2013年08月01日

竹内洋岳著 『登山の哲学』


副題は「標高8000メートルを生き抜く」。

日本人で初めて、世界にある14個のの8000メートル峰すべてに登頂した「14サミッター」となった著者が、自らの生い立ちや体験、考え方について記した本。

「登山家は、山という大いなる自然の中で、想像力の競争をしていると言っていい」「私にとっての経験とは、積み重ねるものではなく、並べるものなのです」といった、魅力的な言葉がたくさん出てくる。

著者は登山の方法の変化についても繰り返し述べている。十分な資金や装備による大規模な組織登山から、少人数でチームを組むコンパクトな登山へという変化は、登山に限らずさまざまな場面に通じる話だろう。

1971年生まれの著者は私と一歳違いだが、人間の個性について次のように書いている。
たとえば、この本が出たとき私は四二歳です。でも、世の中の四二歳の男性は、みんな違います。私の年代は、よく「ガンダム世代」とか「ファミコン世代」などと言われますが、私の家にはファミコンがなかったし、ガンダムをテレビで見た記憶もない。

こういう思いは私にもよくわかる。最近、いろいろな場面で「世代」という括り方が流行っているが、そこから抜け落ちてしまうものの方を大切にしていきたい。

2013年5月10日、NHK出版、740円。

posted by 松村正直 at 18:44| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする