2017年09月13日

神山典士著 『成功する里山ビジネス』



副題は「ダウンシフトという選択」。

人口が減り経済成長もしなくなる「下り坂」の日本社会をどのように捉え、生きていけば良いのか。新しい考え方や生き方を模索し始めた地域や人々を取り上げて論じた一冊。

現在の日本は、環境の変化に対抗する下山用の「文化」を用意しようとしていない。人口増加の社会システムや思考のままに、人口減少時代を生きようとしている。そこが最大の問題だ。
下山の時代には、むしろその真逆の行動が求めれている。仕事は中央よりも課題山積みの地方にある。過疎化や経済的疲弊、文化や教育的課題が蔓延する地方=下り列車の行き先にこそ、働く舞台があり主人公がいる。

こうした文章に、作者の問題意識はよく表れている。

本書で取り上げられているのは、小布施町、一人出版社「文屋」、平田オリザ、豊岡市城崎町、新潟県岩室温泉、「津屋崎ブランチ」、山崎亮とstudio-L、瀬戸内国際芸術祭、小豆島町、バー「たまにはTSUKIでも眺めましょ」、坂勝、隠岐郡海士町、岩本悠など。

これらは既に成功例として知られている(有名な)地域や人が多く、その点では物足りなさが残る。けれども全体にコンパクトにまとまっていて、今後の社会のあり方を考えるきっかけとなる内容だと思う。

2017年7月10日、角川新書、800円。

posted by 松村正直 at 08:07| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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