2018年05月31日

盛岡の旅(その2)


盛岡と言えば、


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 岩手山
 標高2038メートル、岩手県最高峰。


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 北上川
 全長249キロメートル、東北一の大河。


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 盛岡城
 別名、不来方城。南部氏の居城。


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 石割桜
 樹齢360年のエドヒガンザクラ。


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 ひっつみ
 郷土料理。小麦粉を平たい団子状にして汁に入れたもの。
 山梨で食べた「みみ」と似ている。


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2018年05月30日

盛岡の旅(その1)


盛岡は古いものと新しいものが程よく混じり合って、居心地の良い町であった。町歩きをしていて見かけた建物をいくつかご紹介。


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 岩手銀行赤レンガ館
 (旧盛岡銀行本店)
 明治44年竣工。設計は辰野金吾と葛西萬司。


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 もりおか啄木・賢治青春館
 (旧第九十国立銀行本店本館)
 明治43年竣工。


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 盛岡信用金庫本店
 (旧盛岡貯蓄銀行)
 昭和2年竣工。設計は葛西萬司。


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 岩手県公会堂
 昭和2年竣工。


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 紺屋町番屋
 (盛岡市消防団第五分団事務所)
 大正2年竣工。


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 東北総業
 (旧工藤勝四郎家所有煉瓦建造物)
 大正元年竣工。


普通に町を歩いているだけで、こうした建物に続々と出会うのが嬉しい。

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2018年05月29日

帰宅


2泊3日の旅行から帰ってきました。
渋民、盛岡を歩き回ったのですが、天気にも恵まれ楽しい3日間でした。
収穫も多くあったような気がします。

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2018年05月27日

旅立ち


今日は朝5:38発の始発で旅に出ます。
と言っても2泊3日の小旅行。
火曜日には帰ってきます。

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2018年05月25日

樺太に関するニュース


〇本日、稚内市樺太記念館がオープンした。
 樺太に関する資料約1000点を展示するとのこと。
 http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20180524/0000265.html

〇稚内―コルサコフの定期航路の今季の運行は中止となった。
 http://hs-line.com/index.html


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2018年05月24日

今野寿美著『24のキーワードで読む与謝野晶子』


2002年4月から2004年9月まで30回にわたって「歌壇」に連載した文章をまとめた一冊。「春」「われ」「百合」「神」「星」「桜」など24のキーワードを設定して、与謝野晶子の歌の世界を読み解いている。

このキーワードという手法は、かなり効果的だ。晶子について論じる際にはどうしても鉄幹や同世代の歌人たちとの人間ドラマに話が傾いてしまいがちだが、キーワードを中心に据えることによって、言葉や歌の問題に力点が置かれることになる。

おそらく歌のなかに「はつなつ」を詠み入れた歌人は、以上の経緯で考えると、晶子ということになる。
晶子が特徴的に使った「の」の用法もひととおりではない(…)この類の措辞を、晶子は『みだれ髪』よりのちは後退させており、現代短歌にもそのなごりはないといえるだろう。

旧派和歌から新派和歌への変化や晶子の歌の特徴が言葉のレベルで丁寧に分析されており、読み応えのある内容となっている。

2005年4月30日、本阿弥書店、2600円。

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2018年05月23日

100%でなくて当り前


学生時代は4年間アーチェリーをやっていた。
その時に監督から教わった考え方を、今も時々思い出す。

それは、「100%の状態でないのがむしろ当り前」ということ。

例えば試合の当日、朝から体調が今ひとつだったり、指先の感覚がいつもと違ったり、横風が吹いていたりと、何かと気になることがある。そんな時に私たちは、「ああ、体調が万全だったらなあ」とか「風さえ吹いてなかったらなあ」などと思いがちだ。

でも、よく考えると100%万全の状態で試合に臨めることなど、実際はほとんどない。むしろ100%でない方が普通なのである。100%であろうがなかろうが、試合になったら点数を出さなければいけない。100%でないことを言い訳にしても仕方がない。

この考え方は、アーチェリーだけではなく人生のいろいろな場面に当て嵌まる。何か事に臨むに当って、100%の状態というのはあり得ない。「100%でなくて当り前」。何か気になることがあった時にそう考えると、ずいぶんと気持ちが楽になる。


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2018年05月21日

ウィキペディア


インターネット上の百科事典「ウィキペディア」はとても便利だ。
その一方で、時々、首を傾げざるをえない記述にも出くわす。

例えば「与謝野晶子」を調べると、

家業は没落しかけており、3人目の女の子であったため両親から疎まれて育つ。

などと書いてある。

出典は昭和14年に宮本百合子の書いた「婦人と文学」の一節ということだが、これは事実とは違うだろう。晶子の『私の生ひ立ち』を読めば生家はむしろ裕福であったことがわかるし、家業の「駿河屋」が昭和50年代まで営業を続けていたことから考えても、とうてい没落しかけていたとは思えない。「両親から疎まれて」も、宮本個人のかなり偏った見方と言っていい。

このように、「ウィキペディア」を参考にする際には、信用できる部分とできない部分をまずは自分自身で見極める必要がある。

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2018年05月17日

【公開講座】与謝野晶子の歌と人生(5月25日)


5月25日(金)に朝日カルチャーセンター芦屋教室で、「生誕140周年 与謝野晶子の歌と人生」という公開講座を行います。11:00〜12:30。場所はJR芦屋駅前の「ラポルテ本館」の4階です。

与謝野晶子の63年の人生をたどりつつ、印象的な歌や気になる歌を読み解いていきます。皆さん、どうぞ聴きに来てください。

https://www.asahiculture.jp/ashiya/

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2018年05月16日

田附昭二さん


長年歌会でご一緒してきた田附昭二さんが、昨日亡くなった。
2年前に病気になって以来、体力的なこともあって歌会の前半で帰ることが多かったが、それでも3月までずっと歌会に参加しておられた。

91歳という年齢になってもいつもダンディーな方だった。他の人の発言に左右されることなく、ご自分の意見をしっかりと発言される。良い点は誉めるし、問題点はきちんと指摘する。うやむやにしたり胡麻化したりすることのない方だった。

歌会の会場へいつも送り迎えされていた娘さんから、田附さんが歌会への参加を「何よりの楽しみと生きがい」にしておられたと聞いた。そういう気持ちで歌会に参加している人がいることを、いたことを、これからも忘れずに胸に刻んでおきたいと思う。

ご冥福をお祈りします。

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2018年05月14日

尾崎左永子著 『「明星」初期事情 晶子と鉄幹』


青磁社評論シリーズ3。

著者が書き継いできた初期の「明星」や与謝野晶子を中心とした女性歌人についての評論に対談と講演録を加えて、全13篇を収めた評論集。

「明星」は明治33年4月に創刊され、明治41年11月の100号まで続いたが、著者が特に注目するのは明治34年末の第18号までである。西暦で言えばちょうど1900年から、21世紀の始まりの1901年に当たる時期ということになる。

中でも、「明星」に使われている一条成美のカットがミュシャの絵の模写であることを突き止めた文章など、30年前に発表されたものだが今読んでも新鮮である。

山川登美子についての文章も多く収められているが、時に厳しい指摘も見られる。

恋する者が、相手に好ましい人間であろうとして自らを変えて行くのと同じように、登美子は自らの作品を、鉄幹の好むタイプの鋳型へ流し込んで行ったのではあるまいか。「恋ごろも事件」に際して、学校当局の鋳型にはめられることに批判的であった登美子も、所詮は、愛する男性の鋳型には、自ら進んではまり込んで行ったのである。

このあたり、やや筆が滑っている感じがあるのだが、尾崎さんの理想とする女性像がうかがえて、読む方としては注目する。登美子に関しては晩年の歌を高く評価しているようだ。

胸たたき死ねと苛(さいな)む嘴(はし)ぶとの鉛の鳥ぞ空掩ひ来る
わが柩まもる人なく行く野辺のさびしさ見えつ霞たなびく

2018年1月28日、青磁社、2800円。

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2018年05月13日

いづる湯


今朝の読売新聞の詩歌コラム「四季」(長谷川櫂)に、源実朝の歌が引かれている。

わたつ海の中に向ひていづる湯のいづのお山とむべもいひけり

へえ〜、「いづる湯」から「いづ(伊豆)」という名前になったのか。
ホントかいな。


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2018年05月12日

現代短歌社賞


今年から現代短歌社賞の選考委員を務めることになりました。
多数のご応募をお待ちしております。

http://gendaitanka.jp/award/

第6回現代短歌社賞 応募要項

応募資格 個人で歌集を出していない方
      ○年齢、国籍等を問いません。
募集作品 300首
      ○未発表、既発表を問いません。
      ○章立てし、小題を付けてください。
      ○B5判の原稿用紙等を使用し(手書き、印字いずれでも可)、
       ページ数を記し、左肩を綴じてください。

      原稿には氏名を記さず、別紙に
      ・作品表題
      ・氏名・ふりがな(筆名の場合は本名を併記)
      ・生年月日
      ・性別
      ・郵便番号・住所
      ・電話番号
      ・所属結社
      ・略歌歴
      ・新旧のかなづかいの別
      を明記してください。

締切  平成30年7月31日(当日消印有効)
   賞状及び副賞として応募作品を歌集にして500部贈呈
発表  『現代短歌』平成30年12月号(11月14日発売予定)誌上
     ※応募作品の雑誌掲載権は主催者(現代短歌社)に帰属します。
送付先 〒171-0031 豊島区目白2-8-2-C3 現代短歌社
     ○封筒に「現代短歌社賞応募作品」と朱書してください。
     ※原稿の返却、訂正、お問い合わせには応じかねます。

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2018年05月11日

【公開講座】大阪が生んだ歌人、与謝野晶子(5月23日)


5月23日(水)に大阪梅田の毎日文化センターで「大阪が生んだ歌人、与謝野晶子」という講座を行います。時間は10:30〜12:00。

「なにわ再発見」という5回シリーズの1回ですが、この回だけの受講もできます。与謝野晶子と大阪の関わりに重点を置いてお話しします。

詳しくは下記をご覧ください。
http://www.maibun.co.jp/wp/archives/course/35552

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2018年05月10日

与謝野晶子著 『私の生ひ立ち』


雑誌「新少女」に9回にわたって連載された「私の生ひ立ち」に、「私の見た少女」4篇を加えて一冊にまとめたもの。与謝野晶子の幼少期の姿や堺の町の雰囲気がよく感じられる内容となっている。

例えば、「火事」という話はこんなふうに始まる。

 ある夏の晩に、私は兄弟や従兄等と一所に、大屋根の上の火の見台で涼んで居ました。
「お月様とお星様が近くにある晩には火事がある。」
 十歳ばかりの私よりは余程大きい誰かの口から、こんなことが云はれました。そのうち一人降り二人降りして、火の見台には私と弟の二人だけが残されました。
「籌さん、あのお星様はお月様に近いのね。そら、あるでせう一つ。」
「さうやなあ、火事があるやら知られまへんなあ、面白い。」
「私は恐い。火事だつたら。」
「弱虫やなあ。」

幼い姉弟の仲の良い様子や会話がありありと甦ってくる。ここに出てくる「籌さん」(籌三郎)が、「君死にたまふことなかれ」に詠まれた「君」である。

1985年5月10日、刊行社。

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2018年05月09日

ニフレル吟行


今日は「ニフレルで短歌を詠む」という講座を行った。
主催はJEUGIA カルチャーセンターイオンタウン豊中緑丘。

朝方は天気が心配であったが、昼間はよく晴れて万博公園の緑がきれいだった。ニフレルは屋内型の水族館・動物園で、展示にさまざまな工夫が施されている。それほど広くはない建物だが、ゆっくりと楽しく見て回った。


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ワオキツネザル。
尻尾に輪のような模様があるので「ワオ(輪尾)」という名が付いているらしい。英語では「Ring-tailed」。


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ケープペンギン。
観客たちに向かって水中でしきりに羽ばたいている。


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ギニアエボシドリ。
黄緑色の羽と目の赤があざやか。
部屋の中を自由に飛び回っている。

参加して下さった皆さん、ありがとうございました。


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2018年05月08日

母の家


往復夜行バスという強行日程で山梨の母の家へ。
4年前に連れ合いを亡くして以来ひとり暮らしなので、何かと心配である。

昨年末に行った時に、こんな歌を詠んだ。

 母さんのことよろしくと老い猫のユキに託して立ち去るわれは
                  「塔」2018年4月号

母の寵愛を一身に受けていた猫のユキであったが、この歌を詠んですぐ、何と今年の1月に死んでしまった。もう18歳くらいだったので寿命なのだが、母の落ち込みようは相当なものであった。


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庭にあるユキの墓。
特に石などは置いていないそうで、草に覆われている。
その中に造花が植えられていた。


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ユキの墓の近くはソラマメ畑になっている。


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ソラマメはもうすぐ収穫の時期を迎えるらしい。
美味しいから送るよと言われた。

もっと頻繁に山梨に足を運ばないといけないなあ。

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2018年05月06日

『与謝野晶子歌集』


与謝野晶子が自選した2963首に、遺歌集『白桜集』から100首(馬場あき子選)を追加したアンソロジー。

第1歌集『乱れ髪』からわずか14首しか選んでいないことからもわかるように、晶子の自選は初期の歌に相当厳しい。晶子自身あとがきに次のように書いている。

後年の私を「嘘から出た真実」であると思って居るのであるから、この嘘の時代の作を今日も人からとやかくいわれがちなのは迷惑至極である。教科書などに、後年の作の三十分の一もなく、また質の甚しく粗悪でしかない初期のものの中から採られた歌の多いことを私は常に悲しんで居る。

昭和13年、晶子60歳の心境である。
三年前の昭和10年には夫鉄幹を亡くしており、晶子自身も昭和17年に亡くなる。

 春雨やわがおち髪を巣に編みてそだちし雛の鶯の鳴く
                   『舞姫』
 うすぐらき鉄格子より熊の子が桃いろの足いだす雪の日
                   『春泥集』
 八月やセエヌの河岸(かし)の花市の上ひややかに朝風ぞ吹く
                   『太陽と薔薇』
 難破船二人の中にながめつつ君も救はずわれも救はず
                   『草の夢』
 人形は目あきてあれど病める子はたゆげに眠る白き病室
                   『心の遠景』
 海の気に亭の床几のうるほへば恋し昨日の朝もむかしも
                   『深林の香』
 夕かぜは指を集めてひらかざる白木蓮のたかき枝ふく
                   『緑階春雨』
 麻雀の牌の象牙の厚さほど山のつばきの葉につもる雪
                   『冬柏亭集』
 高きより潮の落ちくるここちして阿蘇の波野の草鳴りわたる
                   『草と月光』
 初めより命と云へる悩ましきものを持たざる霧の消え行く
                   『白桜集』

さすがに良い歌がたくさんある。
生涯に5万首を詠んだ晶子のエネルギーの一端に触れた思いがする。

2017年5月15日第71刷、岩波文庫、850円。

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2018年05月05日

ラヷとは?


与謝野晶子の歌を読んでいると「ラヷ」という言葉がしばしば出てくる。「ラブ」ではなく「ラヷ」。「ワ」に濁点が付いている。

ラヷ落ちて欠けたる湖水全きに変ることなく哀れなりけり
                    『瑠璃光』
ラヷ尖(とが)り椿の木立ことやうにあをき土用の八丈がしま
                    『深林の香』
軽井沢昨日のラヷは朱に乾き藍むらさきす新らしき霾(よな)
                    『緑階春雨』
から松がラヷの色して枯れ行く日信濃に入りぬ先生の許(もと)
                    『山のしづく』
ラヷの路たとへて云へば沙弥達の麻のころもの荒き手ざはり
                    『草と月光』

それぞれ、西湖、八丈島、軽井沢、碓氷峠、山中湖を旅した際の歌である。

内容から考えると、これは英語のlava(=溶岩)のことらしい。今ではカタカナ英語で「ラヴァ」と言ったりはしないが、戦前は一般的な言い方だったのだろうか。

posted by 松村正直 at 11:24| Comment(4) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月04日

カベルナリア吉田著 『狙われた島』


副題は「数奇な運命に弄ばれた19の島」。

タイトルや副題がおどろおどろしいが、内容は真面目(?)な紀行文。各地の様々な歴史や背景を持つ島を訪ねた記録である。

取り上げられているのは、奥尻島、佐渡島、伊豆大島、豊島、直島、長島(岡山県)、大島(香川県)、金輪島、大久野島、似島、江田島、大津島、久賀島、生月島、池島、伊王島、隠岐島後、津堅島、江島(宮城県)。

いずれも戦争、災害、産業廃棄物、ハンセン病、キリシタン迫害などの舞台になった島である。

日本の多くの島々が、数奇な歴史と運命に翻弄された。その背景には必ず「力ある者」の身勝手な思惑があった。
日本の中心から遠く離れた辺境の島々を歩き、あえて東京を、都会を、日本の中央を俯瞰する旅。それによって、都会にいてはわからない日本の側面が見えてくる。

こうした思いが色濃く滲んだ一冊で、にわか仕立ての観光ブームとは距離を置く著者の姿勢が随所に表れている。ちょっと気難しいオッサンだけど、そこがいいのだろう。

2018年2月1日、アルファベータブックス、1800円。


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2018年05月03日

映画 「鉱 ARAGANE」


監督・撮影・編集:小田香
監修:タル・ベーラ

ボスニア・ヘルツェゴビナにあるブレザ炭鉱を描いたドキュメンタリー。
地下300メートルの坑道で、わずかなヘッドランプの明りだけを頼りに人々は働く。

圧倒的な暗闇と機械の立てる轟音。
地上とは全く異なる世界の持つ迫力と美しさが印象的だった。

出町座、68分。

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2018年05月02日

現代歌人集会春季大会 in 奈良


7月16日(月、祝)に奈良で「現代歌人集会春季大会」を開催します。
大会テーマは「万葉に遊ぶ」。

林和清さんの基調講演、内藤明さんの講演「万葉は今」、大辻隆弘・勺禰子・小黒世茂・吉岡太朗の4名によるパネルディスカッションと盛りだくさんの内容です。皆さん、ぜひお越しください。

参加費は2000円、当日受付も致します。


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2018年05月01日

解脱


GW中に仕上げるべく、ある本の校正をしている。

三校なのでもうほとんど直すところはないのだが、
先ほど一か所大きな(?)間違いを見つけた。

「筆者解脱」

もちろん、「筆者解説」です。

posted by 松村正直 at 23:34| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする