2023年01月01日

歌集・歌書一覧

*この記事は常に一番上に表示されます。
 最新の記事は3つ下をご覧ください。

私がこれまでに出した歌集・歌書は以下の11冊です。

【歌集】
・『駅へ』(2001年、ながらみ書房)
・『駅へ』新装版(2021年、野兎舎)*在庫あり
   野兎舎オンラインストア
   アマゾンKindle版
・『やさしい鮫』(2006年、ながらみ書房)*在庫あり
・『午前3時を過ぎて』(2014年、六花書林)
・『風のおとうと』(2017年、六花書林)*在庫あり
・『紫のひと』(2019年、短歌研究社)*在庫あり

【歌書】
・『短歌は記憶する』(2010年、六花書林)*在庫あり
・『高安国世の手紙』(2013年、六花書林)
・『樺太を訪れた歌人たち』(2016年、ながらみ書房)*在庫あり
・『戦争の歌』(2018年、笠間書院)*在庫あり
・『踊り場からの眺め』(2021年、六花書林)*在庫あり

「在庫あり」のものは、送料無料・振込用紙同封でお送りします。
masanao-m☆m7.dion.ne.jp(☆を@に変えて下さい)

また、ネットショップのBOOTHでも販売しております。
どうぞお気軽にご利用ください。
masanao-m.booth.pm/

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カルチャーセンター一覧

大阪、京都、兵庫などでカルチャー講座を担当しています。
短歌に興味のある方は、どうぞご参加下さい。
まったく初めての方も大歓迎です。

◎NHK学園オンライン講座
 「短歌のコツ」 第4木曜日 19:30〜20:45
   7月〜9月(全3回)
   10月〜12月(全3回)

◎毎日文化センター梅田教室 06‐6346‐8700
 「短歌実作」 毎月第2土曜日
   A組 10:30〜12:30
   B組 13:00〜15:00

◎JEUGIAカルチャーセンター京都 de Basic. 075‐254‐2835
 「はじめての短歌」 毎月第3水曜 10:00〜12:00

◎JEUGIAカルチャーセンターMOMOテラス 075‐623‐5371
 「はじめての短歌」 毎月第1火曜 10:30〜12:30

◎醍醐カルチャーセンター 075‐573‐5911
 「短歌教室」 毎月第2月曜日 13:00〜15:00

◎住吉カルチャー
 「はじめての短歌」 毎月第1金曜 10:30〜12:30
 *神戸市東灘区文化センターで行っている自主カルチャーです。
  受講を希望される方は松村までご連絡ください。

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2022年12月31日

2022年の活動記録

作品
 ・「ひがんばな」15首(「パンの耳」第5号)
 ・「子福桜」20首(「短歌研究」3月号)
 ・「ルーム」7首(「短歌研究」5月号)
 ・「海は見えない」10首(「ふらッと短歌」フリーペーパー)

連載
 ・啄木ごっこ(第39回)三回目の上京と「明星」の衰退
                   (「角川短歌」1月号)
 ・啄木ごっこ(第40回)観潮楼歌会(「角川短歌」2月号)
 ・啄木ごっこ(第41回)赤心館と金田一京助
                   (「角川短歌」3月号)
 ・啄木ごっこ(第42回)小説を書く日々(「角川短歌」4月号)
 ・啄木ごっこ(第43回)「散文詩」についてのノート
                   (「角川短歌」5月号)
 ・啄木ごっこ(第44回)「石破集」の世界
                   (「角川短歌」6月号)
 ・啄木ごっこ(第45回)問答短歌の系譜(「角川短歌」7月号)
 ・近代人気歌人再発見「中村憲吉」@(「NHK短歌」7月号)

評論
 ・口語自由律と大正デモクラシー(「プチ★モンド」No.116)
 ・異民族への「興味・関心」と「蔑視・差別」―近代短歌に
  とってアイヌとは何だったか    (「現代短歌」5月号)

書評
 ・高島裕歌集『盂蘭盆世界』評(「歌壇」3月号)
 ・西巻真歌集『ダスビダーニャ』評(「短歌往来」3月号)
 ・加藤孝男歌集『青き時雨のなかを』評(「短歌往来」7月号)

その他
 ・第9回現代短歌社賞選考座談会(「現代短歌」1月号)
 ・アンケート「二〇二一年の収穫」(「ねむらない樹」vol.8)
 ・アンケート「文庫で読みたい歌集」(「短歌研究」3月号)
 ・秀歌を歌を読もう(「短歌春秋」162号)
 ・25年前の出会い(「国際啄木学会会報」第40号)
 ・令和四年度「夏の誌上短歌大会」選評(入選作品集 6月15日)

出演
 ・講座「『石川啄木』こんな歌もあったの?」(1月23日)
 ・講座「文学者の短歌」(2月6日)
 ・講座「現代に生きる与謝野晶子」(2月19日)
 ・「伝わる批評とは何か 10年分の時評をまとめた歌人・
  松村正直さん」
(「朝日新聞」デジタル版 5月9日)
 ・「若い歌に息づく玉のようなもの」(「朝日新聞」5月11日)
 ・講座「アイヌと短歌」(5月22日)
 ・「ふらッと短歌」(5月28日)
 ・「“うまい・下手”だけじゃない 小説家たちの短歌」
           (「毎日新聞」地域版[大阪]6月15日)
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2022年07月05日

映画「私のはなし 部落のはなし」

監督:満若勇咲
プロデューサー:大島新

部落差別の起源や歴史、現在の状況などを描いたドキュメンタリー。長い時間をかけ、多くの関係者に取材やインタビューをして、差別が生み出される構造や根深さを浮かび上がらせている。

休憩を挟んで3時間25分もある作品だが、編集が行き届いていて長いとは感じない。元になった映像はこの何百倍もあるのだろう。

このドキュメンタリーの優れている点は、対立する人々や立場の異なる人々のそれぞれの意見をきちんと聞いていることだろう。例えば「鳥取ループ裁判」に関しても、原告の部落解放同盟の人々だけでなく、被告となった示現舎の宮部龍彦にも密着取材をしている。

また、結婚差別の問題にしても、差別を受けた側だけでなく、「結婚相手の身元調査をする。自分の子は部落の人とは結婚させない」と語る人からも話を聞いている。

何が正しくて何が間違っているかを性急に問うのではなく、監督自身も含め私たち一人一人がこの問題について深く知り、より良く考えるための手掛かりをたくさん示してくれる作品であった。

京都みなみ会館、205分。

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2022年07月04日

鈴木竹志歌集『聴雨』

 suzuki.jpg

2013年〜2021年の作品460首を収めた第3歌集。

冬枯れの畑に来たりて餌を探すつぐみに声をかけたくなりぬ
矢面に立つこと苦し大方の矢は避けたれどたまに避けえず
エアコンの風にやうやく慣れるころ秋風といふ天然ものが
元気よく優先席を目指しゆく老いの一人にわれもなりたり
本屋さんの棚に並びて背を見せて本のいのちが灯りはじめる
幸せがここにあるよといふ顔でクリームパンを食べゐるをみな
次々に黄色い帽子が乗り込みて教室となる朝の地下鉄
可動式書庫なれど本が溜まりてこの先は可動不可能にならむ
神保町巡ればうれし佳き本が目ざとくわれを見つけてくれる
わが母が好みて舐めしコーヒー飴買ふこともなしスーパーヤオスズ

1首目、餌の少ない時期なので、応援したい気持ちになるのだろう。
2首目、批判を受ける立場に立たされてしまう。結句に実感が滲む。
3首目、自然の涼しい風を食材に喩えている。「天然もの」がいい。
4首目、批判や皮肉かと思って読むと結句でユーモアに転じている。
5首目、本は書店に並んでこそという思い。本を愛する心を感じる。
6首目、美味しそうに食べる様子。見ている方も幸せな気分になる。
7首目、幼稚園で遠足にでも行くところか。車内の風景が一変する。
8首目、深刻な事態だが「可動不可能」が言葉遊びのようで面白い。
9首目、古本との出会いは一期一会。本が私を見つけてくれるのだ。
10首目、母の亡くなる時の歌。よく買って持って行ったのだろう。

本を愛する作者で、本のタイトルを詠み込んだ歌も多い。

『トリサンナイタ』『あやはべる』『青眉抄』『みだれ髪』『遠き橋』『忘路集』『山西省』『北窓集』『婦負野』『宮柊二歌集』『墨汁一滴』『流木』『落葉樹林』『四月の鷲』『群黎』『白秋のうた』『松本奎堂』『赤光』『曇り硝子』など。

2022年6月26日、六花書林、2500円。

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2022年07月03日

田中綾『非国民文学論』


明治以降の近代国民国家において「国民」の枠組みから疎外された人々(ハンセン病療養者、徴兵忌避者)、あるいは天皇や「女こども」の作品を通じて、国家と国民の関係や国民意識のあり方を描いた評論集。

国民国家の中核ではなく周縁の人々に焦点を当てることで、むしろ近代日本の姿が浮き彫りになる。その視点が非常に鮮やかだ。

近代短歌、とりわけ投稿短歌は、作者の名前とともに発表されるものとして定着していた。〈詠み人しらず〉ではなく、短歌が署名入りの文学だったことは、ハンセン病療養者にとっては特別な意味をもつことであった。
当時二十代半ばだった前川佐美雄は、「革命の短歌」であるプロレタリア短歌に引かれ、一方で「短歌の革命」ともいうべきモダニズム短歌にも引かれていた。
国家と戦時体制に背を向けて〈徴兵忌避者〉として生きることは、逆に身体的・精神的な不自由を引き受けることにもなり、家族など多くのものを犠牲にせざるをえないという逆説が伴っていた。

引用されている明石海人や伊藤保の歌が強く心に残る。ハンセン病療養歌人について、さらに深く知りたくなった。

2020年2月21日、青弓社、2400円。

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2022年07月02日

危機の時代の歌ごころ

7月3日(日)からNHKラジオ第2放送で、今野寿美さんの講座「危機の時代の歌ごころ」(全13回)が始まる。「君死にたまふことなかれ」、戦争、災害、公害、ハンセン病、原発、沖縄の基地、ハラスメントなど、様々な社会問題を詠んだ詩歌が取り上げられるとのこと。

放送後2か月間は「らじる★らじる」で聴くことができるので、聴き逃しても安心だ。

https://www4.nhk.or.jp/kokorowoyomu/x/2022-07-03/06/69717/3641925/

テキストも充実していて、お買い得な内容となっている。
A5判192ページ、本体800円。

https://www.nhk-book.co.jp/detail/000069110602022.html

posted by 松村正直 at 21:50| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年07月01日

第24回「あなたを想う恋のうた」作品募集

yousi_kojin_2023.jpg


第24回「あなたを想う恋のうた」(福井県越前市)の作品募集が始まりました。今年も審査員を務めます。

締切は10月31日(月)。投稿は無料で、最優秀賞(1首)10万円、優秀賞(3首)3万円、秀逸(10首)1万円、佳作(15首)5千円、入選(30首)QUOカード3千円という豪華な賞が出ます。

ネットからの応募もできますので、皆さんぜひ作品をお送りください。お待ちしています!

https://www.manyounosato.com/

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2022年06月29日

今後の予定

下記のイベント、歌会、カルチャー講座に参加します。
多くの方々とお会いできますように!

・ 7月23日(土)現代歌人集会春季大会(神戸)
 https://matsutanka.seesaa.net/article/487835749.html

・ 8月 6日(土)第2回別邸歌会(京都)
 https://matsutanka.seesaa.net/article/487756746.html

・ 8月12日(金)戦争の歌に関する企画(オンライン)

・ 8月27日(土)講座「啄木日記から見た短歌」(くずは)
 https://matsutanka.seesaa.net/article/488270405.html

・10月2日(日)第3回別邸歌会(滋賀)

・10月16日(日)国際啄木学会2022年度秋の大会(宮城)
「大正デモクラシー期の文学と思想―啄木・晶子・作造―」
 https://takuboku.jp/seminar/452/

・10月23日(日)文学フリマ福岡
・11月26日(土)『草に追はれて』を読む会(和歌山)
・12月11日(日)第4回別邸歌会(橿原)

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2022年06月28日

五十嵐大『ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと』


「コーダ」(CODA=Children of Deaf Adults 聴覚障害のある親に育てられた聴こえる子ども)である著者が、自らの小学生時代から現在までを振り返りつつ、母との関係を築き直すまでを描いたノンフィクション。

〈耳の聴こえない母が大嫌いだった。それでも彼女はぼくに「ありがとう」と言った。〉という帯文(初出のネット記事のタイトル)が強い印象を残す。

生まれつき耳が聴こえないお母さんに育てられているだなんて、誰にも知られたくなかった。とにかく恥ずかしい、とさえ思っていた。

先月、映画「コーダ あいのうた」を観て「コーダ」のことを知った。著者も20歳代半ばで初めて「コーダ」という言葉に出会う。

衝撃的だった。自分のような生い立ちの人間をカテゴライズする言葉があるなんて、考えたこともなかったからだ。同時に、胸中に不思議な安堵感が広がっていく。
コーダは「聴こえない親を守りたい」という肯定的な気持ちと、「聴こえない親なんて嫌だ」という否定的な気持ちとの狭間で大きく揺れ動くこと。(…)自身の境遇を「可哀想」とは思っていないのに、社会からの偏見により半ば強制的に可哀想な子ども≠ノされてしまうこと。

とても良い本だった。自分の行動や心情をここまで客観的に描けるようになるまでには、相当な時間がかかったにちがいない。家族が家族であるためには、そうした努力が必要なのである。

2021年2月10日、幻冬舎、1400円。

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2022年06月26日

第1回別邸歌会

本日、第1回別邸歌会を行いました。会場は姫路文学館の望景亭。

参加者は15名。20歳代から70歳代までの幅広い年齢層の方々が、和歌山、奈良、京都、大阪、兵庫、岡山、香川から集まって下さいました。ありがとうございます。

一人2首の計30首を、13:00〜17:00の4時間かけてみっちり批評し合いました。歌会は初めての方もおられましたが、皆さんどしどし発言して中身の濃い歌会でした。

望景亭も素敵な建物で、皆さん歌会前や休憩時間に和室や茶室、お庭などを見学していました。

第2回別邸歌会は、8月6日(日)に旧三井家下鴨別邸(京都)で行います。どなたでもお気軽にご参加ください。お待ちしております!


 「別邸歌会」チラシ.jpg

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2022年06月25日

いとうせいこう・みうらじゅん『見仏記 道草篇』


シリーズ第8弾。2019年にKADOKAWAから刊行された単行本の文庫化。

訪問先は、長野(善光寺など)、群馬(慈眼院など)、大分(熊野磨崖仏など)、青森(恐山菩提寺など)、中国四川省(華厳時など)。

1992年から始まったこの仏像見物紀行も、気づけば30年を迎えた。旅する2人だけでなく、読む私もそれだけ年を取ったということだ。

左折し、民家が固まっている狭い山道を抜けると、じきに達磨寺へ到着した。
ゴーンと急に鐘の音がした。
むしろあたりが静かになった気がした。
みうらさんも言った。
「今、すべてが消えた」
「まさに円空。これ、滞在期間長いね」
みうらさんが言った。確かにいわゆる木っ端仏でなく、ある程度腰をすえて作ったものだった。仏像の作りがそのまま円空のいた時間をあらわすというのは慧眼だ。いずれ円空という時間単位になるかもしれない。

2人の名コンビぶりは変わらない。天才みうらの呟きを、いとうが鮮やかに理論化していく。

「道草篇」と名付けただけあって、何と寺や仏像を鑑賞しない回まである!中国四川省のジャイアントパンダ繁殖基地を見物して終わり。

この調子でどんどん自由に続けていってほしい。

2022年4月25日、角川文庫、660円。

posted by 松村正直 at 17:23| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月24日

オンライン講座「短歌のコツ」

NHK学園のオンライン講座「短歌のコツ」が来月から新しいクールに入ります。現在、受講生を募集中です。

毎月第4木曜日の19:30〜20:45の75分間。前半に秀歌鑑賞、後半に1人一首の批評・添削をします。

お申込みは3か月ごとです。前期が7/28,8/25,9/22、後期が10/27,11/24,12/22になります。

https://college.coeteco.jp/live/84kycnqm
https://college.coeteco.jp/live/8676cxww

よろしくお願いします。
posted by 松村正直 at 23:03| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月23日

講座「啄木日記から見た短歌」

8月27日(土)に朝日カルチャーセンターくずは教室で「啄木日記から見た短歌」という講座を行います。時間は13:00〜14:30。

啄木の日記は読み物としても面白くすぐれた日記文学だと思います。教室受講とオンライン受講の両方ありますので、関心のある方はぜひご参加下さい。

【教室受講】
https://www.asahiculture.jp/course/kuzuha/2a607214-6ffc-c1e6-31e2-6257d8c59df4

【オンライン受講】
https://www.asahiculture.jp/course/kuzuha/ad7c6aca-05a5-a88c-7b5d-6257d9b4ca63

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2022年06月22日

片岡絢歌集『カノープス燃ゆ』


「コスモス」「COCOON」所属の作者の475首を収めた第2歌集。
近眼のしづかな少女だつたから雨が降る日は雨と話せた
友人の涙こらふる目を見たり星座のやうに誰もが孤り
マフラーを巻いたら足が見えなくて顔から上が歩く感じす
「えべれすと。仕事の量が、えべれすと」呟きながら歩く同僚
ぬるま湯のやうなあなたのてのひらがうなじにあれば私はうなじ
昼食の稲庭うどん橙や赤が見たくて七味を振りぬ
胎児よりあなたの体が心配と母は言ひたり母のみ言ひたり
絶叫が陣痛室にこだまする はじめて聞いたわれの絶叫
産院の授乳室の灯ひそやかに二十四時間消えることなし
幼児にも玩具は玩具でしかなくて触りたいのは財布とスマホ
スーパーで時々見かける泣き喚く子は、本日は私の子です
数人が死ねばただちに孤児となる子と歩きをり地球の上を

1首目、口数が少なく内向的で雨の日の方が居心地が良かったのだ。
2首目、星座は集団のように見えるけれど実は星の位置はばらばら。
3首目、下句がおもしろい。自分の足先が見えなくて不安定な感じ。
4首目、「えべれすと」のひらがな表記に少し壊れた雰囲気がある。
5首目、全神経がうなじに集中している。ひらがなの多用も効果的。
6首目、七味唐辛子を入れるのは味ではなく色の問題だという発見。
7首目、母以外はそうではないのだ。みんな胎児へと関心が向かう。
8首目、日常において絶叫する機会はない。自分の声に自分で驚く。
9首目、赤子への授乳は昼夜を問わない。それが家に帰っても続く。
10首目、触って欲しくないものに限って興味を示し触ろうとする。
11首目、よその子であれば可愛いなと思うが自分の子だと大変だ。
12首目、子どものためにも私は死ねないという思いが湧いてくる。

2022年5月14日、六花書林、2500円。

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2022年06月21日

映画「東京2020オリンピック SIDE:A」

総監督:河瀬直美

東京オリンピックの公式映画として製作されたドキュメンタリー2部作の第1作。平日の 9:10 の回ということもあってか、観客は私一人であった。

毀誉褒貶の激しい作品だが、過不足なくまとまっているという印象を受けた。オリンピック開催に反対する人々や新型コロナの医療現場などにも目配りしている。

幼児を連れて参加したカナダの女子バスケ選手、大会の1年延期によって引退した日本の女子バスケ選手、内戦の続くシリアを脱出してドイツで練習する男子水泳選手、黒人差別に声を上げるアメリカの女子ハンマー投げの選手、イランから亡命してモンゴル代表になった男子柔道選手、旧ソ連・ドイツの代表を経て8度目のオリンピック出場となるウズベキスタンの女子体操の選手など。

様々な社会問題と絡めつつ、一人一人の選手のエピソードをまとめている。そのあたりの手際の良さが、逆にもの足りなさを感じさせるのだけれども。

Tジョイ京都、120分。

posted by 松村正直 at 21:34| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月20日

吉田博『高山の美を語る』


1931年に実業之日本社から刊行された単行本の文庫化。原著の口絵や挿画のほか「日本アルプス十二題」などがカラーの口絵で収録されている。

明治から昭和にかけての風景画を描き、新版画の制作でも知られる著者だが、登山の経歴も本格的だ。富士山や日本アルプスをはじめ、海外のロッキー、アルプス、ヒマラヤにも登りに出掛けている。

登山と画(え)とは、今では私の生活から切り離すことのできないものとなっている。画は私の本業であるが、その題材として、山のさまざまな風景ほど、私の心を惹きつけるものはない。
山には歩き方がある。歩き方一つでどんな人でも一万尺の高峰に登ることができる。(…)面白いのは下山の時にすっかり参ってしまっている男は、きまって登山の時には最も元気だったものに限るようである。
瑞西のアルプスでは、世に名だたる名山と、その反対にごく平凡な山との両方に鉄道が通じている。平凡な山というのは、なかなか面白い思いつきで、その目的とするところは、山それ自身は鑑賞の価値に乏しくとも、つまりその山の高い部分から、相対する名山を眺望しようというのである。

山登りに関する話がおもしろい。山の風景がほんとうに好きなんだなと思う。吉田博の文章をもっと読んでみたくなった。

2021年8月1日、ヤマケイ文庫、990円。

posted by 松村正直 at 22:01| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月19日

土井善晴『一汁一菜でよいと至るまで』


料理研究家の著者が、家庭料理は「一汁一菜でよい」という理念にたどり着くまでの道のりを記した本。

若き日のフランスや日本の料亭での修業、父の料理学校の手伝い、父から引き継いだテレビの仕事、レストランのプロデュースや商品開発といった様々な経験を経て、家庭料理の価値を見出していく。

調理場や道具をきれいに手入れしておけば、不思議なことに、仕事に追い込まれた時に道具が味方してくれ、自分(の仕事)を守ってくれていると感じるのです。
毎度「○○を入れてもいいんですか」と確認されます。味噌汁に入れたくないものはあっても、味噌汁に入れていけないものなんてありません。それが味噌汁の凄さです。
料理の決まり事の多くはハレの日のために洗練されたプロの仕事です。ハレの日やプロの仕事が日常の暮らしに入りこんでしまったから料理が「面倒なもの」になったのです。そんな箍はすべて外せばいい。
一人暮らしでも、自分でお料理して食べてください。そうすれば、いつのまにか、自分を大切にすることができるようになっています。

私たちの体は食べたものからできている。食べることは生きることの基本であり、もともと料理は楽しいことなのだ。そんな当り前の事実に気付かせてくれる一冊であった。

2022年5月20日、新潮新書、820円。

posted by 松村正直 at 17:42| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月18日

もうすぐ第1回別邸歌会(姫路)

「別邸歌会」チラシ.jpg


6月26日(日)に第1回別邸歌会を行います。

会場は姫路文学館の「望景亭」。今のところ参加者は11名。まだまだ申込み受付中です。お問合せ、お申込みは松村のメールまたはTwitterのDMまで。歌会は初めてという方も、初対面の方も、みなさん大歓迎です!

望景亭(旧濱本家住宅)は大正5年から昭和4年にかけての建築で、国の登録有形文化財に指定されています。歌会を行う洋間は新たに増築されたものですが、大正期の和室・茶室・廊下なども自由に見学することができて見応え十分です。

姫路文学館の常設展(310円)には、安田青風、安田章生、初井しづ枝、岸上大作などの歌人の展示もあります。初井しづ枝が暮らした「初井家住宅」も、非公開ですが姫路城の近くに残っています。

観光も兼ねて、ぜひ姫路までお越しください。

posted by 松村正直 at 10:25| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月17日

えきそば

6月26日(日)に姫路文学館の望景亭で歌会をするので、その下見に行ってきた。京都から姫路まで新快速で約1時間30分。

文学館の常設展を見て、事務所の担当の方と話をして、姫路の町をしばらくぶらぶら歩く。

帰りに駅のホームで見かけた「えきそば」。


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姫路の名物の「まねきのえきそば」。

一般的な駅そばとは違う。スタイルは一般的な立ち食いそばだが、蕎麦ではなく中華麺を使っている。

https://www.maneki-co.com/ekisoba/

天ぷらえきそば390円を、平日14:00〜17:00のタイムサービス350円でいただいた。1949年誕生の「えきそば」。これからも長く続いていってほしい。

posted by 松村正直 at 08:15| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする