どれも記憶にあるものばかり。ハラハラしながら、ちょっと恐い思いもしながら読んだシリーズであった。

・・・懐かしい。古本で買ってもう一度読んでみようかな。

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2019年10月13日

小池光歌集 『梨の花』

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2014年から17年までの作品を収めた第10歌集。

息つめて引き抜きにけりしろがねのかがやきもてる鼻毛いつぽん
ピラカンサの赤実を夕日照らすとき癌に倒れし島倉千代子
つかむ手のひとつとてなき吊り革が利根川わたる電車に揺るる
自転車のパンクを直す方法は昔もいまもかはらずにあり
死のきはの猫が嚙みたる指の傷四十日経てあはれなほりぬ
あんぱんの臍(へそ)を発明したる人円満なる晩年を送りたりけむ
なにがなし眼光弱くなりたりしバラク・オバマをおもふ寒の夜
逃げ出ししチンパンジーが三時間後に捕へられ春の日暮れぬ
子なきゆゑ生にさほどの執着なしとぽつりと言ひし吾子をかなしむ
冷蔵庫の野菜庫にありてナノハナがいくつかの花つけたりけふは

1首目、鼻毛が神々しいもののように詠まれている。
2首目、「ピラカンサ」と「島倉千代子」の取り合わせ。
3首目、空いた電車に吊り革がぶらぶら揺れている。
4首目、時代が進歩しても修理方法は原始的なまま。
5首目、傷痕が無くなってしまうのを寂しく思うのだ。
6首目、「あんぱん」と「円満」の音や形が重なり合う。
7首目、大統領に当選した頃のオバマ氏は眼に力があった。
8首目、自由気ままな暮らしはわずか3時間で終了。
9首目、特に深い意味はなかったのだろうが親としては辛い。
10首目、こんなところで黄色い花を咲かせてという驚き。

2019年9月14日、現代短歌社、3000円。


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2019年10月12日

カルチャーセンター

大阪、芦屋、京都でカルチャー講座を担当しています。
短歌に興味のある方は、どうぞご参加下さい。
まったく初めての方も大歓迎です。

◎毎日文化センター梅田教室 06‐6346‐8700
 「短歌実作」 毎月第2土曜日*奇数月を松村が担当しています。
   A組 10:30〜12:30
   B組 13:00〜15:00

◎朝日カルチャーセンター芦屋教室 0797‐38‐2666
 「はじめてよむ短歌」 毎月第1金曜日 10:30〜12:30

◎朝日カルチャーセンター芦屋教室 0797‐38‐2666
 「短歌実作(A)」 毎月第3金曜日 11:00〜13:00
 「短歌実作(B)」 毎月第3金曜日 13:30〜15:30

◎JEUGIAカルチャーイオンタウン豊中緑丘 06‐4865‐3530
 「はじめての短歌」 毎月第3月曜日 13:00〜15:00

◎JEUGIAカルチャーセンター京都 de Basic. 075‐254‐2835
 「はじめての短歌」 毎月第3水曜日 10:00〜12:00

◎JEUGIAカルチャーセンターMOMOテラス 075‐623‐5371
 「はじめての短歌」 毎月第1火曜日 10:30〜12:30

◎醍醐カルチャーセンター 075‐573‐5911
 「短歌教室」 毎月第2月曜日 13:00〜15:00

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2019年10月10日

青年団「走りながら眠れ」

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先日、京都に新しくできた劇場「THEATRE E9 KYOTO」で青年団の公演「走りながら眠れ」を見た。
作・演出:平田オリザ、出演:能島瑞穂、古屋隆太。

大杉栄と伊藤野枝の二か月間を描いた会話劇で登場人物は二人だけ。日常の何気ない会話から人間関係や時代の空気が窺われる内容となっている。観客は二人がこの後虐殺される運命だと知っているだけに、一つ一つの話が深く胸に入ってくるように感じた。

終演後には平田オリザさんのアフタートークが30分ほどあった。平田さんは「国際観光芸術専門職大学」(仮称)の開設を目指して兵庫県豊岡市に移住したばかり。多くの質問に一つ一つ丁寧に答えていたのが印象的だった。

鴨川のほとりにある劇場はカフェも併設していて、オシャレな雰囲気。家からも近いのでまたいろいろと見に行きたい。

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2019年10月09日

倉成悦子歌集 『ターコイズブルー』

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「塔」所属の作者の第1歌集。
縁があって栞を書かせていただいた。

マルクスだレーニンだなどと気負いいし男もただの老人になる
さまざまな生活臭を湯気にしてマンホールあり冬の明け方
ダライ・ラマの映画の話に「私たちはそれ見られない」とガイドの言いぬ
中国の子も母親のスカートをめくり叱らる桜の下に
国境にサダム・フセインの描かれし紙幣を積み上げ売る店のあり

2019年10月11日、青磁社、1800円。

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2019年10月08日

第22回「あなたを想う恋のうた」作品募集中!

今年も「あなたを想う恋のうた」(越前市)の審査員を務めます。
応募は無料で、最優秀賞は何と賞金10万円!
お一人で何首でも応募できます。

https://www.manyounosato.com/

締切は10月31日。
たくさんのご応募お待ちしております!

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2019年10月01日

週末から

4日(金)の夜から4泊5日の小旅行。

京都→東京→山梨→東京→神奈川→東京→京都と移動して、
東京で3つの短歌の用事をこなしつつ、山梨の母の家と
神奈川の父の家を訪ねる予定。

「身延・南アルプス⇔新宿線」というバスの便があって、
新宿から母の家のすぐ近くまでバスで行けるのが有難い。

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