2017年06月01日

欠詠

あれはどの歌集に入っている歌だったかな、と思って探したら1冊目で見つかった。

欠詠の若きらをもはや頼まざり私にはもう時間がない
               河野裕子『家』

1996年の歌なので、当時河野さんは50歳。
欠詠する若者たちを、一体どんな思いで見ていたのだろう。

欠詠してはいけません。一回欠詠するとズルズルと休み癖がついてしまい、短歌引きこもりになるから御用心。一首でもいい。日本語が並んでさえいればいいと思って出詠してください。ええカッコして、褒めてもらおうと思うから歌ができなくなるのですよ。駄作、凡作がいつのまにか作歌の元肥やしになってくれます。諦めてはあきません。

『河野裕子読本』に収められた「河野裕子語録」より。
「塔」に入って20年になるけれど、一度も欠詠したことはない。
河野さんにこういう話を何度も聞かされていたからである。

「諦めてはあきません」、そう、大事なのは諦めないことだ。
posted by 松村正直 at 23:37| Comment(2) | 短歌入門 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
一人で細々と新聞へ投稿していたころ、『河野裕子読本』に出会い、「河野裕子語録」をノートに書き写しました。
一度もお目にかかれなかったけれど、大好きな河野裕子さんの言葉を残してくださった方々に、心から感謝しました。
それにしても、20年間、一度も欠詠なしとはすごいです。私の場合は、20年経つともうすっかりおばあちゃん。果たして生きているかな?(^^)
Posted by 藤田咲 at 2017年06月02日 18:06
「河野裕子語録」はカルチャーセンターの受講生の方々のメモをもとに木村輝子さんがまとめて、河野さんが目を通したものですね。
口調や言い回しなど、生前の河野さんの感じがよく伝わってきて、本当に有難いです。
Posted by 松村正直 at 2017年06月03日 07:21
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