2018年12月31日

2018年の活動記録

*この記事は常に一番上に表示されています。
 最新の記事は一つ下を見て下さい。

作品
 ・「チンアナゴ」12首(「短歌往来」2月号)
 ・「秋の耳たぶ」30首(「短歌研究」2月号)
 ・「現実に少し遅れて降る雪を」30首(「短歌研究」5月号)
 ・「柿若葉」6首(「短歌往来」7月号)
 ・「ふたたび」8首(「岡大短歌6」)
 ・「富士の見えるあたり」30首(「短歌研究」8月号)
 ・「しずくしずくが」30首(「短歌研究」11月号)
 ・「みずのめいろ」15首(「パンの耳」第1号)

連載
 ・啄木ごっこ(第1回)好きな人、嫌いな人(「角川短歌」11月号)
 ・啄木ごっこ(第2回)国語教科書の中に(「角川短歌」12月号)

評論
 ・「暮らしが見えてくる歌」(「歌壇」6月号)
 ・「違和感から理解へ」(「プチ★モンド」102号)

書評
 ・さいとうなおこ著『子規はずっとここにいる』評(「角川短歌」1月号)
 ・佐藤モニカ歌集『夏の領域』評(「短歌往来」2月号)
 ・柴田典昭歌集『猪鼻坂』評(「現代短歌新聞」2月号)
 ・植田珠實歌集『梟を待つ』評(「短歌研究」3月号)
 ・高野公彦インタビュー『ぼくの細道うたの道』評(「うた新聞」3月号)
 ・本川克幸歌集『羅針盤』評(「現代短歌」4月号)
 ・水沢遙子歌集『光の莢』評(「現代短歌新聞」7月号)
 ・『塚本邦雄全歌集T』評(「歌壇」9月号)
 ・森田悦子歌集『裲襠』評(「現代短歌」9月号)
 ・江田浩司歌集『孤影』評(「短歌往来」9月号)
 ・雁部貞夫著『『韮菁集』をたどる』評(「青磁社通信」29号)
 ・天草季紅著『ユーカラ邂逅』評(「現代短歌新聞」11月号)

時評
 ・短歌月評「世代を跨ぐ試み」(「毎日新聞」1月22日朝刊)
 ・短歌月評「アンソロジーを楽しむ」(「毎日新聞」2月19日朝刊)
 ・短歌月評「記念号と終刊」(「毎日新聞」3月26日朝刊)

その他
 ・心に残ったこの一首2017(「現代短歌」2月号)
 ・連載「時間のあやとり 函館」(「角川短歌」2月号)
 ・4月のうたのヒント(「現代短歌新聞」4月号)
 ・秀歌鑑賞(「短歌春秋」146号)
 ・「高安国世の推敲〜白から薔薇色へ〜」(「短歌現代」6月号)
 ・秘蔵の一冊(「現代短歌」7月号)
 ・歌集の売れ行きをめぐる個人的な感想(「角川短歌」8月号)
 ・テキスト企画 旅をよむ。(「NHK短歌」9月号)
 ・緩さと自由(「鱧と水仙」第51号)
 ・新たな自分との出会い(「うた新聞」9月号)
 ・第6回現代短歌社賞選考座談会(「現代短歌」12月号)
 ・一月の歌(「六花」vol.3)
 ・2018作品展望(「短歌研究」12月号)
 ・第67回源実朝を偲ぶ仲秋の名月伊豆山歌会記(「角川短歌」12月号)
 ・作品点描6(「角川短歌年鑑」2019年版)

出演
 ・第21回「あなたを想う恋の歌」審査員
 ・第6回現代短歌社賞選考委員
 ・第67回源実朝を偲ぶ伊豆山歌会(9月24日)



posted by 松村正直 at 23:59| Comment(2) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月09日

近刊『戦争の歌』

著者 :
笠間書院
発売日 : 2018-12-14

12月14日に、『戦争の歌』という本を刊行します。

笠間書院の「コレクション日本歌人選」の1冊で、日清・日露戦争から太平洋戦争までの代表的な短歌51首の鑑賞を書きました。
取り上げた歌人は、以下の通り。

落合直文、下谷老人、佐佐木信綱、渡辺重綱、弾琴緒、与謝野鉄幹、正岡子規、樋口一葉、明治天皇、伊藤左千夫、高崎正風、昭憲皇太后、石上露子、与謝野晶子、斎藤瀏、森鷗外、平福百穂、斎藤茂吉、宇都野研、釈迢空、前川佐美雄、前田夕暮、北原白秋、園瀬真砂詩、久保田不二子、穂積忠、渡辺順三、筏井嘉一、山口茂吉、加藤将之、渡辺直己、山本友一、川野弘之、小泉苳三、西村陽吉、土岐善麿、吉植庄亮、木俣修、八木沼丈夫、宮柊二、佐藤完一、松田常憲、佐藤佐太郎、斎藤史、土屋文明、半田良平、近藤芳美、折口春洋、正田篠枝、竹山広、窪田空穂

自費出版ではなく企画出版なので、手元に在庫はありません。
お買い求め・ご注文は書店やアマゾンでお願いします。

posted by 松村正直 at 21:02| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月07日

「パンの耳」第1号

  P1070093.JPG

西宮で行っているフレンテ歌会のメンバー14名で、
同人誌「パンの耳」第1号を刊行しました。
A5判、48ページ。
各自の連作15首とエッセイ「短歌とわたし」が載っています。

P1070095.JPG

私も新作「みずのめいろ」15首を発表しました。

定価は300円(送料込み)。
購入希望の方は、住所・氏名・電話番号を明記して
松村までご連絡ください。
masanao-m@m7.dion.ne.jp


posted by 松村正直 at 22:48| Comment(0) | 短歌誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月06日

第5回佐藤佐太郎短歌賞・第6回現代短歌社賞授賞式


おとといは第5回佐藤佐太郎短歌賞・第6回現代短歌社賞の授賞式へ。
会場は目白駅前の「リュド・ヴィンテージ目白」。
100名近い方が参加して盛況だった。

佐藤佐太郎短歌賞は、前田康子歌集『窓の匂い』。

 鳩のごと胸と胸とが触れてしまう正面から娘が抱きついてきて
 一日中口づけていた 使い捨てマスクの裏に薄き口紅
 春の雲つめて作らむ砂時計「あと10分」がわからぬ母へ

現代短歌社賞は、門脇篤史「風に舞ふ付箋紙」300首。

 一本のPeaceを吸へば遡及して揺らぎはじめる感情はあり
 牛乳に浸すレバーのくれなゐが広がるゆふべ 目を閉ぢてゐる
 子を成すを恐るる我と恐るるに倦みたる妻と窓辺にゐたり

お二人とも、おめでとうございます!

posted by 松村正直 at 20:12| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月04日

「穀物」第5号

 包みハンバーグの銀河を切り開く婚約中の女ともだち
                      狩野悠佳子

アルミホイルを切り開くとハンバーグの湯気が立ち上がる。銀色から「銀河」をイメージしたのと、「包み」と「婚約中」がどことなく響き合うところがいい。

 植物になるなら何に? ばらが好きだけど咲くのは苦しさうだな
                      川野芽生

薔薇の花の幾重にも重なり合う花びらは、確かに「苦しさう」という感じがする。単に見ている分には美しいのだけれど。

 人のをらぬ街へ帰れば街ぢゆうの涸れざるままの湧き水に逢ふ
 をとこみなをとこのこゑになりゆくをかつて屠(し)めたる鶏の爪痕
 大合併の前年に編まるる町史にて大火の夜は頁を跨ぐ
                      濱松哲朗

「翅ある人の音楽」40首。力のある連作で、今回最も注目した。
自らの過去の記憶をたどる旅のなかに、ところどころ他者からの批判や侮蔑の言葉がカタカナ書きで挟み込まれる。

一首目、廃墟となった故郷の風景。ただし、現実の故郷ではなくイメージとしての故郷を造形しているのであろう。
二首目、「男ノクセニ、女ミタイナ声ヲ出シヤガツテ。」という言葉もある。思春期に声変わりする男たちとは異なる存在としての自分。声は身体の一部であるから、他人が軽々しく何か言うべきことではない。
三首目、大火に関する記述が長く続く。面白いのは、写実的な文体でありながら内容はおそらくイメージであるところ。こうした方向性の歌にはとても可能性を感じる。

 「なごり雪」を知らない人と歩いてる雪にさわれる連絡通路
                      廣野翔一

1974年発表のイルカの大ヒット曲「なごり雪」。雪を見て「なごり雪」を思い浮かべる作者とその曲を知らない相手。世代や育った環境の違いがこんなところに表れる。

 銀紙のちぎれた端を口にしてからすにも立ち尽くすことあり
                      山階 基

道端で食べ物を漁っているところか。黒い嘴からのぞく銀紙が鮮やかだ。しばらくじっと動かずに、呆然としているようなカラスの姿。

2018年11月25日、400円。

posted by 松村正直 at 13:16| Comment(0) | 短歌誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月03日

山本昌仁著 『近江商人の哲学』


副題は「「たねや」に学ぶ商いの基本」。著者は和菓子製造販売の「たねや」や洋菓子製造販売の「クラブハリエ」を展開する「たねやグループ」のCEO。

以前、私の好きな建築家・建築史家の藤森照信が設計した「ラ コリーナ近江八幡」に行ったことがある。とても素敵な店であり空間なのだが、ここが「たねやグループ」の中心地で、今では年間300万人近くを集める場所となっている。

  P1060555.JPG

  P1060563.JPG

  P1060560.JPG

  P1060564.JPG

本書は創業家の十代目として生まれ、2011年に「たねや」を継承した著者が、自らの理念や商売の方法を記したもの。

世の中には「手作り信仰」というか、手作業のほうがおいしいという思い込みがある気がします。とんでもない。実は、和菓子は人間の手が加われば加わるほどダメになっていきます。
菓子屋は「主人の舌」がすべてです。主人がOKを出したものしか店頭に並ばない。
無菌状態で作る水羊羹に「本生水羊羹」とネーミングしたのは、紫色のあんここそ本物なのだ、という思いがあるからです。世の中の人は黒っぽい茶色があんこの色だと思い込んでいますが、それは本物じゃない、と訴えたかった。
自分たちで作ったものを、最後まで自分たちで商う。これが、たねやの哲学です。誰かに頼んで売ってもらうと、お客様との関係が切れてしまう。
伝統を守るとは、変えることなのです。ただし、変えたことがお客様にわかるようでは、話になりません。大きく変えているのに「昔から変わらん味やなあ」と言っていただいてはじめてプロなのです。

現在の「たねや」の成功の舞台裏がわかるとともに、自然との共生や地域への貢献など、これからの社会のあり方を考える上でも役立ちそうな一冊である。

2018年8月20日、講談社現代新書、860円。


posted by 松村正直 at 12:59| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月02日

現代歌人集会秋季大会

今日は13時からアークホテル京都で現代歌人集会秋季大会。

第44回現代歌人集会賞授与式(山下翔歌集『温泉』)、林和清さんの基調講演「夫婦であり歌人であり」、米川千嘉子さんの講演「人間的なるものの深さへ〜岩田正と窪田空穂〜」があり、参加者143名と大盛況だった。

稲泉さん、坂さん、杉野さん、奥野さん、新谷さん、岡田さん、光永さん、森田さん、田中さん、澤崎さん、大西さん、乾さん、宇留間さん、ご来場いただきありがとうございました。

来年の春季大会は6月23日(日)に鳥取で開催の予定。

posted by 松村正直 at 23:34| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月01日

あちこち


今月から来春にかけて、イベントや歌会や歌集を読む会などであちこちに行きます。多くの方々とお会いできると嬉しいです。

・12月 2日(日) 現代歌人集会秋季大会(京都)
・12月 4日(火) 佐藤佐太郎短歌賞&現代短歌社賞授賞式(東京)
・12月15日(土) 「塔」京都忘年歌会&忘年会
・12月23日(日) 「塔」奈良歌会&歌集『あすなろのままに』批評会
・ 1月13日(日) 「塔」第2回定時社員総会(東京)
・ 1月19日(土) NHK全国短歌大会(東京)
・ 2月10日(日) 「塔」四国歌会
・ 3月10日(日) 「塔」仙台歌会
・ 3月23日(土) 「塔」和歌山歌会&歌集『あすなろのままに』を読む会


posted by 松村正直 at 20:17| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月30日

竹田津実著 『獣医師の森への訪問者たち』


北海道で獣医師として働きながらキタキツネの生態調査やナショナルトラスト運動などに尽力した著者。1991年に退職してからは執筆家・写真家として活躍している。

表紙の写真が何とも素敵だ。「治療中に脱走したユキウサギを追う看護婦長・・・カミサンを撮ったもの」と説明がある。

以前、函館に住んでいた時に北海道関連の本をいくつも読んだのだが、その中にこの著者の『北海道動物記』『北海道野鳥記』(平凡社ライブラリー)があった。2冊とも非常に印象的でいっぺんに好きになった。

本書は主に1970年代の出来事や様々な人々との交流の思い出を記した18篇を収めている。「青春と読書」2016年10月号〜2018年5月号に連載した文章をまとめたものだ。

北海道と樺太の深いつながりを示す一篇もある。

Sさんは近くの養狐場に勤めていた。(・・・)日魯漁業(現・マルハニチロ)のもつ日魯毛皮(現・ニチロ毛皮)の網走飼育場の飼育員である。歴史は長い。終戦時は樺太、現サハリンにいた。その時も毛皮場の飼育員でそのままシベリアへ抑留され、そこでも同じことをやっていた。

樺太から引き揚げてきた人が北海道には多く住んでいる事実を、あらためて教えられる記述であった。

2018年11月25日、集英社文庫、740円。

posted by 松村正直 at 23:13| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月29日

永田紅歌集 『春の顕微鏡』


2006年から2011年までの作品676首を収めた第4歌集。
3首組で300ページと、かなりのボリュームである。

記憶力あわきあなたは忘れゆく鎌倉駅の黒ぶちの子猫
裏門は厩舎の横にありけるを君が開きて我が閉じたり
歯を磨きながら会話を思うとき聞き違えられし言葉に気づく
アムールの真水が塩を薄めつつ海の凍りてゆくさまを聞く
道草を食っているのは馬だから人はその辺に立ちて待ちたり
ちょっとここで待っていてねと日溜まりが老婆をおきてどこかへゆけり
フラスコの首つかまえて二本ずつ運べば鳥を提げたるごとし
やがていろんな猫が入ってくるようになって芝生はトムを忘れる
すずかけの日射しは過去でしかないが私は捨ても否定もしない
遺体みな磁針のように北向きに寝かされて長き日本列島

1首目、デートで見かけた子猫のことを相手はいつか忘れてしまう。
2首目、いつも相手の後に続いて門を通り抜けたのだ。
3首目、何時間も前の会話の食い違いの理由にようやく気付く。
4首目、オホーツク海に流氷ができる仕組みの話。
5首目、「道草を食う」という慣用句を、本当の意味で使っている。
6首目、老婆が休んでいる間に日が移ってしまったのだ。
7首目、カモなどを手に提げているイメージだろう。
8首目、飼い猫のトムが死んだ後の庭。「芝生は」という主語が面白い。
9首目、自らの過去に対する向き合い方。
10首目、「磁針のように」という比喩と結句の飛躍が印象的な歌。

 「らりるれろ」言わせて遊ぶ電話には山手線の放送聞こゆ

東京で働いている夫と電話している場面。かつては酔った父に電話で言わせていた言葉である。

 らりるれろ言ってごらんとその母を真似て娘は電話のむこう
                    永田和宏『饗庭』

2018年9月25日、青磁社、3000円。

posted by 松村正直 at 22:28| Comment(0) | 歌集・歌書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月28日

歌集、お持ち帰りくださいの会

【歌集、お持ち帰りくださいの会】
日時:12月12日(水)17時〜
場所:塔短歌会事務所(烏丸丸太町)

蔵書整理で出てきた古い歌集や事務所の本棚に入りきらない歌集を、読んで頂ける方に無料でお譲りします! 会員でない方も大歓迎。17時にお集まりください。

事務所の地図→http://toutankakai.com/information/

posted by 松村正直 at 23:00| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月27日

「塔」2018年11月号(その2)

 水平に、また垂直に伸びていく都市だ 五階の窓をひらけば
                        紫野 春

高い建物の窓から眺めると、街が平面的に広がるだけでなく、立体的に伸びていることに気が付く。「水平に、また垂直に」という始まり方がいい。

 年寄りはみな赤ん坊に触れたがり雨の街ゆくバス華やげり
                        王生令子

赤ちゃんが一人いることで、周りが賑やかになる感じがよく伝わってくる。赤ちゃんに触れると、何かエネルギーをもらって若返ったような気分になる。

 常夜灯ついてるほうがなんとなく心細くて暗闇にする
                        小松 岬

蛍光灯のナツメ球のこと。一般的には真っ暗だと不安なので常夜灯を点けておく。でも、言われてみれば確かに、ほのかな光なのでかえって心細い。

 二刀流宮本武蔵はすぐ倒(こ)ける父が作りし小っちゃい人形
                        松下英秋

情景がありありと目に浮かぶ歌。刀を二本持っているのでバランスが悪く、すぐに前に倒れてしまうのだ。何とも弱そうな宮本武蔵なのがおかしい。

 機械油に汚れし階段のぼりゆく産前休業まであと七週
                        吉田 典

工場などの職場で働いている作者。妊娠中なので階段をのぼるのも大変である。「あと七週」と自身に言い聞かせながら一日一日働いているのだ。

 浄水場のみづは水路を走りをりしんそこほそいクロイトトンボ
                        松原あけみ

水路の上をクロイトトンボが飛んでいるところ。「しんそこほそい」のひらがな表記が効果的。トンボの身体の細さだけでなく水の流れもイメージされる。

 落石に押し潰された看板の「落石注意」はだいぶ正しい
                        平出 奔

交通標識の破損をユーモアを交えて詠んでいる。まさに注意喚起していた通りに落石があったわけだから、標識としてはある意味本望かもしれない。


posted by 松村正直 at 15:52| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月26日

「塔」2018年11月号(その1)

 たまたまに外出どきの蚊のひとつ肩にとまりてわが家にはひる
                        大橋智恵子

蚊のことが別に嫌いなわけではないようで、冷静に観察している。洋服の肩に止まったまま家に入って来てしまった蚊を心配しているようでもある。

 巡回の鳩のうしろをしずしずと立ちゆく朝のちいさき草は
                        なみの亜子

鳩が踏みつけた後で草がまた起き上がる様子。「巡回」とあるので、鳩はそのあたりを何度もぐるぐる歩いているのだ。鳩と草と作者の朝のひととき。

 子供らがよくしてくれてと人に言ひ母は私をつなぎとめたい
                        久岡貴子

上句だけ読むとほのぼのした家族の話かと思うのだが、下句でドキッとさせられる。母と娘の間の心理的な駆け引きが一首に深い陰翳を与えている。

 へろへろと去年の糸瓜が芽を出すから男なんてと思つてしまふ
                        大島りえ子

前年に育てた糸瓜のこぼれ種が芽を出したのか。糸瓜の芽から下句の「男なんて」に飛躍したところが面白い。何か不満に思うことがあったのだろう。

 三人産むはずだったのと今日も言う母の穴すべて今塞ぎたし
                        朝井さとる

実際は一人か二人しか産まなかった母。娘である作者にしてみれば、「私では不満なの」と言いたくなる。下句は介護の場面か。何とも強烈な表現。

 捻子一つ夫の手にありパソコンの椅子の組み立て終わりしあとを
                        数又みはる

ユーモアのある歌。どこかの捻子を一つ付け忘れたのだ。でも組み立てには順序があるから、もう一度バラバラにしない限り締めることができない。

 ふた回り小さきバスが巡行す若きみどりのペイント塗られ
                        岡山あずみ

近年あちこちでよく見かけるコミュニティバスだろう。通常の路線バスより小さな車体のものが多い。そして、過剰なまでの明るさが演出されている。


posted by 松村正直 at 20:46| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月25日

選考会&会議

3連休の秋の京都は大勢の観光客で賑わっている。
いつも乗るJR奈良線も「稲荷駅」「東福寺駅」の混雑がすごい。

昨日は13:30〜17:30、塔短歌会事務所で選考会。
今日は11:00〜17:00、メルパルク京都で会議。

どちらも順調に話は進んだが、ずっと喋り続けたので疲れた。
明日からはまた通常の日々に戻る。

posted by 松村正直 at 23:48| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月22日

京都平日歌会

今日は13:00から「塔」の京都平日歌会へ。
毎月第4木曜日に塔短歌会事務所で行っている。

会場が狭いため参加者同士の距離が近く、
意見が言いやすい歌会になっていると思う。
歌会にとってはそれがとても大切。

2012年に立ち上げた歌会も、今日で77回目。
調べてみると、そのうち72回出席している。

といっても、参加回数が1番というわけではなく
4番である。最も参加回数が多い方は75回。
皆さんとても熱心で、毎回励まされている。

posted by 松村正直 at 23:13| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月21日

鶫書房

以前、ながらみ書房で『樺太を訪れた歌人たち』を担当してくださった爲永憲司さんが、今年3月に西荻窪で鶫書房という出版社を立ち上げた。

https://www.tsugumishobou.com/

「鶫」は「つぐみ」。

ホームページの「鶫書房編集便り」には、和歌・短歌の相当マニアックな話が載っていて面白い。近代短歌や書籍について調べるのが本当に好きなんだなあと思う。

「マツコの知らない世界」を観ていても感じることだが、「本当に好きだ」という気持ちや思いの強さは、その話題に興味がない人にも確実に伝わる。それは、とても大切なことだと思う。

posted by 松村正直 at 19:00| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月19日

現代歌人集会秋季大会

12月2日(日)にアークホテル京都で、現代歌人集会秋季大会が
開催されます。米川千嘉子さんの講演「人間的なるものの深さへ
〜岩田正と窪田空穂〜」や第44回現代歌人集会賞(山下翔歌集
『温泉』)の授与式などが行われますので、ぜひご参加下さい。


  2018歌人集会秋季大会.png

   (クリックすると大きくなります)
posted by 松村正直 at 23:00| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月17日

NHK取材班著 『外国人労働者をどう受け入れるか』


副題は「「安い労働力」から「戦力」へ」。

2016年に、日本で働く外国人労働者は100万人を超えた。その中には、「留学生」や「技能実習生」などの名目で働いている人も多い。以前、私が働いていた物流倉庫には中国人の実習生がいたし、プラスチック成型の工場ではベトナム人の実習生が働いていた。

今、ちょうど外国人労働者の受け入れ拡大のための「出入国管理法改正案」が国会で審議されているところ。外国人労働者を企業の論理で使い捨てにするのではなく、共存共栄していくためにはどうすれば良いのか。

これからの日本社会を考える上で、非常に大事な問題だと思う。

2017年8月10日、NHK出版新書、780円。

posted by 松村正直 at 08:23| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月14日

「現代短歌」2018年12月号

第6回現代短歌社賞が発表になっている。
門脇篤史「風に舞ふ付箋紙」300首。

 ハムからハムをめくり取るときひんやりと肉の離るる音ぞ聞ゆる
 牛乳に浸すレバーのくれなゐが広がるゆふべ 目を閉ぢてゐる
 子を成すを恐るる我と恐るるに倦みたる妻と窓辺にゐたり

堅実な詠みぶりの力ある作者で、今後が楽しみだ。

選考委員4名(阿木津英・黒瀬珂瀾・瀬戸夏子・松村正直)による座談会も29ページにわたって掲載されている。ふつうは座談会を行っても誌面に載るのは半分か3分の1くらいの分量になるのだが、これは当日の話のほぼすべてが載っている。

ところどころ緊迫した(?)やり取りもあるので、皆さんぜひお読みください。

なお、第7回現代短歌社賞の募集も始まっています。
歌集未収録作品300首(未・既発表不問)。
締切は来年7月31日。

posted by 松村正直 at 19:07| Comment(2) | 短歌誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月12日

カルチャーセンター

大阪、芦屋、京都でカルチャー講座を担当しています。
短歌に興味のある方は、どうぞご参加下さい。大歓迎です。

◎毎日文化センター梅田教室 06−6346−8700
 「短歌実作」 毎月第2土曜日 *奇数月を松村が担当しています。
   A組 10:30〜12:30
   B組 13:00〜15:00

◎朝日カルチャーセンター芦屋教室 0797−38−2666
 「はじめてよむ短歌」 毎月第1金曜日 10:30〜12:30

◎朝日カルチャーセンター芦屋教室 0797−38−2666
 「短歌実作(A)」 毎月第3金曜日 11:00〜13:00
 「短歌実作(B)」 毎月第3金曜日 13:30〜15:30

◎JEUGIAカルチャーイオンタウン豊中緑丘 06−4865−3530
 「はじめての短歌」 毎月第3月曜日 13:00〜15:00

◎JEUGIAカルチャーセンター京都 de Basic. 075−254−2835
 「はじめての短歌」 毎月第3水曜日 10:00〜12:00

◎JEUGIAカルチャーセンターMOMOテラス 075−623−5371
 「はじめての短歌」 毎月第1火曜日 10:30〜12:30

◎醍醐カルチャーセンター 075−573−5911
 「初めてでも大丈夫 短歌教室」 毎月第2月曜日 13:00〜15:00

posted by 松村正直 at 20:11| Comment(3) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする