2016年11月25日

金原みわ著 『さいはて紀行』

京都の書店でよく行くのは「丸善京都本店」「ジュンク堂京都店」「大垣書店烏丸三条店」。近年、書店はどこも経営が大変なようで、文具やコミックの売場が広がるなど、私にとって魅力のある本屋が減っている。「ブックファースト京都店」「大垣書店四条店」なども、そういう意味で行かなくなってしまった。

そんな中にあって「ふたば書房京都マルイ店」は、売り場面積は小さいながらも品揃えがユニークで、しばしば足を運ぶ。本書もふたば書房の入口付近の一番良い場所に都築響一さん推薦といったポップ付きで平積みにされていたのであった。

この本の著者は全く知らなかったのだが、都築響一『珍日本紀行』を愛読している私は迷わずに買った。そして、実に良い本であった。こうした出会いは嬉しい。

内容は以下の通り。

・性のさいはて (芦ノ牧温泉)
・罪のさいはて (和歌山刑務所白百合美容室)
・水のさいはて (淀川河川敷、ピカソの家)
・異国のさいはて(タイのゴーゴーボーイズ)
・食のさいはて (団欒亭のゴキブリ食)
・宗教のさいはて(キリスト教看板総本部)
・夢のさいはて (熱海銀座劇場)
・人のさいはて (祖父の葬儀)

いわゆる珍スポット巡りなのだが、文章が抜群にいい。面白おかしく読んでいくと、最後にほろっとさせられたりする。著者自身の感情の動きや起伏がダイレクトに読者に伝わってくるような文体だ。

解説に都築響一が

若者の書く文章がダメなのではなくて、文字の多くがもう活字ではなくディスプレーで読まれる時代にあって、文章の書きかた自体がすでに往年の「名文」とは異なる次元に突入しつつあるのではないかと、ウェブ上で自分の文章を発表しながら、つくづく思う。

と書いている。これは、けっこう大事な問題であろう。

2016年5月10日、シカク出版、1000円。

posted by 松村正直 at 07:37| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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