2019年08月31日

2019年高岡万葉セミナー

9月7日(土)10:20〜16:15、高岡市万葉歴史館で
「万葉集を楽しむ」をテーマにしたセミナーが開催されます。

その中で、10:30〜12:00に「高安国世と万葉集」という
題で講演を行いますので、お近くの方はぜひご参加ください。

https://www.manreki.com/app/website/wp-content/uploads/03fe5e95ba28a31dad9569a97cddfe43.png

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2019年08月30日

Twitter企画 「令和36歌仙になろう」

10月12日より京都国立博物館で開催される特別展「流転100年 佐竹本三十六歌仙絵と王朝の美」の関連イベントとして、Twitter企画「令和36歌仙になろう」が行われています。

https://kasen2019.jp/36kasen.html

松村が選者を務めますので、Twitterのアカウントをお持ちの方はぜひご投稿ください。現在、第1週(8/30〜9/5)の作品を募集中です。
題は「恋」。恋の歌であれば「恋」という字は入っていなくても構いません。

第4週まで続きますので、どうぞよろしくお願いします。

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2019年08月29日

山梨(2泊3日)

母の介護認定の訪問調査に立ち会うため、山梨の身延町へ行く。

これまでは最寄りの下部温泉駅まで車で迎えに来てもらっていたのだが、もうすぐ母は車の運転ができなくなるので、今回は特急で一つ先の甲斐岩間駅まで行く。


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駅前にあるバス停から身延町営バスに乗る。8人乗りのジャンボタクシーのようなバス。母の家の近くのバス停を通る路線があるので有難い。


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運賃も200円と格安。下部温泉駅からタクシーに乗ると2500円くらいかかるので、この値段は助かる。

僕以外の乗客は運転手も含めてみな顔なじみのようで、最近の天気や畑の作物の出来具合などの話が続く。


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母は元気そうだったので良かった。

認定調査も無事に済んで、夜はご近所の方も交えて11時過ぎまでお喋りを楽しんだ。秋には母を連れて一度東京にも行ってみたいと思う。


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2019年08月27日

近況

24日から2泊3日で「塔」全国大会&オプショナルツアーに参加してきました。ちょっとバタバタしていて滞っている作業などもあるのですが、今日からまた2泊3日で山梨の母の家に行ってきます。

第5歌集『紫のひと』(短歌研究社)はAmazon等での販売も始まりました。「塔」全国大会の会場では短歌研究社さんのブースで40冊以上を完売しました。皆さん、ありがとうございます。

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2019年08月21日

第5歌集 『紫のひと』 刊行!

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第5歌集『紫のひと』(短歌研究社)を刊行しました。

2017年と2018年に発表した連作21篇、計413首を収めました。
ご注文は、短歌研究社または松村まで(masanao-m@m7.dion.ne.jp)までお願いします。定価2500円(税別)です。

24日(土)に京都で行われる「塔」のシンポジウムの会場でも販売します。

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2019年08月20日

松本仁一著 『国家を食べる』


朝日新聞社で中東アフリカ総局長などを務めた著者が、中東やアフリカなどの食べ物を通じて、その土地に暮らす人々の姿や国家の状況を描き出したノンフィクション。新潮社の「Webでも考える人」に2018年5月から12月にかけて連載された文章が元になっている。

収録されているのは「チグリス川の鯉―イラク」「昼食はパパイヤだけです―ソマリア」「ブドウの葉ご飯と王様―ヨルダン」「インジェラは辛くてつらい―エチオピア」「最高のフーフー―ガーナ」など計15篇。

ジャーナリストの書いた文章だけあって、イラク戦争、中東和平交渉、ソマリア内戦、アラブの春、西サハラ問題などを取材した話やその後の経過などが詳しく記されており、歴史の舞台裏を知ることができる。

タイトルには「国家」とあるけれど、著者は大袈裟な書き方はしない。取材で出会った人物や食べ物の話をもとに国や地域の問題を考えていく。そうした視点が徹底していて、とても面白い一冊であった。

2019年7月20日、新潮新書、780円。

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2019年08月19日

第22回 「あなたを想う恋のうた」 作品募集中!

今年も「あなたを想う恋のうた」(福井県越前市)の審査員を務めます。
応募は無料で、最優秀賞は何と賞金10万円!
お一人で何首でも応募できます。

https://www.manyounosato.com/

締切は10月31日。
ご応募お待ちしております。

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2019年08月18日

ハーフムーン、シュガーローフ

古市憲寿著『誰も戦争を教えられない』に、新都心開発が進む沖縄の「おもろまち」を訪れた時の話が載っている。

激戦地の一つだったハーフムーンという森は、区画整理により住宅地や道路に変わった。同じく激戦地だったシュガーローフの丘も、当時を偲ばせるものはほとんどなく、ようやく貯水タンクの側に小さな碑文を見つけたくらいだ。
戦争の記憶をコンクリートで塗り固め、その上に商業施設を建てていく。この場所は、まるで戦後日本そのもののように思えた。

そう言えば、知花くらら歌集『はじまりは、恋』にもこんな歌があった。

   沖縄戦で那覇が激戦地に
 こつそりと買ひ食ひをした通学路はハーフムーンとよばれし場所
 シュガーローフの丘にはビルが建ち並ぶ傷あとおほふかさぶたの
 ごとく

ハーフムーンもシュガーローフも、沖縄戦でアメリカ軍が付けた名前。ハーフムーンは半月形の丘という意味で、沖縄では大道森(ダイドウムイ)と呼ばれていた場所である。

一方のシュガーローフは円錐形の砂糖菓子の名前で、沖縄での呼び方は慶良間チージ。日本軍は安里52高地と名付けていたが、これは標高が52メートルであったためである。

こうした地名や呼び方にも、戦争の記憶は刻み込まれている。

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2019年08月17日

選に落ちた歌

高安国世の代表歌とも言うべき一首、

 かきくらし雪ふりしきり降りしづみ我は真実を生きたかりけり
                      『Vorfruhling』

は、実は「アララギ」の選歌に落ちた歌であった。
『詩と真実』の中で高安は次のように書いている。

医科志望を変更して文科に入ろうというころの嘆きをうたった一連の最初の歌である。(・・・)アララギに投稿して発表されたときにはこの歌は選にもれていた。選者の意図はどうだったのか聞いたことがないが、のちに歌集にまとめるときには勝手にこれを巻頭に置くことにした。

本人にとっては文学的出発点として欠くことのできない歌であり、自信もある歌だったのだろう。この一首を歌集に収めたことは、結果的に非常に大きな意味を持つ判断であったと思う。

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2019年08月16日

古市憲寿著 『誰も戦争を教えられない』


2013年8月に講談社から刊行された『誰も戦争を教えてくれなかった』を改題、加筆して文庫化したもの。

国内外の様々な戦争博物館を訪ね、戦争とは何か、戦争の記憶を受け継ぐことは可能か、といった問題を考察している。

訪れるのは、アリゾナ・メモリアル(ハワイ)、アウシュビッツ博物館(ポーランド)、ザクセンハウゼン記念館・博物館(ドイツ)、偽満皇宮博物院(長春)、九・一八歴史博物館(瀋陽)、侵華日軍南京大屠殺遇難同胞紀念館(南京)、独立記念館(韓国)、戦争記念館(韓国)、沖縄県平和祈念資料館、舞鶴引揚記念館(京都)、予科練平和記念館(茨城)など。国によって、また施設によって、戦争の捉え方や描き方には大きな違いがある。

アリゾナ・メモリアルが「爽やか」で「勝利」を祝う「楽しい」場所であるのは、ある意味で当たり前のことなのかも知れない。なぜならば、日本と違ってアメリカはいま現在も戦争を行っている国だからだ。
戦争博物館の「楽しさ」には、二つの「楽しさ」が入り交じっている。一つは博物館の設計レベルでの「楽しさ」、そしてもう一つは、戦争自体の「楽しさ」だ。戦争博物館の最大のコンテンツである戦争、それは楽しいものなのだ。
戦地や戦跡を巡る旅というのは、近代における最もメジャーな旅のスタイルの一つだ。今よりも遥かに娯楽が少ない時代、戦争というのは庶民にとって最大のエンターテインメントだった。

やや挑発的な書き方ではあるけれど、大事な観点だと思う。日本では毎年8月になると戦争の悲惨さを伝える記事や番組が作られ、「二度と悲劇を繰り返してはならない」といった話でまとめられる。でも、そうした方法が既にマンネリ化して一種の思考停止に陥っている面もあるのではないか。

戦争博物館やホロコースト記念碑が悲惨さを訴える「戦争」とは、もっぱら約70年も前の「古い戦争」に過ぎないことになる。ということは、「国家が戦争を記憶する」「国家が戦争の悲惨さを訴える」ということ自体、もしかしたら現代の「小さな戦争」に対する想像力を奪うことに繋がるのかも知れない。

これも非常に鋭い指摘だと思う。私たちが次に経験するであろう(あるいは既に経験している)戦争は、当然のことながら70年以上前の「あの戦争」とは全く違った形の戦争になるはずなのだ。

他にも、遊就館と沖縄県平和祈念資料館が同じ会社(乃村工藝社)のプロデュースした施設であることや、アメリカ国防総省の宇宙関連予算がNASAを上回っていること、厚生省や国民健康保険制度の発足に日中戦争が関わっていたことなど、初めて知る話が多く勉強になった。

著者の考えや主張にはいくつか異論もあるのだけれど、それはそれとして、真摯な内容の一冊だと思う。

2015年7月22日、講談社α文庫、850円。

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2019年08月15日

山階基歌集 『風にあたる』 (その2)


バス停は置かれた場所の名ではなくほんとうの名を呼べば振り向く
ねむるあなたの苗字をぼくの字で書いて再配達の書留をもらう
菜の花を食べて胸から花の咲くようにすなおな身体だったら
目印のビルは更地になっているまた会うのならここになるかな
すんなりと酔ってあなたは似顔絵になりやすそうな顔をしている
ぼんやりと待てば受話器の向こうにはロンドン橋がなんども落ちる
金属の文字がはずれたあとにあるコーポみさきのかたちの日焼け
使おうとペッパーミルをつかむたび台にこぼれている黒胡椒
梨の皮うすくへだててあかときの指とナイフはせめぎあうだけ
籠もるためのような冬の日アパートの屋根をはずして覗き込みたい

1首目、私たちが普段バス停の名前だと思っている「××町1丁目」とか「△△市役所前」は、実は場所の名前であって本当の名前ではないのだ。
2首目、同居人の苗字を書く時の気恥ずかしさと嬉しさと。
3首目、すなおな心ではなく「すなおな身体」としたのがいい。
4首目、二人で会う時の目印にしていたビルがなくなってしまった寂しさ。
5首目、表情から硬さや装いが取れて自然な良い顔になっている。
6首目、電話の保留のメロディーの定番。ずいぶん長く待たされている。
7首目、かつて文字があった部分だけが白っぽく残っているのだ。
8首目、「使おうと」から始まって「黒胡椒」で終わる語順がいい。
9首目、皮一枚を隔てて刃先の動きを感じている指先。
10首目、ミニチュア模型のように屋根が外せたらという発想がユニーク。

2019年7月23日、短歌研究社、1700円。

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2019年08月14日

山階基歌集 『風にあたる』 (その1)

著者 : 山階基
短歌研究社
発売日 : 2019-07-23

2010年から2019年までの346首を収めた第1歌集。
暮らしのディテールや他者との関係性、感情の機微、場の空気感などを描くのが巧みである。

ヘアムースなんて知らずにいた髪があなたの指で髪型になる
点々と残ってしまう梨の皮ひとつひとつをあらためて剝く
さかさまにペダルを漕げばあともどりできる白鳥ボートはすてき
乗るたびに減る残額のひとときの光の文字を追い越して行く
小さくて深い湯舟におさまればふたごの島のように浮くひざ
まっさらな雪をすくった跡のようあなたは炊飯器をまぜない
バスに乗るために走っているように見えただろうかバス停からは
アルコール噴霧器を押す病院に生まれたぼくは病院が好き
すごく言いたかったんだね透明なテープの端を見つけたみたい
のぎへんのノの字をひだりから書いてそれでも秋のことだとわかる

1首目、相手の手櫛に髪を撫でられている心地よさ。
2首目、誰もがよくやっている動作だが、歌になったのは初めて見た。
3首目、自転車ではそうはならないし、人生もまたそうはならない。
4首目、Suicaなどをかざして自動改札を通り抜けるところ。
5首目、アパートなどの小さなユニットバス。「ふたごの島」がいい。
6首目、一緒に暮らし始めると、お互いの生活習慣の違いに気がつく。
7首目、バスが来るタイミングでたまたまバス停の方に走っていたのだ。
8首目、病院は嫌いな人が多いけれど、確かにみんなそこで生まれた。
9首目、いったん話し始めたら、次々と相手の口から言葉が溢れてくる。
10首目、右から書いても左から書いても同じ秋になる不思議。

2019年7月23日、短歌研究社、1700円。

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2019年08月13日

カルチャーセンター


大阪、芦屋、京都でカルチャー講座を担当しています。
短歌に興味のある方は、どうぞご参加下さい。
まったく初めての方も大歓迎です。

◎毎日文化センター梅田教室 06−6346−8700
 「短歌実作」 毎月第2土曜日 *奇数月を松村が担当しています。
   A組 10:30〜12:30
   B組 13:00〜15:00

◎朝日カルチャーセンター芦屋教室 0797−38−2666
 「はじめてよむ短歌」 毎月第1金曜日 10:30〜12:30

◎朝日カルチャーセンター芦屋教室 0797−38−2666
 「短歌実作(A)」 毎月第3金曜日 11:00〜13:00
 「短歌実作(B)」 毎月第3金曜日 13:30〜15:30

◎JEUGIAカルチャーイオンタウン豊中緑丘 06−4865−3530
 「はじめての短歌」 毎月第3月曜日 13:00〜15:00

◎JEUGIAカルチャーセンター京都 de Basic. 075−254−2835
 「はじめての短歌」 毎月第3水曜日 10:00〜12:00

◎JEUGIAカルチャーセンターMOMOテラス 075−623−5371
 「はじめての短歌」 毎月第1火曜日 10:30〜12:30

◎醍醐カルチャーセンター 075−573−5911
 「短歌教室」 毎月第2月曜日 13:00〜15:00

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2019年08月12日

川島結佳子歌集 『感傷ストーブ』


「かりん」所属の作者の第1歌集。

「お前はもう、死んでいる」とか言いながらあなたと食べる胡桃のゆべし
百円のサボテン枯れる否 枯らす私は砂漠よりも砂漠で
腰にある鈴外す祖父葬儀中鳴らないようにと震える鋏で
人落ちる声が聞こえる後楽園前の通りを歩いてゆけば
雲間から覗けば海と工場の間に崩れた円墳がある
会議の為淹れてる紅茶終わつたら排水口へ流す紅茶を
翻訳を読むことでしか出会わない言葉の一つ「売女」という語
人の歯の数だけ歯科のある町を抜けて私は福岡へ行く
かき氷ばっかり食べていた夏があったな内臓を真っ青にして
降ってきた形のままに凍ってる雪は通りの躑躅の上で

1首目、「北斗の拳」の「あべし!」ネタ。楽しそうな二人だ。
3首目、祖母の葬儀の場面。徘徊対策の鈴を付けられていたのだろう。
4首目、「人落ちる声」に驚くが、下句で遊園地の絶叫マシンとわかる。
6首目、誰にも飲まれずに、ただ捨てられるだけの紅茶。
8首目、あちこちに歯医者を見かけるのだ。下句の展開に意外性がある。
9首目、舌ではなく「内臓」が真っ青と言ったのがいい。

2019年7月25日、短歌研究社、2000円。

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2019年08月10日

母と包丁

母が台所で西瓜を切っていたら、突然、包丁が折れた。
柄の部分と刃が外れてしまったのだ。
もう何十年も使ったらしい包丁で、柄の部分も相当傷んでボロボロだ。

母はしばらく補修しようとしていたがうまくいかない。
縄で結んだり縛ったりしていたが、素人に直せるものではない。
そのうち、指先を切ってしまい、絆創膏を貼った。

僕が見かねて「もう古いから捨てた方がいいよ」と声を掛けると、
「かわいそうにねえ」と言う。
何度も包丁の刃を撫でながら、「かわいそうに」「かわいそうに」と
つぶやいている。

「仕方がないよ。どんな物でもいつかは壊れるんだから」と言うと、
「ずーっと大事に使ってきた包丁なんだよ」と言う。
よく見ると、刃に銘が刻まれた包丁で、量販店の安物とは違うらしい。

「でも、もう母さんも昔と違ってそんなに料理なんかしないんだから、
そこらへんで買った包丁で十分だよ」

僕は確かそう言ったと思う。
(どうしてこういう時に相手の気持ちに寄り添うことができないんだろう)

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2019年08月09日

山梨へ(3泊4日)

8月6日の夜から9日まで、山梨の母の家へ行ってきた。


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京都も暑いけれど、山梨も今回はかなりの暑さ。
家の周りの草木がかなり生い茂っている。

今回は母を連れて役場へ行き、介護保険サービスの申請や配食サービスの手配などをした。母はもうすぐ車の運転ができなくなるので、その後の生活についての相談もしてきた。

まあ、長期戦という感じなので、気長に構えるしかない。


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母はふだんはあまり料理をしていないのだが、今でもやればできるようだ。要は一緒に食べてくれる人がいないと、やる気が出ないということだろう。そのあたりが、高齢者のひとり暮らしの難しさでもある。

秋になったら、母を連れて一度東京にも行ってみたい。


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2019年08月06日

第5歌集 『紫のひと』

8月20日に第5歌集『紫のひと』(短歌研究社)を刊行します。
2017年と2018年に発表した連作21篇、計413首を収めました。
8月24日(土)の京都のシンポジウムでも販売予定です。

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2019年08月05日

こまつあやこ著 『リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ』


第58回講談社児童文学新人賞受賞作。

タイトルはマレーシア語で「57577」のこと。マレーシアからの帰国子女である主人公は、周りの目を気にして窮屈な中学生活を送っていたが、ひょんなことから短歌を始めて自分の気持ちを表に出せるようになっていく。

児童文学らしい前向きで明るい話なので大人の目から見るともの足りないところもあるのだが、短歌が好きな人は読んでいて楽しいと思う。吟行や歌会の話も出てくるし、短歌がストーリーの上でも重要な役割を担っている。

2018年6月5日、講談社、1200円。

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2019年08月04日

近藤寿美子歌集 『桜蘂』

短歌研究社
発売日 : 2019-07-26

昨年の現代短歌社賞佳作となった300首が元になった歌集。
選考委員を務めた関係で栞を書かせていただいた。

傷多きイルカの背中見し日より近づくといふことをためらふ
人の手がかたちをなせば人の手の恋ほしくあらむ夜の陶器撫づ
蝶がゆきたまゆらののち影がゆく夏の時間に誤差は生まれて
秋のみづに替へむと硝子器はこびをり水と金魚がずれて揺れゐる
とんぼ追ふ少年に曳く影はなく網をもつ手に見覚えがある

日常の中の違和感を掬い取ることに巧みな作者で、独自の発想や感覚が冴えている。長年抱え続けてきた重いテーマも詠まれており、読み応えのある一冊だ。

2019年7月26日、短歌研究社、2000円。

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2019年08月03日

吉田理恵歌集 『君が坂道駆けくれば』

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小樽在住で同人誌「トワ・フルール」に所属する作者の第1歌集。

 古民家が解体されて裏手より小さな石蔵現れて 春
 春雨とはやさしき響き春雨であなたの肩を濡らしてみたい
 いつの日か医師にならん学生もクレープを焼く札幌医大祭
 旅人に紛れてひとりわが町の運河を巡る夏の休日
 欲しい物は手にしたという顔つきの若者たちの夏も過ぎゆく
 道産子の四代目なるわれ故に訪ねてゆかん血筋の新潟
 数多(あまた)なる愛を描いて愛を得ずジェイン・オースティンは
 独身のまま
 観覧車解体されて築港の空ひろびろと秋の近づく
 カレンダー捲れば二月の白うさぎ雪の原よりわれを見つめる
 北国を離れる君の肩に舞う春の淡雪覚えていてね

全体が編年順ではなく季節の流れに沿って構成されている。「春はときめく」「夏は来たりぬ」「秋の気配す」「かの冬のまま」「春は近づく」の5章に分かれていて、春夏秋冬そしてまた春へと移っていく。

2首目、「はるさめ」という音の柔らかさとあなたへの恋心。
3首目、今は無邪気にクレープを焼いているが、やがてみんな医師になる。
6首目、曾祖父母の代に新潟から北海道へ渡って来たのだ。
7首目、『高慢と偏見』『エマ』などの作者。結婚せず41歳で亡くなった。
8首目、観覧車がなくなって空が広い。カ行音がうまく響いている。

小樽や札幌など北海道の気候・風土がよく感じられる一冊で、全体に淡い恋の感情が流れている。7音が6音になる字足らずがけっこうあるのが少し気になった。

2019年6月1日、旭図書刊行センター、1200円。

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2019年08月02日

現代短歌シンポジウム in 京都

8月に京都で「塔」の全国大会があります。初日のシンポジウムは
一般公開で、どなたでも参加できます。ゲストに、高橋源一郎さん
(小説家・評論家)と小島ゆかりさん(歌人)をお迎えします。

皆さん、ぜひお越しください。(事前のお申込みがお得です)

日時 8月24日(土) 13:00〜17:00
場所 グランドプリンスホテル京都

  講演 高橋源一郎 「日本文学盛衰史・平成後篇」
  対談 小島ゆかり×吉川宏志 「古典和歌の生命力」

会費 当日   一般2000円 学生1000円
   事前申込 一般1800円 学生 900円

お申込み「現代短歌シンポジウム」参加受付のページ


  現代短歌シンポジウム2019.jpg
    (クリックすると大きくなります)

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2019年08月01日

毎日文化センター「石川啄木ー詩、小説、そして短歌へ」

9月25日(水)11:00〜12:30、大阪梅田の毎日文化センターで
一日講座「石川啄木ー詩、小説、そして短歌へ」を開催します。
皆さん、ぜひご参加ください。

http://www.maibun.co.jp/wp/archives/course/36106

石川啄木は歌集『一握の砂』や『悲しき玩具』を生んだ歌人として知られていますが、そのデビュー作は詩集であり多くの詩を作っています。また、小説家になることを目指して小説をたくさん書いた時期もありました。

他にも日記や評論など様々な表現方法を模索した末に、何を求めて啄木は短歌にたどり着いたのか。そして、その歌はなぜ今も多くの人々に親しまれ続けているのか。具体的な作品を紹介しながら、わかりやすくお話しします。
posted by 松村正直 at 20:49| Comment(0) | 石川啄木 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする