小湧谷駅。今回の旅行の拠点はここ。
高安国世の母やす子の歌集には小湧谷を詠んだ歌がいくつかある。
おそらく親類か誰かの別荘があったのだろう。
眼の下(もと)の芽ぶきの山に立つ煙また濃くたちぬ溜りゐしごと
百日紅の太幹を流れゐる雨の小川のごとくなるを見てゐつ
白雲は谿より湧きて高嶺(たかね)よりおりくる雲と乱れあひたり
「小涌谷」(『樹下』昭和16年)
箱根登山鉄道。小田原駅から強羅駅までの15キロを結んでいる。
途中80パーミル(1000分の80)の急勾配があり、出山信号場(塔ノ沢駅〜大平台駅間)、
大平台駅、上大平台信号場(大平台駅〜宮ノ下駅間)の3か所でスイッチバックを行う。
何だかとても懐かしい。