2015年07月08日

「短歌往来」2015年7月号

島内景二さんの連載「短歌の近代」は19回目。
タイトルは「大和田建樹の新体詩の戦略」。

鉄道唱歌の作詞者として知られている大和田建樹について取り上げている。

「汽笛一声」や「汽車」という漢語が、「たり」という文語と絶妙に入り交じり、融和している。歌詞には、洋語も混じる。

鉄道唱歌の成立事情については、以前、下記の本で読んだことがある。
 ・中村建治著 『「鉄道唱歌」の謎』
 http://matsutanka.seesaa.net/article/387139177.html

大和田はまた旧派和歌の歌人でもあり、歌集に『大和田建樹歌集』がある。

大和田は、狂歌にも当意即妙の冴えを見せ、俗語や漢語も自在に駆使した。だが、それらは「歌集」には含まれない。大和田建樹は、三十一音の短詩形においては、洋語はもちろん、漢語を交えない、純然たる旧派歌人だった。

ここに、狂歌と和歌の違いが端的に示されている。
大事なことは、同じ作者が狂歌も詠み和歌も詠んでいたことだろう。

「和歌」と「唱歌」、あるいは「和歌」と「狂歌」、こうした部分まで視野に含めないことには、明治の和歌革新運動の姿は見えてこないのである。

posted by 松村正直 at 18:44| Comment(0) | 短歌誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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