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私がこれまでに出した歌集・歌書は以下の12冊です。
【歌集】
・『駅へ』(2001年、ながらみ書房)
・『駅へ』新装版(2021年、野兎舎)*在庫あり
野兎舎オンラインストア
アマゾンKindle版
・『やさしい鮫』(2006年、ながらみ書房)
・『午前3時を過ぎて』(2014年、六花書林)
・『風のおとうと』(2017年、六花書林)
・『紫のひと』(2019年、短歌研究社)
・『について』(2025年、現代短歌社)*在庫あり
現代短歌社オンラインストア
【歌書】
・『短歌は記憶する』(2010年、六花書林)*在庫あり
・『高安国世の手紙』(2013年、六花書林)
・『樺太を訪れた歌人たち』(2016年、ながらみ書房)*在庫あり
・『戦争の歌』(2018年、笠間書院)
・『踊り場からの眺め』(2021年、六花書林)*在庫あり
「在庫あり」のものは、送料無料・振込用紙同封でお送りします。
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また、ネットショップのBOOTHでも販売しております。
どうぞお気軽にご利用ください。
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2026年01月01日
カルチャー講座一覧
大阪、京都、兵庫、オンラインなどで短歌のカルチャー講座を担当しています。短歌に興味のある方は、どうぞご参加下さい。まったく初めての方も大歓迎です。
◎NHK学園オンライン講座
「短歌のコツ」 毎月第4木曜日19:30〜20:45
「N学短歌plus」 *サブスク(定額制)講座
◎住吉カルチャー(神戸)
「はじめてよむ短歌」 毎月第1金曜10:30〜12:30
◎毎日文化センター梅田教室 06‐6346‐8700
「短歌実作」 毎月第2土曜日
A組 10:30〜12:30
B組 13:00〜15:00
「短歌を楽しむ」 毎月第2・第4水曜日13:00〜15:00
◎JEUGIAカルチャーセンター京都 de Basic. 075‐254‐2835
「はじめての短歌」 毎月第3水曜10:00〜12:00
◎JEUGIAカルチャーセンターMOMOテラス 075‐623‐5371
「はじめての短歌」 毎月第1火曜10:30〜12:30
◎醍醐カルチャーセンター 075‐573‐5911
「短歌教室」 毎月第2月曜日 13:00〜15:00
◎NHK学園オンライン講座
「短歌のコツ」 毎月第4木曜日19:30〜20:45
「N学短歌plus」 *サブスク(定額制)講座
◎住吉カルチャー(神戸)
「はじめてよむ短歌」 毎月第1金曜10:30〜12:30
◎毎日文化センター梅田教室 06‐6346‐8700
「短歌実作」 毎月第2土曜日
A組 10:30〜12:30
B組 13:00〜15:00
「短歌を楽しむ」 毎月第2・第4水曜日13:00〜15:00
◎JEUGIAカルチャーセンター京都 de Basic. 075‐254‐2835
「はじめての短歌」 毎月第3水曜10:00〜12:00
◎JEUGIAカルチャーセンターMOMOテラス 075‐623‐5371
「はじめての短歌」 毎月第1火曜10:30〜12:30
◎醍醐カルチャーセンター 075‐573‐5911
「短歌教室」 毎月第2月曜日 13:00〜15:00
2025年12月31日
2025年の活動記録
作品
・「濡れ縁」25首(「現代短歌」1月号)
・「岩魚とミズナラ」15首(「パンの耳」第9号)
・「ひよどりとスズメ」10首(「角川短歌」2月号)
・「169.8キロ」7首(「短歌研究」5・6月号)
・「クマバチの春」12首(「現代短歌新聞」5月号)
・「鉄脚」12首(「現代短歌」109号 5月)
・「輸血」13首(「短歌往来」8月号)
・「見る側」15首(「パンの耳」第10号)
連載
・啄木ごっこ(第75回)結核と母の死(「角川短歌」1月号)
・啄木ごっこ(第76回)啄木死す(「角川短歌」2月号)
・啄木ごっこ(第77回)『悲しき玩具』刊行
(「角川短歌」3月号)
・啄木ごっこ(第78回)次女誕生と節子の死
(「角川短歌」4月号)
・啄木ごっこ(第79回)『啄木全集』の刊行
(「角川短歌」5月号)
・啄木ごっこ(第80回)時代を超える言葉
(「角川短歌」6月号)
・ことば以上こころ未満(第22回)(「NHK短歌」1月号)
・ことば以上こころ未満(第23回)(「NHK短歌」2月号)
・ことば以上こころ未満(第24回)(「NHK短歌」3月号)
評論
・「ルナパークと啄木、白秋」(「短歌堺」第85号)
書評
・江戸雪歌集『カーディガン』評(「短歌往来」2月号)
・滝田恵水歌集『長靴を履く』評(「短歌人」2月号)
・松本達雄歌集『海彼』評(「八雁」3月号)
・赤井千代歌集『海の天女』評(「白珠」4月号)
・川野里子対話集『短歌って何?と訊いてみた』
(「歌壇」5月号)
・本多稜歌集『時剋』評(「うた新聞」5月号)
・屋良健一郎歌集『KOZA』評(「短歌往来」6月号)
・今井恵子著『短歌渉猟』評(「まひる野」7月号)
その他
・貝澤俊一歌集『ダニー・ボーイ』栞文
・「抑制と全開」(「歌壇」4月号)
・「愛誦するうた」(「短歌往来」4月号)
・講演「見えないものの詠い方」要旨
(「兵庫県歌人クラブ会報」第213号)
・米田伊豆美歌集『くさあそび』跋
・インタビュー「松村正直氏に聞く」(「現代短歌新聞」8月号)
・第1回短歌研究評論賞選考座談会(「短歌研究」9・10月号)
・インタビュー「松村正直さんに聴く」(「パンの耳」第10号)
・年間時評「倫理、評論、私性、AI」(歌壇」12月号)
出演
・令和6年度「くにたち短歌大会」選評座談会(1月29日)
・講座「短歌を通して考えるガザ、パレスチナ」(3月22日)
・NHK学園「春のプレミアム短歌講座」(3月29日)
・講演「見えないものの詠い方」(4月29日)
・講演「評論・詩・短歌から読み解く啄木晩年の思想」
(5月17日)
・講座「短歌−語順のマジック」(6月1日)
・オンラインイベント「「軍人は戦地で何を詠み、なぜ内地へ
送り続けたのか?―硫黄島の司令官・市丸利之助の短歌を
読み解く」(8月12日)
・講座「みんなみんな猫の歌」(9月27日)
出版
・第6歌集『について』(現代短歌社、5月23日)
・「パンの耳」第10号(10月20日)
・「濡れ縁」25首(「現代短歌」1月号)
・「岩魚とミズナラ」15首(「パンの耳」第9号)
・「ひよどりとスズメ」10首(「角川短歌」2月号)
・「169.8キロ」7首(「短歌研究」5・6月号)
・「クマバチの春」12首(「現代短歌新聞」5月号)
・「鉄脚」12首(「現代短歌」109号 5月)
・「輸血」13首(「短歌往来」8月号)
・「見る側」15首(「パンの耳」第10号)
連載
・啄木ごっこ(第75回)結核と母の死(「角川短歌」1月号)
・啄木ごっこ(第76回)啄木死す(「角川短歌」2月号)
・啄木ごっこ(第77回)『悲しき玩具』刊行
(「角川短歌」3月号)
・啄木ごっこ(第78回)次女誕生と節子の死
(「角川短歌」4月号)
・啄木ごっこ(第79回)『啄木全集』の刊行
(「角川短歌」5月号)
・啄木ごっこ(第80回)時代を超える言葉
(「角川短歌」6月号)
・ことば以上こころ未満(第22回)(「NHK短歌」1月号)
・ことば以上こころ未満(第23回)(「NHK短歌」2月号)
・ことば以上こころ未満(第24回)(「NHK短歌」3月号)
評論
・「ルナパークと啄木、白秋」(「短歌堺」第85号)
書評
・江戸雪歌集『カーディガン』評(「短歌往来」2月号)
・滝田恵水歌集『長靴を履く』評(「短歌人」2月号)
・松本達雄歌集『海彼』評(「八雁」3月号)
・赤井千代歌集『海の天女』評(「白珠」4月号)
・川野里子対話集『短歌って何?と訊いてみた』
(「歌壇」5月号)
・本多稜歌集『時剋』評(「うた新聞」5月号)
・屋良健一郎歌集『KOZA』評(「短歌往来」6月号)
・今井恵子著『短歌渉猟』評(「まひる野」7月号)
その他
・貝澤俊一歌集『ダニー・ボーイ』栞文
・「抑制と全開」(「歌壇」4月号)
・「愛誦するうた」(「短歌往来」4月号)
・講演「見えないものの詠い方」要旨
(「兵庫県歌人クラブ会報」第213号)
・米田伊豆美歌集『くさあそび』跋
・インタビュー「松村正直氏に聞く」(「現代短歌新聞」8月号)
・第1回短歌研究評論賞選考座談会(「短歌研究」9・10月号)
・インタビュー「松村正直さんに聴く」(「パンの耳」第10号)
・年間時評「倫理、評論、私性、AI」(歌壇」12月号)
出演
・令和6年度「くにたち短歌大会」選評座談会(1月29日)
・講座「短歌を通して考えるガザ、パレスチナ」(3月22日)
・NHK学園「春のプレミアム短歌講座」(3月29日)
・講演「見えないものの詠い方」(4月29日)
・講演「評論・詩・短歌から読み解く啄木晩年の思想」
(5月17日)
・講座「短歌−語順のマジック」(6月1日)
・オンラインイベント「「軍人は戦地で何を詠み、なぜ内地へ
送り続けたのか?―硫黄島の司令官・市丸利之助の短歌を
読み解く」(8月12日)
・講座「みんなみんな猫の歌」(9月27日)
出版
・第6歌集『について』(現代短歌社、5月23日)
・「パンの耳」第10号(10月20日)
2025年11月16日
第22回別邸歌会
今日は生駒ふるさとミュージアム(奈良県生駒市)で第22回別邸歌会を行った。

大和西大寺から近鉄奈良線に乗ると、ラッピング列車「ならしかトレイン」だった。外観にも内装にも鹿がいっぱい。床は草色、シートも草色や鹿色になっている。吊り皮にも鹿が付いていて楽しい。

会場の「生駒ふるさとミュージアム」。
昭和8年に建てられた旧生駒町役場を改修した郷土資料館で、国の登録有形文化財に指定されている。館内はきれいにリニューアルされて昔の面影はないが、コの字型の建物の構造や中庭などに役場だった時代を感じる。

中庭はこんな感じ。

町役場だった時代に正面入口で撮られた集合写真が展示されていた。
歌会には16名が参加。そのうち4名が初めての参加だった。別邸歌会は毎回場所を変えて開催しているので、自然とメンバーも入れ替わるのが楽しい。
13:00から17:00まで、一人2首の計32首について議論した。歌会は遠慮せずに思ったことを何でもどんどん言うのが大事。少し言い過ぎてしまうくらいの方がいい。終了後は近くの喫茶店「オランダ屋」に行ってお喋り。
次回(来年1月11日)は旧大津公会堂(滋賀県大津市)で開催します。どなたでもお気軽にお申込みください。
大和西大寺から近鉄奈良線に乗ると、ラッピング列車「ならしかトレイン」だった。外観にも内装にも鹿がいっぱい。床は草色、シートも草色や鹿色になっている。吊り皮にも鹿が付いていて楽しい。
会場の「生駒ふるさとミュージアム」。
昭和8年に建てられた旧生駒町役場を改修した郷土資料館で、国の登録有形文化財に指定されている。館内はきれいにリニューアルされて昔の面影はないが、コの字型の建物の構造や中庭などに役場だった時代を感じる。
中庭はこんな感じ。
町役場だった時代に正面入口で撮られた集合写真が展示されていた。
歌会には16名が参加。そのうち4名が初めての参加だった。別邸歌会は毎回場所を変えて開催しているので、自然とメンバーも入れ替わるのが楽しい。
13:00から17:00まで、一人2首の計32首について議論した。歌会は遠慮せずに思ったことを何でもどんどん言うのが大事。少し言い過ぎてしまうくらいの方がいい。終了後は近くの喫茶店「オランダ屋」に行ってお喋り。
次回(来年1月11日)は旧大津公会堂(滋賀県大津市)で開催します。どなたでもお気軽にお申込みください。
2025年11月15日
なべとびすこ歌集『デデバグ』
第1歌集。
飲む前の水は重たい手荷物で飲んだ途端に自分に変わる
ふるさとを離れた人がふるさとを語るテレビをふるさとで見る
ゴミ袋ちょっと濡れてる 枯れた日と捨てた日どっちが命日だろう
信号を無視するときこそ信号を最も強く意識しながら
中間を取れば三ノ宮になっていつも誰かと会うための街
僕よりも僕のために怒ってくれて花束だった 花束だったな、
「じゃあまた」の「また」のころには春だろう 風をリュックにしまって歩く
「音楽もぜんぜん聴けんくなった」って言われてほうじ茶ラテが揺れてる
灯籠は下流で回収されるらしいそれでも君が灯した光
19時まで店員だった店員が私服になって帰っていった
1首目、ペットボトルの水は飲んでしまえばもう重さがなくなる。
2首目、ふるさとに住み続ける作者は複雑な気分で聞くのだろう。
3首目、花瓶の花を捨てる場面。上句の細かな描写が効いている。
4首目、無視することでかえって強く意識する。信号だけでなく。
5首目、大阪と姫路付近の人が会う場合。それ以外では行かない。
6首目、その場面を何度も思い返しては嬉しさを噛み締めている。
7首目、上句が鮮やか。次に会うときにはもう季節が変っている。
8首目、仕事などで余裕がない相手。何と声を掛けたらいいのか。
9首目、海へ行くことはない灯籠だが祈りの気持ちは本物である。
10首目、制服のときとは違う印象の私服姿。もう店員ではない。
連作としては、結婚して東京に転居した先輩を詠んだ「クジラのなまえ」18首が特に良かった。
2025年10月13日、左右社、1800円。
2025年11月14日
今後の別邸歌会
2025年11月13日
「うた新聞」2025年11月号
「うた新聞」2025年11月号の下記の欄で、それぞれ歌集『について』を取り上げていただきました。
・藤島秀憲 短歌想望「蓄積の文学 健在の文学」
・田宮智美 作歌に困ったら読む歌集「見つめる」
・小原奈実 書評「知的主体の孤独」
ありがとうございます。
3か所も載っているなんて祭だな。
・藤島秀憲 短歌想望「蓄積の文学 健在の文学」
「共感」こそが「ただごと歌」の本質であって、気づかないできたことに気づかせてくれて、代わりに歌ってくれたものこそが「ただごと歌」だと思っている。
・田宮智美 作歌に困ったら読む歌集「見つめる」
こうした丁寧な観察の効いた一連を読むと、あらためて事象や人・自分の心を見つめよう、詠おう、と奮い立たせてもらえます。
・小原奈実 書評「知的主体の孤独」
これらの歌では知的認識が世界を新しく見せる方向よりも、主体自身の存在の彫りを深める方向に働いている。
ありがとうございます。
3か所も載っているなんて祭だな。
2025年11月12日
大道芸ワールドカップ in 静岡
先日東京へ行った帰りに、せっかくだからと静岡に寄った。

富士山はこんな感じ。

目的は「大道芸ワールドカップ in 静岡」。
国内外から58組92人のパフォーマーが参加して、駿府城公園や街のあちこちで4日間にわたって大道芸を披露している。今年で32回目を迎える歴史あるイベントだ。

「アスタリスクノヴァ」の演技。

最後はこんな高さに。10メートル以上の高さのパイプの上で逆立ちするので、見ているだけでけっこう怖い。
他にも「桔梗ブラザーズ」「SPIN stAr(スピンスター)」「Compagnie Zalataï(コンパニーザラタイ)」「HOOPER MAEP(フーパー マエピー)」「アストロノーツ」「Teatro Pavana(テアトロ パバナ)」「idio2(イディオッツ)」「ゼロコ」などの演技を観た。
途中から雨が降り始めるあいにくの天気だったけれど、見応え十分。雨はこの初日(10/31)だけで、翌日からの三連休は好天に恵まれたようで良かったと思う。
富士山はこんな感じ。
目的は「大道芸ワールドカップ in 静岡」。
国内外から58組92人のパフォーマーが参加して、駿府城公園や街のあちこちで4日間にわたって大道芸を披露している。今年で32回目を迎える歴史あるイベントだ。
「アスタリスクノヴァ」の演技。
最後はこんな高さに。10メートル以上の高さのパイプの上で逆立ちするので、見ているだけでけっこう怖い。
他にも「桔梗ブラザーズ」「SPIN stAr(スピンスター)」「Compagnie Zalataï(コンパニーザラタイ)」「HOOPER MAEP(フーパー マエピー)」「アストロノーツ」「Teatro Pavana(テアトロ パバナ)」「idio2(イディオッツ)」「ゼロコ」などの演技を観た。
途中から雨が降り始めるあいにくの天気だったけれど、見応え十分。雨はこの初日(10/31)だけで、翌日からの三連休は好天に恵まれたようで良かったと思う。
2025年11月11日
雲嶋聆歌集『紫陽花に祈ふ』
「中部短歌会」所属の作者の第1歌集。
タイトルの「祈ふ」は「こふ」。
飛車の威を借る歩か我も年上の部下の仕事にダメ出しをして
かの日蜘蛛に喰はれし蝶の叫喚の嫋嫋たるをわがうちに聴く
どこまでも、どこまでも、空。 〈縊死〉ののち翅を持ち始むる蟻の群れ
泥濘になほ白かりきたんぽぽも紋白蝶の産卵管も
はよしりん、やぐい子だねえ。センセイの親指がおしつける名札(おなまえ)
注 やぐい:三河弁で「どんくさい」。
昼休み 愛想笑ひの絆もて同僚と行く〈ラーメン二郎〉
彼岸へのモールスめきて蛍火は明滅しつつのぼりゆきけり
#呟いてみた 「生きたい」と「死にたい」がぶつかる交差点
特攻を生き延びし祖父七十年のちのベッドに横たはりをり
母の死の後をひつそり生きてゐる秋の日差しを眩しみながら
1首目、「虎の威を借る狐」のもじり。会社内での上下関係の様子。
2首目、細く長く聞こえる叫び。声にならない悲鳴が心の中にある。
3首目、岸上大作を詠んだ一連の歌。羽蟻の飛翔のイメージが鮮明。
4首目、泥に塗れたものたち。白さゆえに一層痛ましく感じられる。
5首目、滋賀から愛知へと転居していじめられた経験。先生もまた。
6首目、「愛想笑ひの絆」が秀逸。自分だけでなく相手も愛想笑い。
7首目、蛍の光を死後の世界への通信として見ているのが印象的だ。
8首目、ハッシュタグを用いた一連。生きたいと死にたいは紙一重。
9首目、1945年と2015年。祖父が生き延びたから今自分がいる。
10首目、親を亡くした後の茫漠とした喪失感が深く滲み出ている。
2025年9月25日、短歌研究社、1800円。
2025年11月10日
映画「チェンソーマン レゼ篇」
監督:吉原達矢
原作:藤本タツキ
制作:MAPPA
声優:戸谷菊之介、上田麗奈、楠木ともり、坂田将吾ほか
先日、山種美術館で絵を見たあとに渋谷に寄った。渋谷は高校・大学時代によく行った街。30年以上経ってだいぶ変ったけれど、それでもやっぱり懐かしい。
ぶらぶら渋谷を歩いていて、せっかくだから映画でも見ようかと思って映画館に入ってチェンソーマンを観た。
心がしんみりして、とてもいい。
周りは若者ばかりだった。
TOHOシネマズ渋谷、100分。
原作:藤本タツキ
制作:MAPPA
声優:戸谷菊之介、上田麗奈、楠木ともり、坂田将吾ほか
先日、山種美術館で絵を見たあとに渋谷に寄った。渋谷は高校・大学時代によく行った街。30年以上経ってだいぶ変ったけれど、それでもやっぱり懐かしい。
ぶらぶら渋谷を歩いていて、せっかくだから映画でも見ようかと思って映画館に入ってチェンソーマンを観た。
心がしんみりして、とてもいい。
周りは若者ばかりだった。
TOHOシネマズ渋谷、100分。
2025年11月09日
三井寺(園城寺)吟行のご案内
11月30日(日)に滋賀県大津市の「三井寺」(園城寺)で吟行をします。午前中に境内を自由に散策して歌を2首作り、昼食を挟んで午後から歌会という流れです。
参加者は「パンの耳」のメンバーを中心に私を含めて8〜10名程度の予定。ご興味のある方は松村までご連絡ください。吟行は初めてという方も大歓迎。お待ちしております!
参加者は「パンの耳」のメンバーを中心に私を含めて8〜10名程度の予定。ご興味のある方は松村までご連絡ください。吟行は初めてという方も大歓迎。お待ちしております!
2025年11月08日
毎日新聞校閲センター『校閲至極』
2018年に始まった「サンデー毎日」の連載コラム「校閲至極」を書籍化したもの。校閲の現場で体験したこと、感じたことなど74篇が収められている。
「吹奏学部」はワープロが普及する前、手書き原稿の時代から指摘され続けてきた息の長い誤りで、2020年も大量発生し根絶されることはありませんでした。
「ばえる」は2022年1月に発行された『三省堂国語辞典』の第8版で見出し語に追加されるなど、大出世を遂げた。江戸時代の国学者・本居宣長は「古代日本語には濁点で始まる言葉がほとんどない」という発見をしており、単独で「ばえる」と読むのは不自然だと言う声が根強かった。
一般に固有名詞は東日本では連濁、西日本では連濁回避の傾向があると聞く。兵庫出身の柳田(やまぎた)国男、和歌山出身の南方(みなかた)熊楠という民俗学者2人の例もある。
平成初期まで新聞製作の現場では「?」を「みみ」と当たり前に読んでいました。「詠み合わせ」、つまり手書き原稿と、パンチャーが入力したものの照合のために2人1組で声を出して照合していたとき、記号には特殊な読み方が用いられていました。
校閲というのは地味で大変な仕事だけれど、言葉に関する知識が詰まっていて楽しそうだなと思う。
2023年8月30日、毎日新聞出版、1300円。
2025年11月07日
馬場昭徳歌集『父さんの帽子』
400首を収めた第6歌集。
新聞の訃報欄などなきときの八月の死者 犇き合ひて
樟の木の影過ぎりつつゆつくりと物言ふ人でありたしわれは
山頂にわが立ちをれば長き風短き風が吹き抜けてゆく
人間の喜怒哀楽のその中の哀しさだけが鮮度を保つ
鍋に煮つつ何か加へてにんまりとして見せたりし妻の横顔
投票率三十八パーセントの海に沈みてゆきしわれの一票
七十四歳の人がテレビに映りゐてああこれが七十四歳かと思ふ
冷蔵庫に砂糖容器を入れむとし人生のこと深く思へり
あらがねの土煙立ち戦争は人の命を国有化する
採血のしやすきことを褒められてわが前腕に静脈は浮く
1首目、作者は長崎市生まれ。原爆で亡くなった人々のことを思う。
2首目、樟の木のようにどっしり構えてとは思うがなかなか難しい。
3首目、「長き風」「短き風」が面白い。風の長さが見えるみたい。
4首目、他の感情と違って時間とともにあまり薄れゆくことがない。
5首目、ただの料理の場面だが、こんなふうに詠むとちょっと怖い。
6首目、投票した候補の落選よりも投票率の低さに気分が落ち込む。
7首目、自分の年齢や姿を客観視するのは難しいが他人だとわかる。
8首目、一体おれは何をしようとしているんだと思って愕然とする。
9首目、三句以下が箴言のように響く。「国有化」をこう使うとは。
10首目、別に何の手柄でもないけれど褒められるとやはり嬉しい。
2025年10月7日、なんぷう堂、1000円。
2025年11月06日
流行語大賞の候補30語
今朝の新聞に今年の「新語・流行語大賞」にノミネートされた30語が発表されていた。
流行にはまったく疎いのだが、知っているもの/知らないものに分けると以下の通り。
・知っているもの
「オールドメディア」「オンカジ」「企業風土」「教皇選挙」「緊急猟銃/クマ被害」「国宝(観た)」「古古古米」「戦後80年/昭和100年」「卒業証書19.2秒」「トランプ関税」「長袖をください」「二季」「ぬい活」「働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相」「物価高」「フリーランス保護法」「麻辣湯(マーラータン)」「ミャクミャク」「薬膳」
・知らないもの
「エッホエッホ」「おてつたび」「7月5日」「チャッピー」「チョコミントよりもあ・な・た」「ビジュイイじゃん」「ひょうろく」「平成女児」「ほいたらね」「ラブブ」「リカバリーウェア」
結果は19対11。思ったより知ってるな。
せっかくなので知らない言葉について調べてみる。
「エッホエッホ」…フクロウの雛が走る写真から生れたネットミーム
「おてつたび」…お手伝い×旅。働きながら旅を楽しむ
「7月5日」…日本で大災難が起きるという噂が広まった
「チャッピー」…ChatGPTの愛称
「チョコミントよりもあ・な・た」…AiScReamの楽曲「愛♡スクリ〜ム!」の歌詞
「ビジュいいじゃん」…M!LKの楽曲「イイじゃん」の歌詞
「ひょうろく」…お笑い芸人の名前
「平成女児」…2000年代初頭に小学生だった女子が当時のキッズ文化を懐古する流行
「ほいたらね」…朝ドラ「あんぱん」の舞台の土佐弁で「またね」の意味
「ラブブ」…香港のアーティスト Kasing Lung が手掛けたキャラクター
「リカバリーウェア」…着ることで疲労回復や休息の質を高める機能性ウェア
なるほどねえ。
流行にはまったく疎いのだが、知っているもの/知らないものに分けると以下の通り。
・知っているもの
「オールドメディア」「オンカジ」「企業風土」「教皇選挙」「緊急猟銃/クマ被害」「国宝(観た)」「古古古米」「戦後80年/昭和100年」「卒業証書19.2秒」「トランプ関税」「長袖をください」「二季」「ぬい活」「働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相」「物価高」「フリーランス保護法」「麻辣湯(マーラータン)」「ミャクミャク」「薬膳」
・知らないもの
「エッホエッホ」「おてつたび」「7月5日」「チャッピー」「チョコミントよりもあ・な・た」「ビジュイイじゃん」「ひょうろく」「平成女児」「ほいたらね」「ラブブ」「リカバリーウェア」
結果は19対11。思ったより知ってるな。
せっかくなので知らない言葉について調べてみる。
「エッホエッホ」…フクロウの雛が走る写真から生れたネットミーム
「おてつたび」…お手伝い×旅。働きながら旅を楽しむ
「7月5日」…日本で大災難が起きるという噂が広まった
「チャッピー」…ChatGPTの愛称
「チョコミントよりもあ・な・た」…AiScReamの楽曲「愛♡スクリ〜ム!」の歌詞
「ビジュいいじゃん」…M!LKの楽曲「イイじゃん」の歌詞
「ひょうろく」…お笑い芸人の名前
「平成女児」…2000年代初頭に小学生だった女子が当時のキッズ文化を懐古する流行
「ほいたらね」…朝ドラ「あんぱん」の舞台の土佐弁で「またね」の意味
「ラブブ」…香港のアーティスト Kasing Lung が手掛けたキャラクター
「リカバリーウェア」…着ることで疲労回復や休息の質を高める機能性ウェア
なるほどねえ。
2025年11月05日
「日本画聖地巡礼2025」
先日、山種美術館(東京都渋谷区広尾)で開催されている特別展「日本画聖地巡礼2025−速水御舟、東山魁夷から山口晃まで−」を観てきた。
日本各地や海外を描いた日本画に現地の写真を添えて展示するという趣向の展覧会。
今回の目当てはポスター上段に載っている速水御舟の「名樹散椿」。以前から速水御舟の絵を生で見たいと思っていて、ようやく念願が叶ったという感じ。
デザイン性と写生が合わさって実に魅力のある絵になっている。現物は2曲1双の屏風なので、Wの字のように立っていて遠近感や奥行きがある。そのあたりも生で見ないとわからないことだろう。
計51点の作品のうち、他に印象に残ったのは、山口晃「東京圖 1・0・4輪之段」、奥村土牛「鳴門」、西郷孤月「台湾風景」など。
とても良い展覧会だったので珍しく図録も買ってしまった。
それにしても、速水御舟すごいな……
2025年11月04日
カルチャー講座「短歌を楽しむ」
先月から大阪の毎日文化センターで新たに「短歌を楽しむ」という講座を始めました。毎月第2・第4水曜日13:00〜15:00です。
https://www.maibun.co.jp/course-detail?kouzainfo_id=504
初心者からベテランの方まで、短歌のうまくなりたい方はどなたでもお気軽にご参加ください。
2025年11月03日
岩田文昭編『嘉村礒多集』
以前、『文学傑作選 鎌倉遊覧』に収録されている嘉村礒多の「滑川畔にて」が強く印象に残った。
https://matsutanka.seesaa.net/article/514911985.html
他にも嘉村の作品を読んでみたいと思って買ったのが本書。小説8篇、随筆6篇、書簡6通が収められ、「私小説の極北」と称される作家の世界がたっぷりと味わえる。
作品の内容とは別に、大正から昭和にかけての暮らしの様子が窺える描写が随所にあった。
天気の良い日には崖上から眠りを誘うような物売りの声が長閑に聞えて来た。「草花や、草花や」が、「ナスの苗、キウリの苗、ヒメユリの苗」という声に変ったかと思うと瞬く間に「ドジョウはよござい、ドジョウ」に代り、やがて初夏の新緑をこめた輝かしい爽やかな空気の波が漂うて来て、金魚売りの声がそちこちの路地から聞えて来た。
季節ごとにさまざまな振売りの声が行き交っていたことがわかる。今では竿竹売りと石焼芋くらいになってしまったけれど。
きょう立秋なのに秋立たばこそ、朝来一トむらの草を揺がす風もなく、午前六時の気温は例年の平均七十三度を凌ぐこと四度、七十七度を示し、午前十時半遂に今年最高の九十五度余九十六度近きを示し
気温が摂氏ではなく華氏で表されている。今では国内で華氏を見かけることはほとんどないが、戦前はけっこう用いられていたようだ。華氏77度は摂氏25度、華氏96度は摂氏35度くらい。今に比べればまだマシかも。
キューピー射的というのは、ユキが銀座の百貨店で買って帰った子供への土産だった。初めはチャンチャン坊主とばかし思っていたが、よく見るとメリケンで、それ等七人のキューピー兵隊を鉄砲で撃って、命中して倒れた兵隊の背中に書いてある西洋数字を加えて、勝ち負けを争うように出来ていた。
ネットで調べたところ、下記のような商品であったようだ。
https://utuszd.hojago.ru.com/index.php?main_page=product_info&products_id=35152
「チャンチャン坊主」と「メリケン」という言葉が対比的に使われているのが目に付く。「メリケン」がアメリカン(アメリカ製)を意味することを踏まえると、「チャンチャン坊主」は中国製を侮蔑した言い方と思われる。こんなところにも、昭和初期の日本人の対中感情が滲み出ている。
2024年3月15日、岩波文庫、910円。
2025年11月02日
笹川諒歌集『眠りの市場にて』
「短歌人」所属の作者の第2歌集。
空はいま無言を搾っているところ あとにしよう音楽の話は
もう消えた記憶の成れの果てとしてセイタカアワダチソウ群れて咲く
触れられる形でいえば駅だろう矢印と風を持つひとだった
雨後の街は金魚のにおいばかりする こころの外へ僕を出さねば
音楽のように片手を上げているあなたが何かを修復している
やわらかな冬のひかりよ日時計に一人称があればうれしい
春はなおさらあなたの中に教会が二つ見えその小さめの方
あこがれが針のようだと思うときこころから飛ぶまっさらな蜂
ひとすじの光を曳いて去り際のあなたは青いオーボエだった
みずいろのカフェテラスでは風に訊く人形同士の恋の顚末
1首目、無言でいることも時に大切。言葉で何かを壊さないために。
2首目、思い出せない記憶の残骸として黄色に塗りつぶされた風景。
3首目、自由な心と強い意志を持つ人の佇まいが目に浮かんでくる。
4首目、居心地のよい自分の心の中に閉じ籠ってしまわないように。
5首目、演奏しているのか指揮しているのか世界を直しているのか。
6首目、完全に受身の存在である日時計にも自らの意志があるはず。
7首目「春」や「小さめの方」という限定がイメージを強めている。
8首目、自分の心から対象へと向かって真っ直ぐに進んでいく思い。
9首目「青い」が印象的。オーボエの形や音、金属部分の光沢など。
10首目、本人たちに訊くわけにはいかない。風が見守っていた恋。
2025年8月23日、書肆侃侃房、2000円。
2025年11月01日
雑詠(055)
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風のない秋の真昼をコスモスはおのれのために揺れることあり
シーソーを揺らす子どもら声そろえsee saw seenを言うより早く
山頂より三メートルほど高いという岩あり登山客から少し離れて
一人前はだれに六つと決められて黙って食べる餃子定食
へびのように駅は長くて北口と南口ありふたつの端に
火の色と灰の色とがせめぎ合う西空きょうが燃え尽きてゆく
踏切に神輿は列をさえぎられ威勢よき声もそこにとどまる
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風のない秋の真昼をコスモスはおのれのために揺れることあり
シーソーを揺らす子どもら声そろえsee saw seenを言うより早く
山頂より三メートルほど高いという岩あり登山客から少し離れて
一人前はだれに六つと決められて黙って食べる餃子定食
へびのように駅は長くて北口と南口ありふたつの端に
火の色と灰の色とがせめぎ合う西空きょうが燃え尽きてゆく
踏切に神輿は列をさえぎられ威勢よき声もそこにとどまる
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