2017年01月20日

「現代短歌」2月号(その2)

もう一つ感じたのは、沖縄に関する特集で樺太の話を出してもらえたことに対する喜びである。沖縄と樺太では全く関係ないと思う人もいるかもしれない。でも、歴史をさかのぼり、近代国民国家としての「日本」の成り立ちを考えれば、沖縄と樺太にはいくつもの共通点がある。

例えば、『樺太を訪れた歌人たち』の最初の「北見志保子とオタスの杜」の中で、私は北方少数民族に対する現在の目から見れば差別的な意識や扱いについて触れた。本の中に載せた当時の絵葉書には「オロツコ土人」というキャプションが付いている。

この「土人」という言葉は、昨年大きな話題となった。今回の特集の中でも何人もの歌人が、沖縄で警備にあたる機動隊員が「土人」という言葉を発した問題を歌に詠んでいる。つまり、戦前の樺太で起きていた出来事を国家の「中央―周辺」という問題として捉え直せば、それは現在の沖縄の問題にもつながってくる話なのだ。

私は「戦前」の「樺太」について調べているけれど、それは単に過去の、既に終ってしまった、現在とは無関係のことをほじくり返すということではない。すべては現在に深くつながる問題として興味を持っているのである。

昨年末に新聞の取材を受けた時もちょうどそういう話をしたところだったので、今回の光森さんの文章をとても嬉しく読んだのであった。

posted by 松村正直 at 18:45| Comment(0) | 短歌誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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