2014年08月30日

「紅葉の万博公園で短歌を詠む」

11月6日(木)にJEUGIAカルチャーの一日講座として「紅葉の万博公園で短歌を詠む」という吟行を行います。大阪の万博公園を散策して歌を詠み、昼食を食べた後に批評や添削を行うという内容です。申込み締切は10月30日、定員20名。詳しくは下記のページをご覧ください。

http://culture.jeugia.co.jp/lesson_detail_17-15703.html?PHPSESSID=velk1kjh16387uhj9rnv4vqam6

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2014年08月27日

JR奈良線

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わが家の最寄りの踏切から見たJR奈良線(奈良方面)。
京都と奈良を結ぶJR奈良線は、京都―東福寺―稲荷―JR藤森を過ぎると単線になる。息子が小さかった頃はよくこの踏切に来て、電車を見せていたものだ。

日常よく使うJR藤森駅も1997年に新しくできた駅である。
京都に住み始めたのが2001年なので、当時は本当にできたばかりという感じで、駅の周辺にも畑や雑木林が広がっていた。今ではだいぶアパートや家が建ち並んできたけれども。

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2014年08月24日

塔60周年記念全国大会 in 京都

・ダンボール13箱分のバックナンバーを家と事務所から運び込んで無料配布。

・懇親会の藤田邦統さんのお話が良かった。初めて聞くエピソードあり。

・3次会の店はとりあえず30〜40名で予約していたのだが、39名が参加。
 3次会まで来ると圧倒的に若い人が多い。

・京都新聞の夕刊に記者会見の記事が大きく載る。
   http://www.kyoto-np.co.jp/sightseeing/article/20140823000062

・大会が無事に終ってホテルから帰ろうとしたら大雨。


 
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2014年08月20日

書籍販売

8月23日(土)に行われる「塔」60周年記念全国大会の公開シンポジウム「言葉への信頼と危機」には、会員と一般の方あわせて800名が参加される予定です。

当日はロビーにて、角川書店、短歌研究社、本阿弥書店、青磁社など、各出版社による書籍販売も行われます。六花書林さんも東京から来て、私の本を売って下さいます。

 ・評論集 『短歌は記憶する』 (2010年)
 ・評伝 『高安国世の手紙』 (2013年)
 ・歌集 『午前3時を過ぎて』 (2014年)

まだお持ちでない方は、どうぞこの機会にお買い求めください。

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2014年08月19日

ヘリオトロープ

伊藤一彦歌集『海号の歌』の中に、こんな一首があった。

細りたる心いくたびも嗅ぎにけりヘリオトロープの甘き花の香

「ヘリオトロープ」と言えば、もちろん伊藤の代表歌でもある

啄木をころしし東京いまもなほヘリオトロープの花よりくらき
              『火の橘』

を思い出す。東京に対する憧れと屈折した思いを感じさせる内容で、明治時代から続く「ふるさと」と「東京」の二項対立を鮮やかに描き出している。

この歌の背景にあるのは、夏目漱石の『三四郎』ではないだろうか。九州の田舎から東京に出て来た三四郎は都会的な美禰子に憧れるが、その美彌子が三四郎の薦めるままに買ったのがヘリオトロープの香水であった。そして、その香水は小説の終り近くでもう一回登場する。

「ヘリオトロープ」と女が静かに言った。三四郎は思わず顔をあとへ引いた。ヘリオトロープの罎(びん)。四丁目の夕暮。迷羊(ストレイ・シープ)。迷羊(ストレイ・シープ)。空には高い日が明らかにかかる。

「ヘリオトロープ」の甘い香りは、美彌子の魅力とともに東京の華やかさとも分かちがたく結び付いている。そのイメージが伊藤の歌にもつながっているように感じるのだ。

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2014年08月17日

「続 いま、社会詠は」のこと

6月7日に大阪で行われたクロストーク短歌「続 いま、社会詠は」のことを、下記の時評で取り上げていただきました。

・澤村斉美「非力な歌を読みたい」(「短歌研究」8月号)
・大森静佳「彫りの深い〈私〉を束ねて」(「塔」8月号)
・石川美南「照り返されるということそれぞれの、三年」(「現代短歌」9月号)

ありがとうございます。

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2014年08月10日

お墓参り

朝から台風による雨風が、激しくなったり弱まったりを繰り返す。
午後3時過ぎ、雨風もだいぶ落ち着いてきたので、東山浄苑へお墓参りに出掛ける。鴨川の水が溢れそうなほどに波打っているのが見えた。

お墓参りを無事に済ませて、夕方からは新都ホテルに親類が集まって食事。
ここは今年の「塔」の全国大会の会場となるところ。
気が付けば、大会までもう2週間を切っている。


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2014年08月05日

座談会「編集部、この十年」

「塔」2014年4月号 (創刊60周年記念号) に掲載された座談会 「編集部、この十年 ―上り坂の向こうに―」 が塔のホームページにアップされました。
http://www.toutankakai.com/cp-bin/kaihouarchive/index.php?eid=27

司会:荻原伸
参加者:松村正直、永田淳、江戸雪、藤田千鶴、なみの亜子

結社の運営や結社誌の編集について、楽しいことも辛いことも、かなり率直に語っています。皆さん、どうぞお読みください。

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2014年08月04日

坂道と駅

私が住む集合住宅は小高い山の中腹に立っている。家の前の坂道を下っていくと、10分ほどで京阪電車の「墨染駅」に出る。駅のあたりは古くからの商店街になっていて、電車に乗る時やお店で買い物をする時は、いつもこの坂道を上り下りする。

ゆるやかに蛇行した坂道を上り下りするのは楽しい。坂の途中には交番があって、今の季節ならそのわきにさるすべりが咲いている。私の通う昔ながらの床屋さんもこの坂道にある。夜の坂道を上っていくと、坂の向こうに大きな満月が顔を出すこともある。

私が生まれ育った町(東京都町田市玉川学園)も、X字の谷底を小田急線が走っていて、家から最寄りの「玉川学園前駅」に行くには、坂道や階段を上り下りするのであった。玉川学園を離れてもう20年になるけれど、時々その頃のことを思い出したりする。


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2014年07月21日

扇風機

毎年エアコンを使わない生活をしているので、夏は扇風機だけが頼りである。
2台の扇風機を3部屋で使っていたのだが、人が移動するたびに扇風機も持ってきたりして、なかなか面倒であった。

そこで、思い切ってもう1台買おう!ということになり、早速購入。
お値段980円。
よく見ると、3台とも同じメーカー(YAMAZEN)の扇風機だ。

これで、1部屋=1台の快適な生活が始まる。

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2014年07月19日

現代歌人集会春季大会

今日は13:00から神戸市教育会館にて、現代歌人集会の春季大会。
神戸に行くのは久しぶり。
白いサルスベリの並木があって、きれいな花を咲かせている。

会場は6階の大ホール。
受付横の窓から見える建物の屋上に、金ピカの布袋さんらしき像が立っているのが見える。とても気になるのだが、今日は見に行くわけにもいかない。

大会テーマが「俳句―近くて遠い詩型」ということもあって、歌人だけでなく、俳人や詩人の方もいらっしゃって、参加者は約140名。レジュメのコピーが足りなくなるほどの盛況であった。

17:00に終了。
群愛飯店という中華料理屋で夕食を食べて帰る。
楽しい一日だった。


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2014年07月06日

『午前3時を過ぎて』について

大松達知さんに「現代短歌新聞」7月号で書評をお書きいただきました。
「諦念、いや抱擁。」という題です。

また、俵万智さんに「週刊新潮」7月10日号の「新々句歌歳時記」で、
〈優越感のごときものあり知る者が知らざる者に伝えるときの〉の一首を
取り上げていただきました。

また、西巻真さんに「詩客」7月5日号の短歌時評で、大松さんの歌集と
一緒に取り上げていただきました。「生活の引き受け方」という題です。

ありがとうございます。

歌集『午前3時を過ぎて』(六花書林、2500円)のご注文は、
松村(masanao-m@m7.dion.ne.jp)または六花書林までお願いします。


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2014年06月30日

水無月

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京都では、6月30日に「水無月」という和菓子を食べる習慣がある。
小豆の載った外郎(ういろう)のようなもので、三角に切ってあり、今日は地下鉄の駅などでも販売されていた。

写真は、通常の白いものと、抹茶味、黒糖味の3種類。

水無月に水無月食べるならわしの京都にありていつよりのこと
                 『午前3時を過ぎて』

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2014年06月29日

朝顔

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ベランダで育てている朝顔が咲き始めた。
朝、窓を開けると花が咲いている。
それだけで、良い一日になりそうな気がする。

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2014年06月27日

現代歌人集会春季大会のお知らせ

現代歌人集会(西日本を中心とした歌人団体)の春季大会のお知らせです。
どなたでも参加できますので、皆さんどうぞお越しください。
当日の参加もOKです。

日時 7月19日(土)午後1時〜5時 (開場12時)
場所 神戸市教育会館
   ・JR・阪神「元町」駅(東口)より徒歩10分
   ・市営地下鉄「県庁前」駅(東1番出口)より徒歩5分
   ・阪急「三宮」駅(西口)より徒歩15分

大会テーマ「俳句―近くて遠い詩型」

基調講演 大辻隆弘
講演 高橋睦郎
パネルディスカッション 塩見恵介、大森静佳、荻原裕幸、魚村晋太郎

総合司会 松村正直
閉会の辞 林 和清

参加費 2000円(当日受付にてお支払い下さい。当日の参加もOK)


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2014年06月22日

読売新聞「四季」

今日の読売新聞朝刊の長谷川櫂さんの詩歌コラム「四季」に、
『午前3時を過ぎて』の一首を取り上げていただきました。

 地下鉄の車両に乗りて現れるおのれの顔と向き合いており

ありがとうございます。


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2014年06月21日

八頭高校の授業風景

先日行った短歌の授業のことが、鳥取県立八頭高等学校のホームページで
紹介されています。

http://cmsweb2.torikyo.ed.jp/yazu-h/index.php?key=joldcx0li-62#_62

「続きを読む」をクリックすると、写真も載っています。
ホワイトボードに下手な絵が描いてあるのも、ばっちり写ってます。


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2014年06月16日

誤記訂正

6月12、14日の日記の梶原さい子さんの歌集名と6月15日の栗木京子さんのお名前に間違いがありました。すみません。

読者の方からのご指摘を受けて気づき、訂正しました。
ありがとうございます。


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2014年06月15日

公開シンポジウム

塔60周年記念全国大会の初日は、一般公開のシンポジウムです。
今年は「言葉への信頼と危機」をテーマに、高野公彦さんの講演と、鷲田清一さん×内田樹さん×永田和宏の鼎談を行います。
皆さん、どうぞご参加下さい。(事前の参加申込みが必要となります。)

日時 8月23日(土) 13:00〜17:00(12:00開場)
場所 新・都ホテル *JR京都駅八条口徒歩5分
プログラム
 13:00〜13:10
   開会挨拶 永田和宏
 13:10〜14:30
   講演 高野公彦「明確と曖昧のはざま」
 14:30〜14:50
   休憩
 14:50〜16:50
   鼎談 鷲田清一×内田樹×永田和宏「言葉の危機的状況をめぐって」
 16:50〜17:00
   閉会挨拶 栗木京子

会費 一般2000円、学生1000円(学生証をお持ち下さい)
問い合わせ TEL 075−705−2838(青磁社内 永田)

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2014年06月10日

Roger Federer through glass

フェデラーがグーグルグラスを掛けてテニスをする動画が、ユーチューブに公開されている。
http://www.youtube.com/watch?v=9Eabp3Jpy-I

フェデラーの視点と、通常のカメラの視点がまじるのだが、その違いが面白い。
フェデラーの視点は画面が揺れたりして臨場感が抜群であるのに対して、通常のカメラの視点は全体を見られるのでわかりやすい。

短歌がリアルになるか、説明的なものになるかの違いも、たぶんここにヒントがあるのだろう。


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2014年06月05日

現代歌人集会春季大会のお知らせ

7月に現代歌人集会(西日本を中心とした歌人団体)の春季大会が開かれます。
どなたでも参加できますので、皆さんどうぞお越しください。

日時 7月19日(土)午後1時〜5時 (開場12時)
場所 神戸市教育会館
   ・JR・阪神「元町」駅(東口)より徒歩10分
   ・市営地下鉄「県庁前」駅(東1番出口)より徒歩5分
   ・阪急「三宮」駅(西口)より徒歩15分

大会テーマ「俳句―近くて遠い詩型」

基調講演 大辻隆弘
講演 高橋睦郎
パネルディスカッション 塩見恵介、大森静佳、荻原裕幸、魚村晋太郎

総合司会 松村正直
閉会の辞 林 和清

参加費 2000円(当日受付にてお支払い下さい。当日の参加もOK)

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2014年05月29日

滋賀県立図書館

調べものがあって、滋賀県立図書館へ。
JR瀬田駅からバスで10分くらいの「びわこ文化公園」の中にある。
とにかく広くて緑がいっぱいの場所だ。

この図書館は、京都や大阪の図書館にもない本や資料がたくさんあって、かなり充実している。ただし、滋賀県に住んでいるか、通勤・通学している人でないと、貸出はしてくれない。まあ、県立の図書館なので、それは仕方がないのだろう。

2時間ほどで調べものを終えて、その後、隣りにある滋賀県立近代美術館へ。
初めてなので常設展だけを見る。地元出身の小倉遊亀のコレクションが有名なようで、専用のコーナーがあった。

現代美術の展示のところに、北辻良央の「桜・贈物」というオブジェがある。
この名前はもしかして、と思ったら、やはり北辻さんのお父さんであった。
以前、柳澤美晴さんの歌集『一匙の海』の表紙に作品が載っていた。

他にも、若林奮「ゆりの樹による集中的な作業・ゆりの樹の一枝」、西村陽平「時間と記憶」、柳幸典「Study for American Art -192 One-Dollar Bills-」など、注目作が多い。

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2014年05月23日

「本郷短歌」第三号の注文

毎日新聞の「短歌月評」で取り上げた「本郷短歌」第三号ですが、メールで注文を受け付けているようです。
http://hontansince2006.blog76.fc2.com/blog-entry-77.html

送料込みで1冊600円。
作品・評論ともに充実していて、お薦めです。

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2014年05月19日

短歌月評「ジェンダーと選考」

先月から月に1回(第3月曜日)、毎日新聞に「短歌月評」を書いています。

今日は、「本郷短歌」第三号の服部恵典さんの評論「「歌人」という男―新人賞選考座談会批判」を取り上げました。これは広く話題になって欲しい、注目すべき内容の評論です。

ぜひ、僕の文章だけでなく、元になった服部さんの文章をお読みいただければと思います。


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2014年05月18日

歌集『午前3時を過ぎて』について

歌集『午前3時を過ぎて』について、近藤かすみさんがブログ「気まぐれ徒然かすみ草」で、鑑賞を書いて下さいました。
http://blog.goo.ne.jp/casuminn/e/fc4b1a620a1fc193fcb4ebbef
18a69d7


また、ブログ「暦日夕焼け通信」でもご紹介いただいています。
http://rekijitsu.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/3-caae.html

ありがとうございます。

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2014年05月14日

オシムの提言

サッカーW杯に出場する日本代表23名が決まったことについて、かつて日本代表監督を務めたオシムがコメントしている。
http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2014/05/13/kiji/
K20140513008151760.html


オシムの言葉はユーモアやウィットに富んでいて、いつも面白い。

私はかつて遠藤に、もっと走り、相手にとって危険な地域に飛び出すように何度も注文した。チーム最年長だが、まだ年金を受け取るには早すぎるだろう。

「年金を受け取るには早過ぎる」は、ベテランだからと言ってのんびりせず、ハードワークしなくてはいけないということだろう。

いつも強調していることだが、1人だけで無理しようとせず、周囲とのスピーディーなコンビネーションを心掛けるべきだ。相手のDFとレスリングをしていると時間がかかり、味方の攻撃の機会がなくなってしまう。

これは本田についての発言。
「相手のDFとレスリングしていると」が面白い。一人で突破しようとしてボールを持ったまま相手DFと駆け引きしていると、といった意味だろう。それを「レスリング」に喩えているのがうまい。

香川は今季、あまり出場機会に恵まれなかったが、プレーの仕方を忘れたわけではないだろう。イングランドでもドイツでも、他にはいないタイプのプレーメーカーで、モダンな選手だ。自分が香川であることを思い出し、W杯で思いきりプレーしてもらいたい。

「自分が香川であることを思い出し」がすごい。普通に言えば「自分本来のプレースタイルを忘れずに、自信を持って」といった感じになるところだ。それを「自分が香川であることを思い出し」とコンパクトに言っている。その分、香川の持つ力に対する信頼感がしっかりと伝わってくる。

こうしたちょっと不思議な言い回しの日本語は、おそらく翻訳の問題ではなく、表現の問題なのだろう。それは、どこかで短歌にも通じる話なのだと思う。

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村山常雄さん逝去

「シベリア抑留死亡者名簿」を作成された村山常雄さんが、5月11日、88歳でお亡くなりになった。70歳を過ぎてから始めたこの名簿の作成は、他の誰にも真似できない価値のある仕事だと思う。

ご冥福をお祈りします。

http://mainichi.jp/select/news/20140512k0000m040069000c.html


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2014年05月13日

『午前3時を過ぎて』について

岩尾淳子さんがブログ「眠れない島」で、『午前3時を過ぎて』の書評を書いて下さいました。
http://blogs.yahoo.co.jp/picojunkomist/11691582.html

5月12日の砂子屋書房「日々のクオリア」で、前田康子さんが『午前3時を過ぎて』の歌を取り上げて鑑賞して下さっています。
http://www.sunagoya.com/tanka/?p=12272

ありがとうございます。

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2014年05月07日

第3歌集 『午前3時を過ぎて』 刊行

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第3歌集『午前3時を過ぎて』を刊行しました。
8年ぶりの歌集になります。

四六判、232ページ、555首、六花書林。
定価は2500円(税別)です。

ご注文は、松村(masanao-m@m7.dion.ne.jp)または
六花書林までお願いします。

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2014年05月02日

畳の部屋に座卓を置いてパソコンを使ったり原稿を書いたりしていたのだが、どうも腰に負担が大きい。またギックリ腰になったら大変だ。

この機会に机と椅子の生活に変えようと、家具店やホームセンターに探しに行ったのだが、適当な机が見つからない。いまさら子ども用の学習机を買うわけにもいかず、困った。

結局、ニトリで60×100センチの天板と金属製の脚を4本購入する。組み立て時間、わずか5分。値段も5000円程度で済み、使い勝手も良い。これで今日からは快適な毎日が送れそうだ。


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2014年04月26日

現代歌人集会春季大会

西日本を中心とした歌人団体「現代歌人集会」では、毎年春と秋の2回大会を開き、短歌関係の講演やパネルディスカッションを行っています。

今年の春季大会の内容は下記の通りです。一般の方も参加できますので、皆さんぜひお越しください。当日参加も受け付けております。

日 時 7月19日(土) 午後1時〜5時 (開場12時)
場 所 神戸市教育会館
   ・JR・阪神「元町」駅(東口)より徒歩10分
   ・市営地下鉄「県庁前」駅(東1番出口)より徒歩5分
   ・阪急「三宮」駅(西口)より徒歩15分

大会テーマ「俳句―近くて遠い詩型」

基調講演 大辻隆弘
講 演 高橋睦郎
パネルディスカッション 塩見恵介、大森静佳、荻原裕幸、魚村晋太郎

総合司会 松村正直
閉会の辞 林 和清

参加費 2000円(当日受付にてお支払い下さい。当日の参加もOK)
お申込み 永田 淳 seijisya@osk3.3web.ne.jp

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2014年04月22日

掲載情報

現在発売中の短歌雑誌の5月号に、下記の原稿を書いています。

・「新島」(燃島)10首 (「短歌往来」5月号)
・「出口王仁三郎と山火事(2)」 (「短歌往来」5月号)
・山崎方代の短歌鑑賞「釘の歌」 (「現代短歌」5月号)
・歌壇時評「物語の有無を超えて」 (角川「短歌」5月号)

どうぞ、お読みください。

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2014年04月21日

毎日新聞 「短歌月評」

今月から、月に1回、毎日新聞の歌壇・俳壇欄に「短歌月評」を執筆します。
掲載は毎月第3月曜日です。

本日がその第1回目。
「小高賢の言葉」という題で書きました。

皆さん、どうぞお読みください。

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2014年04月12日

シベリア抑留

最近、「シベリア抑留死亡者名簿」(村山常雄編・著)がネットで公開されていることを知った。シベリア抑留で亡くなった方のうち、実に46303名の氏名・生年・階級・死亡年月日・地域・埋葬地などが掲載されている。

シベリア抑留と言えば、窪田空穂が次男の茂二郎を詠んだ長歌「捕虜の死」(歌集『冬木原』所収)が有名であるが、ここでは兄の窪田章一郎の歌を見てみよう。歌集『ちまたの響き』から、まずは復員を待っている時期の歌。

ひそやかに兵の復員つづく故わが弟(おとと)待つ今日は明日はと
一等兵窪田茂二郎いづこなりや戦(いくさ)敗れて行方知らずも

その後、茂二郎がシベリアで亡くなったことが伝えられる。

弟の臨終(いまは)みとりし若き友も還り来る船の中に果てたり
シベリヤの捕虜の臨終(いまは)は想像をこえて知り得ずしらざるがよき

「弟は終戦直前に北支から満洲に移駐し、南新京で八月十五日を迎へた。十月ソ連に移され、翌年二月十日病死した。場所はバイカル湖の北、チェレンホーボという、流刑囚のおくられる炭鉱であつた。戦友の一人が復員して、はじめて知ることの出来たのは、二十二年五月であつた。」

戦争の終るに命生きたりし弟を救ふすべなかりしか
発疹チフス数千(すせん)が病みてあへなくも死にし一人と数へられけむ

先の「シベリア抑留死亡者名簿」を検索すると、窪田茂二郎の名前が見つかる。
http://yokuryu.huu.cc/meiboa-n-07-2.html

これによると、茂二郎は1917年生まれで、1946年2月4日にイルクーツク州の第31地区(チェレンホーヴォ)で亡くなり、チェレンホーヴォの東13キロにある第8支部フラムツォフカ村に埋葬されていることがわかる。

空穂や章一郎に伝えられた命日は2月10日であったが、おそらく名簿に記録された2月4日の方が正しいのだろう。

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2014年04月11日

掲載情報など

今月号の短歌雑誌に下記の作品などを発表しました。

・作品「家まで帰る」5首(「うた新聞」4月号)
・連載「出口王仁三郎と山火事(1)」(「短歌往来」4月号)
・時評「大黒座、『海港』、結社」(角川「短歌」4月号)
・「農耕馬、軍場、言葉の馬」(「歌壇」4月号)

また、今月から月に1回、毎日新聞の短歌月評を担当します。
毎月第3月曜日掲載で、初回は4月21日になります。

あと、4月26日に郡上市で行われる「古今伝授の里短歌大会」に選者の一人として参加します。お近くにお住まいの方は、どうぞ会場にお越しください。
詳細はこちら
http://www.n-gaku.jp/life/competition/etc/docs/2014gujyou_tanka.pdf

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2014年04月02日

8年間

この8年間、夏休みや正月に山梨の家へ行くたびに、塚原さんには車であちこち連れて行ってもらった。息子の喜びそうな場所は、ほとんど行っただろう。

四尾連湖
湯之奥金山博物館
富士川クラフトパーク
富岳風穴、鳴沢氷穴、西湖コウモリ穴
本栖湖、河口湖
富士サファリパーク
身延山
富士川ラフティング
南部の火祭り

楽しかった思い出がいくつもある。
私は最後まで「塚原さん」としか呼ばなかったが、息子は「山梨のおじいちゃん」と呼んで慕っていた。それを、せめてもの慰めのように、いま思い返している。

posted by 松村正直 at 00:20| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月01日

葬儀

葬儀はホールやお寺ではなく、山梨県身延町の自宅で行った。
8年前に田舎暮らしがしたいと言って東京から移り住んだ家である。

自宅葬ということで、まずは部屋の整理や片付けから始める。
これが、なかなか大変であった。
テーブルや椅子を運んだり、ベッドを移動したり、障子や襖を外したりする。

葬儀の準備や当日の受付など、多くのことを地元の組(自治会)の方々が行って下さった。親切な方ばかりで、本当に頭の下がる思いがする。田舎暮らしというのは、ただ環境が良い所に住むというのではなく、こうした地域の方々の暮らしの中へ入っていくことなのだと実感した。

通夜、告別式、初七日を済ませて、後片付け。
忙しい3日間であったが、自宅葬で送ることができて本当に良かったと思う。

posted by 松村正直 at 06:29| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月31日

富士山

  20140328084446.jpg

育ての親にあたる人の見舞いに行く予定だったのだが、間に合わず、
葬儀へと向かう。よく晴れて富士山がくっきりと見える日。

25年間の付き合いであった。

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2014年03月24日

次号予告

角川「短歌」の次号(5月号)予告に

特別企画 永井陽子
 ―高校生時代の未発表歌、小説、詩
    小池光、小塩卓哉

とある。これは楽しみ。
永井さんが亡くなってから、もう14年になるが、こうして初期の作品が発掘されて、研究が進むのは嬉しいことだ。

4月号は定価の表示がおもしろい。

本体 861円
定価 904円(〜3/31 税込5%)
    930円(4/1〜  税込8%)

となっている。
消費税が上がるのも、もう間近だ。

posted by 松村正直 at 10:38| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月21日

卒業式

IMG_3643.JPG

昨日は、息子の小学校の卒業式。
良い先生、良い友達、そして良い環境に恵まれた6年間だった。
お城のすぐ近くに建つ小学校とも、これでお別れである。

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2014年03月19日

「続 いま、社会詠は」

6月7日(土)に、下記のイベントに出演します。
皆さん、どうぞご参加ください。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
クロストーク短歌
「続 いま、社会詠は」

 インターネット上で起きた社会詠論争をきっかけに、2007年2月4日、「いま、社会詠は」というシンポジウムが、京都で行われました。
 小高賢・大辻隆弘・吉川宏志・松村正直(司会)というメンバーを中心に、熱い議論が繰り広げられました。
 それから7年。東日本大震災や福島の原発事故など、大きな時代の変化を感じさせる出来事が次々に起きています。そして、今年の2月、小高賢氏が急逝されました。
 今回のクロストーク短歌では、小高賢氏を悼みつつ、7年前の社会詠論争を振り返り、いま何が変わったのか、変わらないものは何なのかを、じっくり語り合いたいと思います。みな様のご来場をお待ちしています。

          鼎談
  大辻隆弘  松村正直  吉川宏志

日 時  6月7日(土) 午後1時30分〜5時 (受付 1時〜)
場 所  難波市民学習センター 「講堂」(tel 06-6643-7010)
      大阪市浪速区湊町1丁目4番1号 OCATビル4階
      【地下鉄】御堂筋線・四つ橋線・千日前線「なんば」駅下車
      【JR】「JR難波」駅上 【近鉄・阪神】「大阪難波」駅下車
当日会費  2,500円  (前納会費2,000円)
     一度お預かりした会費は、会が中止の時をのぞいては返金できません。
     ただし、事前連絡していただければ、次のいずれかに充当させて
     いただきます。
      @次回の「クロストーク短歌」は500円で受講できます。
      A代理受講。(受講される方のお名前をお知らせください。)
 申込方法 メールでお申し込みください。
 メール宛先 afuju608@@oct.zaq.ne.jp ←@を1つ削除してください。
               鈴木まで
    件名「クロストーク短歌の申込」 本文に@お名前 A連絡できる電話番号
    を送信してください。折り返し、受付メールを送ります。
     (定員になり次第締め切りますので、ご了承ください)

  *7年前の『いま、社会詠は』は、青磁社より記録集が刊行されています。

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2014年03月18日

山崎方代の歌

今年は山崎方代の生誕100年。
ということで、全歌集を読み返している。

読み返していて、数詞の入っている歌が多いことに気が付いた。

一度だけ本当の恋がありまして南天の実が知っております
茶碗の底に梅干の種二つ並びおるああこれが愛と云うものだ
何もせず暮していると耳朶に黒い三本の毛が生えてきた
四尾連(しびれ)湖の尾根の下りに一枚の綿の畑があるを見つけた
滝戸山頭の上から月が出て五右衛門風呂をいっぱいにする
第六番卜雲寺(ぼくうんじ)の門くぐりゆく背におむすびの温もりさめず
縫いあげの取れし七つの春なりきあなたは岡谷へ売られ行きたり
亡き父母が無尽をあてて購いし八角時計が正午を告げる
念仏を唱えるようにつぶやいて算盤玉の九九を覚えし
十朱幸代君が唄えば浅草の酸漿市の夜は闌けてゆくなり

1から10までたわむれに並べてみたら、どの歌にも味わいがあって心ひかれる。

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2014年03月13日

『河野裕子作品集』の歌の脱落のこと

河野裕子の第1〜第5歌集を収めた『河野裕子作品集』(1995年、本阿弥書店)は便利な本だ。『森のやうに獣のやうに』『ひるがほ』『桜森』『はやりを』『紅』の5冊を完本で収録し、巻末には年譜、初句索引、四句索引が載っている。全歌集がまだ刊行されていない今、歌を探す時には特に重宝する。

先日、歌を探していて、この『河野裕子作品集』に歌の脱落があることに気が付いた。

『はやりを』の「ほたる」の6首目「生臭くぞよぞよとして蠢ける昼のほたるは草に幽(ひそ)みて」から「木の耳」の1首目「逝かせし子と生まれ来る子と未生なる闇のいづくにすれちがひしか」までの計5首がまるまる抜け落ちている。

20年近く前に出た本で、今さらどうすることもできないのだが、備忘のためにこのブログに書いておくことにする。

posted by 松村正直 at 07:17| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月09日

マルテの手記

癒えたならマルテの手記も読みたしと冷たきベツド撫でつつ思ふ
                  河野裕子『森のやうに獣のやうに』
『マルテの手記』借りてゆくよと去りぎわに子は呟けり青年として
                  山下泉『海の額と夜の頬』
忘却はやさしきほどに酷なれば書架に『マルテの手記』が足らざり
                  吉田隼人「忘却のための試論」

リルケの『マルテの手記』は、今でも人気の高い本だろう。
短歌の中にもしばしば、その名前を見かける。

私が最初に読んだのは高校生のとき。
今でも大切な一冊だ。

『マルテの手記』には多くの翻訳が出ている。
文庫で出ているものだけでも、以下のような訳がある。

 生野幸吉訳(河出文庫、1955年)
なるほど生きようと思えばこそ、ひとはこの街に集ってくるのだろう。だが、ここではあらゆるものが死滅するほかはない、むしろそんなふうにぼくには思えるのだ。

 芳賀檀訳(角川文庫、1959年)
そう。こうして人々は生きんがためにこの都市へ集まってくるらしい。が僕にはむしろ、ここではみんな人が死んでゆくとしか思えない。

 高安国世訳(講談社文庫、1971年)
そう、要するに人々は生きるためにこのパリにやってくる。だがぼくには、むしろここでは何もかもが死んでゆくように思えてならない。

 望月市恵訳(岩波文庫、1973年改版)
こうして人々は生きるためにこの都会へ集まって来るのだが、僕にはそれがここで死ぬためのように考えられる。

 大山定一訳(新潮文庫、2001年改版)
人々は生きるためにこの都会へ集まって来るらしい。しかし、僕はむしろ、ここではみんなが死んでゆくとしか思えないのだ。

冒頭部分を引いてみたが、訳者によって随分と雰囲気が違うことがわかる。
私は望月訳を繰り返し読んだので、今でもその訳に愛着がある。

きっと誰もが、自分になじみの深い訳を持っているのだろう。

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2014年02月26日

ムッソリーニと色紙(その2)

『寒雲』の歌には「ムソリニ首相に与へし」という詞書が付いている。「与へし」は何やら偉そうな気もするが、実際のところはイタリアへ行く石本巳四雄に託したわけである。

では、この色紙はその後どうなったかと言うと、これには後日譚がある。
前回引いた「ムツソリニ首相」という文章には、昭和19年8月に書かれたと推定される追記があるのだ。
○後記。あれほど高安夫人が私をせきたてて作らせたこの一首と、いそがしい時に慌ただしく書いた金の色紙とは、つひに石本博士の手からムツソリニ氏に手渡されなかつたのみならず、外交官某氏の手に渡したまま、石本博士は帰朝してしまつた。さうしてゐるうち、石本博士も死んでしまつた。自分はこれまでも色紙短冊のたぐひに歌かくことを好まぬが、かういふことがあると、いよいよ以ていやになつてしまふ。

というわけで、色紙は結局ムッソリーニの手には渡らず、茂吉はそれに対して少々憤慨しているのであった。もっとも、この追記が書かれた前年に、ムッソリーニはクーデタにより失脚して北イタリアに逃れており、昭和20年4月には処刑されている。

色紙のことであるが、石本巳四雄はイタリアでムッソリーニに会う機会がなかったのだろうか。それで茂吉から託された色紙を渡すことができなかったのか。

実はそうではない。美佐保の本には、昭和13年5月3日から9日にかけてヒトラーがローマを訪問した話があり、その後、
十日にパパはムッソリーニと会見、ようやく訪伊の最後の目的を果たす。

と書かれているのである。

ここからはただの推測であるが、石本巳四雄にとって、義母の短歌の師から託された色紙は、もともと気の重い預かり物だったのではないだろうか。「外交官某氏」に渡して済ませた気持ちが、とてもよくわかる。

posted by 松村正直 at 00:10| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月25日

ムッソリーニと色紙(その1)

『斎藤茂吉全集』をぱらぱら読んでいると、興味深い話がたくさん出てくる。第六巻(随筆二)には「ムツソリニ首相」という文章がある。
 石本博士夫人は高安やす子夫人の令嬢であるから、博士が伊太利に行かれるにつき一首作りてはどうかと申越したから次の一首を作つた。そして色紙にかいて贈つた。(昭和十二年十二月)
  七いろのあやどよもして雲にのる天馬(てんま)したがふ君をあふがむ

ここに登場する「石本博士」は地震学者で東京帝国大学教授であった石本巳四雄であり、その夫人は石本美佐保(高安国世の次姉)である。

美佐保の『メモワール・近くて遠い八〇年』によれば、石本夫妻は昭和13年1月7日に船で日本を出発して、2月7日にナポリに到着している。イタリアでは大学で講義を行ったほか、さまざまな文化交流に参加。その後、ヨーロッパ各地をめぐったのち、ニューヨークへ渡ってアメリカ旅行をして、7月7日に帰国している。

斎藤茂吉『寒空』(昭和15年)には
   ムソリニ首相に与へし
七(なな)いろの綾とよもして雲に乗る天馬(てんま)従ふ君を仰(あふ)がむ

という歌が載っている。先の文章に引かれていたのと同じ歌だ。
この「君」はムッソリーニを指している。当時イタリアで絶大な権力を誇ったムッソリーニを讃える内容と言っていいだろう。

ただし、私が興味を引かれたのは、もう少し別の点についてである。

posted by 松村正直 at 07:19| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月15日

古今伝授の里短歌大会

NHK学園と郡上市が主催する「古今伝授の里短歌大会」に選者の一人として参加します。現在、詠草を募集中ですので、どうぞご応募ください。

日時 4月24日(木) 午後1時から4時
会場 郡上市総合文化センター
選者 伊藤一彦・梅内美華子・小塩卓哉・松村正直
講演 加賀美幸子「心を動かす言葉」
大会作品募集 2月20日(木)締切 自由題のほかに題詠「伝」

お問い合わせ 〒186−8001
    東京都国立市富士見台2−36−2
      NHK学園 古今伝授の里短歌大会事務局
  TEL 042−572−3151(代)

詳しくは http://www.n-gaku.jp/life/competition/etc/docs/2014gujyou_tanka.pdf

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2014年02月11日

小高賢さん

小高賢さんが亡くなった。
突然の訃報に驚いている。

角川「短歌」2月号に書いた時評でも、小高さんの「批評の不在」という評論を取り上げたばかりであった。

東京で行われる短歌の授賞式などに行くと、知り合いの少ない私は会場でぽつんと一人になってしまうことが多いのだが、そんな時に声を掛けてくれるのは小高さんだった。その気さくな人柄と笑顔に接すると、いつも安心したものだ。

この「やさしい鮫日記」を見てくれることもあったようで、一度「松村君の読んでるのは、文庫や新書ばかりだね。たまには堅い本も読みなさいよ」と言われたことがある。小高さんは編集者であり、本を愛する人だったから、その言わんとするところはよくわかった。

ご冥福をお祈りします。


posted by 松村正直 at 22:14| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月05日

URLの変更

「やさしい鮫日記」をこちら(SeesaaBLOG)に移転しました。
新しいURLは http://matsutanka.seesaa.net/ です。
「お気に入り」などに入れている方は、登録の変更をお願いします。

今後ともよろしくお願いします。


posted by 松村正直 at 06:50| Comment(2) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月26日

1月26日

今日は永井陽子さんの命日。
2000年に亡くなってから、もう14年になる。
あまでうすあまでうすとぞ打ち鳴らす豊後(ぶんご)の秋のおほ瑠璃(るり)の鐘
                  『モーツァルトの電話帳』
生まれくる風やわらかい2Bの芽が出はじめるえんぴつ畑
「大航海時代」の語のみいきいきと前をゆく男ふたりの話

永井さんの歌の持つ透明な明るさや軽やかさを私は愛する。
一方で、その裏側にあった寂しさやかなしみについても、考えないではいられない。
もしある夜、どこかの街で私が死んでしまっても、そうとは知らずだれかが電話して、私の声とながれている音楽とを聞くだろう。そして、何か伝言を入れておいてくれるにちがいない。   『モーツァルトの電話帳』

留守番電話に吹き込まれた故人の声や音楽を聞くように、永井陽子の残した歌を読んでいる。本当に良い歌は、何年経っても良いままであり続けるだろう。

posted by 松村正直 at 13:22| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする