2015年09月01日

荒川洋平著『日本語という外国語』


日本語教師になりたい人向けの入門書であるが、そうでない人が読んでも十分におもしろい。国文法(いわゆる学校文法)とは違う日本語文法についても、概略が記されており、知らなかったことがいっぱい出てくる。

国文法における動詞の終止形と連体形は同じ形ですが、日本語教育ではこれを「辞書形」として、一つにまとめ上げています。

国文法においては文語(古文)との継続性を重視して、口語の動詞の活用でも「終止形」「連体形」を区別しているが、確かに口語だけに限って考えれば区別する必要はないわけだ。

学校で勉強した英文法では「十二時制」と呼んで、時制を現在進行形や過去完了形などに分類していますが、これは「テンス」と、後で述べる「アスペクト」を一緒にしたものです。

この「テンス」と「アスペクト」の区別というのが、けっこう大事なのだろう。学校では国文法でも英文法でも、そのあたりは習わなかった気がする。

実は日本語の動詞には(…)前のことを示す「過去形」と、そうではない「非過去形」しかありません。
動作を示す動詞が、現在のことを示すためには、「いま食べている」のように、「食べる」をテ形「食べて」に変え、それにプラスして「いる」の助けを借りなければなりません。

こうした日本語文法の基本的な知識は、例えば角川「短歌」9月号に大辻隆弘さんが書いている「口語の時間表現について」という問題を考える際にも、大いに役に立つのではないかと思う。

2009年8月20日、講談社現代新書、800円。

posted by 松村正直 at 10:23| Comment(4) | ことば・日本語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする