2012年12月01日

勉強会「近世から近代へ―うたの変遷」

「近世から近代へ―うたの変遷」という勉強会を企画しています。
計3回にわたって、講師の方を招いて江戸から明治にかけての
うた(和歌・狂歌・短歌)について学びます。

私たちは短歌と言うと、正岡子規・与謝野鉄幹以降を思い浮かべがち
ですが、それ以前のうたはどのような状況にあったのでしょうか。
少し遡って考えてみたいと思います。

第1回は、来年2月23日(土)の午後に、安田純生さんを講師に
お迎えして行います。皆さん、ぜひご参加ください。
詳細については、後日あらためてお知らせいたします。

posted by 松村正直 at 17:54| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

秋山真志著 『職業外伝 白の巻』

「紅の巻」の続編。2006年に出た単行本の文庫化。

今回取り上げられる職業は、「イタコ」「映画看板絵師」「宮内庁式部職鵜匠」「荻江流二代目家元」「琵琶盲僧」「臘人形師」「チンドン屋」「流し」の八つ。

ルポルタージュの大体の流れは、〈体験・見学〉→〈インタビュー〉→〈その職業の歴史〉→〈インタビューの続き〉となっている。書き方の一つの型が出来上っていると言っていいだろう。

印象的な話がいくつもあった。例えば、荻江流(三味線音楽)二代目家元が、先代から荻江節を習った頃の話。
(…)それで稽古といっても三回ぐらいしかやらない。テープも譜面もない時代ですから、こちらも必死におぼえる癖がついて、耳からキャッチするのも早かったですね。譜面ができたのは戦後の話で、テープと譜面ができてからダメになった。教えるほうはラクになりましたが。譜面に書けないのが芸ですから。

普通、テープや譜面があった方が芸を覚えるのに良いように思うのだが、実はそうではないというのである。「譜面に書けないのが芸」とは、なるほどと思う。

2012年10月5日、ポプラ文庫、620円。

posted by 松村正直 at 00:48| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする