2017年03月16日

吉田勝次著 『洞窟ばか』


副題は「すきあらば、前人未踏の洞窟探検」。

洞窟探検家として国内外1000以上の洞窟に入り、プロの洞窟ガイドとしても活躍する著者が、これまでの半生を語りつつ洞窟の魅力について記した本。

とにかく、洞窟に対する愛と情熱、行動力がすごい。

まさに運命の出会いと言っても過言ではない。運命の女性と出会った男が「オレにはこの人しかいない」と興奮するように、オレは洞窟の中で興奮しまくっていた。
オレは、洞窟をやる人間、洞窟好きの人間には悪い奴はいないと思っている。
洞窟に出会ってから現在までのおよそ二十数年間、オレは自分の人生の全エネルギーを洞窟探検に注いできた。未知の洞窟を探検するために生きてきたと言ってもいい。

どんな分野においても、こんなふうに言い切れる人はなかなかいないだろう。

洞窟探検に関する具体的な話も面白い。
観光用の洞窟とは全く違う世界である。

当初から、おしっこは空になったペットボトルに、ウンコはジップロックのような密封できるビニール袋に入れて、100%持ち帰るようにしていた。
新しい洞窟を探すとき、最初に見るのは地質図と地形図である。
洞窟をやるようになって、いかに人間が太陽のリズム、つまり1日24時間というサイクルに拘束を受け、それに合わせるために行動を左右されているか、ということがかえって実感できるようになった。

巻頭に16ページにわたって載っているカラー写真も素晴らしい。著者は最後に洞窟の写真集を出したいという夢を書いているのだが、確かに洞窟の美しさや大きさが一目で伝わってくる。

2017年1月31日、扶桑社、1400円。

posted by 松村正直 at 15:46| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする